
電池の劣化とは、充電と放電の繰り返しや時間の経過によって、電池がためられる電気の量(容量)が少しずつ減っていく現象です。蓄電所では、後年の売上を下げる要因になります。
劣化はなぜ起き、何で進み方が変わるのか
劣化は電池を使い続けることで避けられずに起き、その進み方は使い方で変わります。進み方を左右するのは、充放電の回数や深さ、温度の管理、電池の種類です。そのため、電池の温度を保つ空調や、電池の状態を見守るBMSが、劣化の管理の土台になります。
劣化は蓄電所の売上にどう響くのか
劣化は、放電を続けられる時間を短くすることで売上に響きます。高圧の2,000kW・8,000kWhの蓄電所は、満充電から最大出力で4時間放電できますが、容量が減ればこの時間が短くなります。
- 充放電と時間の経過回数、深さ、温度で進み方が変わる
- 容量が減るためられる電気の量が少なくなる
- 放電できる時間が短くなる同じ出力で応じられる時間が減る
- 市場で出せる量が減る入札できる商品や値差の量に影響
- 後年の売上が下がる試算の劣化率で見込む
劣化はどう確かめ、収支に織り込むのか
劣化は、メーカーの容量保証と、収支の試算の劣化率で確かめます。
- 試算に劣化率が置かれているか。置かれている場合、その根拠がメーカーの容量保証と整合しているか
- 容量が減った後も、同じ商品に入札できる想定になっているか
- 電池の追加やPCSの交換の費用が、費用の欄に入っているか
- 運用終了時の撤去・処分の費用を誰が負担するか
劣化率を置いていない試算は、後年の収入を高めに見ている可能性があります。保証の読み方は電池の劣化と容量保証 契約前にメーカー保証とPCS交換時期を確かめる理由で、運用期間中の機器の更新は蓄電所の電池は交換が必要なのか、運用期間中の劣化と機器の更新の考え方で解説しています。
劣化についてよくある誤解は何か
よくある誤解は、劣化と充放電の効率の損失を同じものと考えることです。効率の損失は、充電した電気をすべて放電できないことによる毎回の目減りで、往復で85〜90%程度です。劣化は、ためられる量そのものが年を追って減る現象で、性質が異なります。もう一つは、劣化は電池の問題なので出口には関係ないと考えることです。運転期間の途中で売却する場合、買い手は容量の状態や残りの保証期間を見て価格を判断します。点検の記録や運用の報告を保管しておくことが大切です。
まとめ
- 電池の劣化は、充放電と時間の経過で容量が少しずつ減る現象です。
- 容量が減ると放電できる時間が短くなり、市場で出せる量と後年の売上が下がります。
- 試算の劣化率が容量保証と整合しているか、更新費が入っているかを確かめます。
出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編」(2026年10月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。