タンソーマンGX 蓄電所の案件と用地

高圧(2MW級)

電力会社の系統情報(予想潮流など)を用地探しにどう使うか

電力会社が公開する空き容量マップや予想潮流の一覧は、用地の候補を絞る入口として役立ちます。ただし公開情報の多くは放電側の目安であり、充電側の空きは接続検討の回答で初めて分かるため、公開情報だけで連系できると判断することはできません。

公開されている系統情報で何が分かりますか?

変電所や送電線ごとの空き容量の目安と、将来の潮流の見込みが分かります。

一般送配電事業者は、系統の空き容量を示すマップや、予想潮流の一覧を公開しています。これらを使うと、どの変電所の周辺に余裕がありそうかを、現地に行く前に絞り込めます。予想潮流の意味は予想潮流とはで、東京電力パワーグリッドの一覧表の読み方は予想潮流等一覧表の読み方で解説しています。

公開情報で分からないことは何ですか?

充電側の空き、接続にかかる工事費負担金、系統側の工事の期間は分かりません。

蓄電池の接続は、放電と充電が別々に審査されます。放電側は、空きがなくても出力の制御に同意すればノンファーム型接続が使えますが、充電側は需要として容量の確保が必要です。公開されている空き容量マップは放電側の情報で、充電側の空きは接続検討の回答で初めて分かります。蓄電所の用地探しでは、この点が太陽光の用地探しと大きく異なります。

系統情報を使った用地探しの手順
  1. 公開情報で絞る空き容量マップ・予想潮流
  2. 土地の条件を確認区域・住宅・浸水・搬入路
  3. 事前相談任意。回答は原則1か月以内
  4. 接続検討充電側の空きと負担金が分かる
  5. 用地を確定連系の見込みを見て契約を進める

接続の可否が分かる前に土地代金を払い切らないことが基本です。

候補はどの順番で絞りますか?

系統情報で地域を絞り、次に土地の条件で候補地を絞り、最後に事前相談と接続検討で確かめます。

系統情報だけで地域を決めても、その周辺に条件の合う土地がなければ進められません。高圧の2MW・8MWhでは約1,000㎡以上の広さが要り、都市計画の区分、周辺の住宅、浸水、搬入路も確認します。市街化調整区域は原則避けます。系統と土地の両方の条件を満たす候補を数か所に絞ってから、事前相談で連系できる容量の目安を聞きます。

情報 分かること 分からないこと
空き容量マップ 放電側の空きの目安 充電側の空き
予想潮流の一覧 将来の潮流の見込み 工事費負担金
事前相談の回答 連系できる容量の目安 正式な工事内容
接続検討の回答 工事費負担金と工事の内容 工事が予定どおり進むか

用地の契約はいつ結べばよいですか?

接続の可否が分かるまでは、売買予約や停止条件付きの契約で押さえておくのが基本です。

解説ブックでは、接続の可否が分かる前に土地代金を払い切らないことを挙げています。2026年からは、連系承諾の後に土地の権利の書面を出せば間に合う運用になっています。系統情報で候補を絞った段階では、まだ連系できるかは確定していません。土地の所有者には、接続検討の結果を待って判断する旨をあらかじめ伝えておくと、話を進めやすくなります。

系統情報を使うときの注意点は何ですか?

公開情報は更新の時点があり、申込みが増えると空きはすぐに変わる点です。

高圧以上の系統用蓄電池の接続の契約申込みは、全国で約4,087万kWに達しています(2026年6月末)。公開情報で空きがあるように見えても、その後の申込みで状況が変わっていることがあります。情報の更新日を確かめ、候補が絞れたら早めに事前相談に進むことが大切です。

事前相談ではどのように聞けばよいですか?

候補地の住所と連系したい出力を示し、放電と充電の両方について連系できる容量の目安を尋ねます。

事前相談は任意で無料、回答は原則1か月以内です。候補地が複数ある場合は、系統情報で優先順位を付けたうえで、上位の候補から相談します。回答で充電側に制約がありそうだと分かれば、接続検討に進む前に候補を入れ替える判断ができます。接続検討は東京電力パワーグリッドでは検討料22万円(税込)がかかり、回答まで原則3か月を要するため、事前相談の段階で見込みの薄い候補を外しておくと、時間と費用を節約できます。

候補地ごとに、系統情報の確認日、事前相談の回答日、接続検討の申込日を一覧にしておくと、どの候補がどの段階にあるかを把握しやすくなります。土地の所有者との交渉の進み具合も同じ一覧に記録しておくと、判断の漏れを防げます。

まとめ

  • 空き容量マップや予想潮流は、用地の候補を絞る入口になる
  • 充電側の空きと工事費負担金は、接続検討の回答まで分からない
  • 系統・土地・事前相談・接続検討の順に絞り、土地代金は可否が分かるまで払い切らない

出典

  • 系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編(株式会社タンソーマンGX、2026年10月)
  • 資源エネルギー庁 次世代電力系統ワーキンググループ資料(2026年10月)
  • 東京電力パワーグリッド 予想潮流等一覧表

高圧・特別高圧の案件は、蓄電所の案件と用地でご紹介しています。

※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。

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