
2MW・8MWh級の蓄電所は、蓄電池コンテナ、パワーコンディショナ(PCS)、変圧器、高圧受変電設備、EMS(運用制御)、遠隔監視の通信設備の6つの要素で構成されます。電気は蓄電池からPCS、変圧器、高圧受変電設備を通って6.6kVの配電線に流れます。
2MW級の蓄電所はどのような機器で構成されるのか
電気を流す設備が4つ、それを制御し監視する設備が2つあります。
| 機器 | 役割 |
|---|---|
| 蓄電池コンテナ | 電気を直流で蓄える。容量8,000kWhの中心 |
| PCS(パワーコンディショナ) | 蓄電池の直流と系統の交流を変換する |
| 変圧器 | PCSの出力の電圧を高圧に合わせる |
| 高圧受変電設備 | 6.6kVの配電線との接続点で、保護と計量を担う |
| EMS(運用制御) | 充放電の計画と指令への応動を制御する |
| 遠隔監視の通信設備 | アグリゲーターや保守会社と状態をやり取りする |
電気はどの順番で系統に流れるのか
放電のときは、蓄電池から連系点に向かって流れます。充電のときは同じ経路を逆向きに流れます。
- 蓄電池コンテナ直流で充放電する
- PCS直流と交流を変換する
- 変圧器電圧を高圧に合わせる
- 高圧受変電設備保護・計量を行う
- 6.6kVの配電線連系点で系統につながる
EMSと通信設備は、この流れ全体を制御・監視します。図は構成の概念を示すもので、実際の結線は設計によります。
制御と監視の設備はなぜ欠かせないのか
蓄電所の収入は、指令に応じて出力を変える働きの対価であるため、制御と監視の設備が欠かせません。需給調整市場の一次調整力は、周波数の変化を設備が自ら検知して10秒以内に応動する商品です。EMSが充放電を制御し、通信設備を通じてアグリゲーターが入札と制御を行います。市場への参加にあたっては、アグリゲーターによる実働試験(約3か月)と市場への登録が必要です。
機器の構成で投資家が確認する点は何か
確認する点は、メーカーと型番、保証、認証の三つです。設備の詳しい役割は蓄電所を構成する設備 蓄電池コンテナ・PCSからEMS・遠隔監視までの役割で解説しています。
- 容量の保証:電池は充放電で容量が減るため、何年で何%という容量保証の内容を確認します。
- PCSの保証と交換時期:PCSの保証期間と、更新の時期を収支の前提に入れているかを確認します。
- JC-STARへの対応:2027年4月1日以降に受け付ける高圧・特別高圧の契約申込みから、PCSなどにJC-STAR★1が求められる予定です。国の補助金でもPCS・EMS・BMSの適合が必要です。
機器の構成は許認可にどう関係するのか
機器の構成は、消防、建築、電気の保安の扱いに関係します。蓄電池だけを収めた無人のコンテナで、積み重ねないなど5つの条件を満たせば建築物に当たらない整理ができます。事業用電気工作物として保安規程の届出と電気主任技術者の選任が必要で、2MW級は外部委託が可能です。工事計画の届出は出力1万kW以上または容量8万kWh以上が対象のため、2MW・8MWhは該当しません。
機器の配置は、敷地の面積と搬入路にも関係します。蓄電池コンテナは大型車両で運び込み、据付にはクレーンを使うため、配置図の段階で機器の並びと作業の場所を合わせて確認しておくことが重要です。
まとめ
- 2MW・8MWh級の蓄電所は、電気を流す4つの設備と、制御・監視の2つの設備で構成されます。
- 電気は蓄電池、PCS、変圧器、高圧受変電設備を経て6.6kVの配電線につながります。
- 機器はメーカーと型番、容量とPCSの保証、JC-STARへの対応を書面で確認します。
高圧・特別高圧の案件は、蓄電所の案件と用地でご紹介しています。
出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編」(2026年10月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。