
空き容量とは、送電線や変電所に、あとどれだけ電気を追加で流せるかの目安です。公開されている空き容量は主に電気を系統へ流す放電側の情報であり、蓄電池は充電側の空きを接続検討の回答で別に確かめる必要があります。
空き容量の数字は何を示しているのか
空き容量の数字は、設備の受け入れ余力の目安であり、接続を約束するものではありません。東京電力パワーグリッドの一覧表の空容量は月1回更新の目安で、現在の公開分は暫定的に簡略化した方法で作られているとされています。
一覧表には、配電用変電所の設備だけを見た「当該設備」と、上位の送電線や変電所まで含めた「上位系等考慮」の2つの空容量があります。用地選びでは上位系等考慮を先に見ます。
なぜ蓄電池では充電側の空きが問題になるのか
蓄電池は放電と充電を別々に審査され、充電側は需要として容量の確保が必要だからです。放電側は、系統に空きがなくてもノンファーム型接続で、出力制御に同意すれば接続できる場合があります。一方、充電側の空きはマップに載っておらず、正式な接続検討の回答で初めて分かります。
放電側
- 発電と同じ扱い
- 空きがなくてもノンファーム型接続がある
- 空き容量マップに載る
充電側
- 需要と同じ扱い
- 容量の確保が必要
- 接続検討の回答で初めて分かる
充電できなければ放電もできないため、充電側が接続のボトルネックになります。
充電側の詳しい考え方は蓄電池の系統接続、詰まっているのは「充電側」で解説しています。
空き容量はどう確かめ、どう使えばよいのか
空き容量は候補地を絞り込む入口として使い、正確な可否は手続きで確かめます。
| 段階 | 分かること |
|---|---|
| 空き容量マップ・一覧表 | 放電側の空きの目安。誰でも見られる |
| 事前相談(任意) | 連系できる容量の目安。無料、回答は原則1か月以内 |
| 接続検討 | 充電側の条件、工事費負担金の概算と工期。東京電力PGでは検討料22万円、回答は原則3か月以内 |
土地は売買予約や停止条件付き契約で押さえ、接続検討の回答で充電側の条件を確かめる前に代金を払い切らない進め方が基本です。
空き容量についてよくある誤解は何か
よくある誤解は、空き容量があれば蓄電所を接続できるという考え方です。放電側に空きがあっても充電側に制約がつけば事業として成り立たないことがあり、空きがあっても逆潮流対策の工事費負担金がかかる場合もあります。反対に、空きが0でも放電側はノンファーム型で接続できる場合があります。マップの見た目と事業ができるかどうかは一致しない点は、空き容量マップの限界で整理しています。
まとめ
- 空き容量は、系統に追加で流せる量の目安で、接続の約束ではありません。
- 公開情報は主に放電側で、充電側の空きは接続検討の回答で分かります。
- 空き容量は絞り込みの入口とし、代金は回答を確かめてから払います。
出典
- 東京電力パワーグリッド「系統の予想潮流等に関する情報」(2026年9月2日更新)
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編」(2026年10月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。