
この記事では、2026年1月5日から始まった、接続検討・契約申込み時の登記簿の確認結果などの提出について解説します。なぜこの変更が行われたのか、用地確保の手順がどう変わるのか、用地を提供する地主と投資家にとってどんな意味があるかが分かります。
変更の内容
2026年1月5日から、系統への接続検討と契約申込みの際に、設置場所の登記簿の確認結果などを提出することになりました。それまでは、土地の当てが無いまま申込みを出すことも可能でした。この変更により、申込みの段階で、どの土地に設置するのかを具体的に示す必要があります。
狙いは土地の当てのない申込みを減らすこと
系統の枠は限られています。土地の当てのない申込みが多いと、実際に建設できる案件が後回しになります。登記簿の確認結果の提出を求めることで、土地の当てのない申込みが減り、実現性のある案件に枠が回りやすくなります。2026年は、この変更に続いて保証金の引き上げ、接続検討の件数制限、連系承諾後の土地の権利提出と、同じ方向の見直しが相次ぎました。
- 用地の確保売買予約・停止条件付き契約で押さえる
- 登記簿の確認所有者、地目、権利関係を確かめる
- 接続検討・申込みに添付設置場所を具体的に示す
- 審査連系承諾後、原則2か月以内に権利の写しを提出
連系承諾後の土地の権利提出は、東京電力PGで2026年10月1日以降受付の申込みの例です。
用地確保の進め方への影響
申込みの前に土地を特定する必要があるため、開発事業者は手続きの早い段階で地主と話を進めることになります。一方で、接続の可否や工事費負担金は接続検討の回答まで分かりません。そこで、売買予約や停止条件付き契約で土地を押さえ、接続の可否が分かる前に代金を払い切らない進め方が基本になります。
登記簿で確かめる主な点は次のとおりです。
- 所有者:共有や相続未登記で、契約の相手が確定しない状態になっていないか
- 地目と現況:農地であれば転用の許可が要り、農振農用地は原則転用できない
- 権利関係:抵当権などの設定が無いか
あわせて、都市計画の区分、周辺の住宅との距離、浸水想定、搬入路なども、申込みの前に確認しておく項目です。
地主にとっての意味
用地を提供する地主にとっては、事業者から早い段階で登記簿の確認や条件付き契約の相談を受けることが増えます。相続登記が済んでいない、共有者の同意が取れていないといった状態では、申込みに進めません。権利関係を整理しておくことが、話を前に進める条件になります。
投資家にとっての意味
投資家が開発中の案件を取得する場合は、登記簿、売買・賃貸借の契約、地目と現況、都市計画の区分を書面で確かめることが基本です。申込みに使った土地と、実際に取得する権利が一致しているかも確認しておくと安心です。
確認結果を出せる土地の条件
申込みに使える土地は、権利が明確なだけでは足りません。周辺50m以内に住宅や宿泊施設がないか、市街化調整区域ではないか、浸水想定や土砂災害警戒区域に当たらないか、大型車両の搬入路があるかなど、事業として成り立つ条件がそろっている必要があります。高圧の2MW・8MWh級では約1,000㎡(約300坪)以上が目安です。
国土交通省の通知(2025年4月)により、蓄電所は危険物を含む工作物として開発許可の対象になり得ます。非線引き区域や都市計画区域外にはこの制限がかかりません。また、蓄電所の設置に事前協議や住民説明を求める条例・要綱を定める自治体も増えています。登記簿の確認と同じ段階でこうした条件も確かめておくと、申込みの後に計画をやり直すことを避けられます。
登記簿の確認結果の提出は、手続き上の一項目に見えますが、用地と系統の手続きを最初から結び付ける変更です。土地が決まらなければ系統の手続きも始められないため、用地の確保は開発の最初の山場になりました。地主と事業者が早い段階で条件をすり合わせることが、これまで以上に重要になっています。
手続きの細部は一般送配電事業者ごとに異なるため、申込み先の案内で必要な書類を確かめてください。
登記簿の内容と現況が異なる場合も注意が必要です。地目が山林でも現況が畑であれば農地として扱われることがあります。書類と現地の両方を確かめておきます。
まとめ
- 2026年1月5日から、接続検討・契約申込み時に設置場所の登記簿の確認結果などを提出します。
- 土地の当てのない申込みを減らし、実現性のある案件に系統の枠を回す狙いがあります。
- 用地は条件付き契約で押さえ、所有者・地目・権利関係を事前に確かめます。
- 地主は権利関係の整理が、投資家は土地の権利の書面確認が重要になります。
出典
- 系統用蓄電池 解説ブック2026(高圧編)第7章・第9章・第12章
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。