タンソーマンGX 蓄電所の案件と用地

低圧(49.9kW)

蓄電所の試算で前提にしている単価はどこを見ればいいのか、確かめる欄と順番

答え:試算の前提は、売上の式を構成する「平均の約定単価」「約定率」「1日に約定するコマ数」と、費用側の「手数料の計算基礎」「充電の電力費」「劣化と更新費」の欄で確かめます。これらが明記されていない試算は、ほかの案件と比べる材料になりません。

売上の式から前提の置き場所を知る

需給調整市場での売上は、出力に単価を掛け、約定したコマ数を掛けて求めます。1年は30分単位で17,520コマあり、そのうち何割が約定するかが約定率です。つまり試算表の売上は、出力・単価・コマ数・約定率の四つの掛け算でできています。出力は設備で決まるため、試算の結果を左右するのは残りの三つです。

試算表を受け取ったら、まず売上の行をたどり、どの数字を掛けているかを確かめます。売上の金額だけが書かれ、掛け算の中身が示されていない場合は、前提の開示を求めるのが基本です。

試算表で前提を確かめる箇所
  • 平均の約定単価上限価格のままか、年ごとに下げているか
  • 約定率・コマ数9割を超える置き方は楽観的なことが多い
  • 費用の計算基礎手数料は売上か運用益か、充電費を含むか
  • 劣化と更新容量の減り方とPCS交換の時期
  • 分母の投資額土地と工事費負担金を入れているか

上から順に、結果への影響が大きい項目です。

単価は上限価格と区別して読む

一次調整力の上限価格は段階的に引き下げられてきました。上限は「最高でもこの価格」という線で、その価格で約定するわけではありません。試算の単価が上限と同じ値のまま全期間に置かれている場合は、楽観的な前提と考えて読みます。

確かめたいのは、単価が一本だけか、複数の単価で試算されているかです。売り手の試算が一本だけなら、単価を2割、3割下げた場合の結果も求めると、下振れへの強さが分かります。

約定率と費用の欄を見落とさない

約定率は、入札したコマのうち実際に売れた割合です。低圧の解説では、9割を超える約定率は楽観的な前提であることが多いとされています。約定率を変えたときに売上がどこまで下がるかも、前提として示してもらいます。

費用側では、アグリゲーター手数料が売上に掛かるのか、充電費などを差し引いた運用益に掛かるのかで手取りが変わります。充放電の効率は往復で85〜90%程度とされ、失う分の電気を買い足す費用が発生します。保守・監視、保険、固定資産税、地代、撤去の費用がそれぞれ行として立っているかを確かめます。

指標をそろえてから比べる

IRRや回収年数を比べるときは、分母の投資額に土地と工事費負担金を入れているか、期間を15年で見るか20年で見るかをそろえます。表面利回り(売上÷投資額)と、費用を引いた後の実質の数字は大きく違うため、どちらが書かれているかも確認します。前提がそろって初めて、二つの試算を並べて読めます。

前提の開示を求めるときは、単価・約定率・コマ数・劣化率・充電の電力費・機器の更新費の六つを一覧で出してもらうと、案件どうしを同じ表に並べられます。前提を変えたときに結果がどう動くかを売り手に計算してもらうことも、試算の確からしさを確かめる方法の一つです。数字が細かく書かれていても、根拠となる資料や期間が示されていなければ、その数字がどの時期の市場を映したものかは分かりません。前提の出どころもあわせて確かめておきます。

まとめ

  • 売上は出力×単価×コマ数×約定率でできており、前提は単価・約定率・コマ数の欄に表れる
  • 上限価格のまま全期間に置いた単価は楽観的と読み、複数の単価での試算を求める
  • 手数料の計算基礎、充電費、劣化と更新費が費用に入っているかを確かめる
  • 投資額の範囲と評価期間をそろえてから指標を比べる

出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。

出典

  • 系統用蓄電池 解説ブック2026(高圧編)
  • 系統用蓄電池 解説ブック2026(低圧編)
  • 当サイト既存記事「蓄電所の利回り表示を検算する」「約定率とは何か」

※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。

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