タンソーマンGX 蓄電所の案件と用地

高圧・低圧 共通

工場や倉庫の空きスペースに蓄電所は置けるか、需要家側蓄電池との違い

答え:工場や倉庫の敷地の空きスペースに系統用蓄電池を置くこと自体は、土地の条件を満たせば検討できます。ただし系統用蓄電池は、工場が電気を受けている受電設備とは別に、単独で電力網につながる設備です。工場の電気代を下げる「需要家側」の蓄電池とは目的も収入の仕組みも違うため、どちらを考えているのかを最初に整理する必要があります。

蓄電池は置き場所と目的で三つに分かれる

解説ブックでは、蓄電池を置き場所で三つに分けています。家庭や工場の中に置いて自分の電気代を下げる「需要家側」、太陽光発電所に併設して発電の時間をずらす「再エネ併設」、そして電力網(系統)に単独でつながる「系統用」です。工場の敷地に置く場合、検討の対象になるのは主に一つ目と三つ目です。

需要家側と系統用のつながり方

需要家側の蓄電池

  • 工場の受電設備の内側につなぐ
  • 工場の電気の使い方を調整する
  • 効果は電気代の削減として表れる

系統用蓄電池

  • 工場とは別に電力網へ単独でつなぐ
  • 自前の電気の使い道はない
  • 収入は電力網への働きの対価

同じ敷地に置いても、接続の手続きと収入の性質は別物です。

系統用として置く場合に起きること

系統用蓄電池は、電気が余って価格が安い時間に充電し、高い時間に放電する、周波数の乱れに応じて出力を出す、といった働きを電力網に提供し、その対価を受け取ります。収入の中心は需給調整市場で、入札や制御はアグリゲーターに委託するのが一般的です。

このため、工場の敷地に置いても、工場の電気代が直接下がるわけではありません。工場の受電とは別に、一般送配電事業者への接続の手続きを一から進めることになります。高圧であれば事前相談、接続検討、契約申込みと保証金の入金、連系承諾という手順を踏み、運転開始まで18〜24か月程度が目安です。

敷地内に置くときに確かめること

項目 見方
広さと配置 高圧2MW級で約1,000㎡以上、低圧で約40〜150㎡。工場の動線や将来の増設予定と重ならないか
搬入路 機器の搬入とクレーンの作業が、工場の操業を止めずにできるか
連系点 系統用として別に引き込む電柱や配電線までの距離
都市計画の区分 工業系の用途地域か、市街化調整区域か
保安と消防 工場の保安体制と、蓄電所の保安規程・消防の届出をどう分けるか
土地の権利 事業者に貸すのか、自社で設備を持つのか

工場の敷地は、電柱や配電線が近くにあり、大型車両の出入りにも慣れていることが多く、用地としての条件がそろいやすい面があります。一方で、工場の操業や安全管理のルールと、蓄電所の工事・保守の動きを両立させる調整が必要です。

どちらを考えるべきかの見分け方

  • 目的が「自社の電気代を下げたい」なら、需要家側の蓄電池や電気の契約の見直しが検討の中心になる
  • 目的が「空いている土地から収入を得たい」なら、系統用として事業者に貸すか、自社で設備を持つかを検討する
  • 両方を同じ敷地で考える場合は、接続と収支を別々に組み立てて比べる

同じ「蓄電池」という言葉でも、相談先や必要な手続きが違います。最初に目的をはっきりさせることで、検討の遠回りを避けられます。

確かめ方の手順

  1. 空きスペースの面積と形、将来の利用予定を社内で確認する
  2. 目的が電気代の削減か、土地からの収入かを決める
  3. 系統用の場合は、周辺の住宅との距離、搬入路、電柱の位置を確認する
  4. 高圧なら事前相談で、連系できる容量の目安を確かめる

まとめ

  • 工場の敷地に系統用蓄電池を置くことは、土地の条件を満たせば検討できる
  • 系統用は工場の受電とは別に電力網へ単独でつながり、収入は電力網への働きの対価
  • 工場の電気代を下げたいなら需要家側、土地から収入を得たいなら系統用と目的で分ける
  • 敷地内に置く場合は、操業との両立、搬入路、連系点、保安の分担を確かめる

出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。

出典

  • 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編」(2026年10月)
  • 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月)

※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。

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