補助金・助成金

住宅エコリフォーム推進事業とは?補助額35万円の要件と2026年度の改修補助

川田 幸寛・

この記事は2026年10月時点の情報です。国土交通省の「住宅エコリフォーム推進事業」は、令和4年度・令和5年度に実施された事業で、令和6年度以降の国土交通省の支援事業一覧には掲載されていません。2026年度(令和8年度)に住宅の省エネリフォームで国の補助を受ける場合は、国土交通省・経済産業省・環境省の「住宅省エネ2026キャンペーン」(みらいエコ住宅2026事業、先進的窓リノベ2026事業、給湯省エネ2026事業など)が主な窓口になります。

本記事では、住宅エコリフォーム推進事業がどのような制度だったのか(補助額・要件・手続き)を過去の実績として整理したうえで、2026年度に住宅の省エネ改修で使える国の補助制度と、その金額・期限を公式資料に基づいて解説します。

住宅エコリフォーム推進事業とは(令和4・5年度に実施)

住宅エコリフォーム推進事業は、住宅ストックの省エネ化を推進するため、住宅をZEHレベルの高い省エネ性能へ改修する取組を国が直接支援する事業です。国土交通省の支援事業一覧では、令和4年度と令和5年度に補助金として掲載されています。令和5年度の概要資料では「期限を区切って国が直接支援を行う」事業と位置付けられていました。

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、断熱性能の向上と高効率な設備の導入で消費エネルギーを減らし、太陽光発電などでエネルギーをつくることで、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指す住宅です。既存住宅をZEHレベルに近づけるには、窓や壁・床・天井の断熱改修と、給湯器などの設備の高効率化を組み合わせることが基本になります。

参照:知っておきたいエネルギーの基礎用語 ~新しい省エネの家「ZEH」(資源エネルギー庁)

令和6年度以降の扱い

国土交通省の「令和6年度 支援事業一覧」「令和7年度 支援事業一覧」には住宅エコリフォーム推進事業は掲載されておらず、令和6年度予算案時点の「住宅の省エネ改修に対する主な支援措置」にも含まれていません。また、事業の案内を行っていた住宅エコリフォーム推進事業実施支援室のホームページ(ecoreform-shien.jp)は、2026年10月時点で閲覧できなくなっています。現在、この事業の名称で新たな申請はできません。

参照:令和6年度 支援事業一覧(国土交通省)/令和7年度 支援事業一覧(国土交通省)

過去の実績(令和5年度):補助額・対象・受付期間

令和5年度の住宅エコリフォーム推進事業は、令和5年4月14日に国土交通省が募集開始を公表しました。公表資料に記載された主な内容は次のとおりです。

項目 令和5年度の内容
対象事業 住宅をZEHレベルの高い省エネ性能へ改修することを目的とした、省エネ診断、省エネ設計等、省エネ改修(建替えを含む)。令和5年4月1日以降に契約し、事業者登録後に工事着手したもの
省エネ診断 補助率1/3(民間実施の場合。公共実施は1/2)
省エネ設計等・省エネ改修(建替えを含む) 補助限度額35万円/戸(補助対象費用の40%を限度)。戸建住宅・共同住宅とも同じ限度額
補助対象費用 省エネ設計等費と省エネ改修工事費の合計。設備の効率化に係る工事は、開口部・躯体等の断熱化工事と同額以下。ZEHレベルの省エネ改修と併せて行う構造補強工事を含む
その他の要件 改修後に耐震性が確保されること(計画的な耐震化を含む)。令和6年度末までに着手したもので、改修(部分改修を含む)後の省エネ性能がZEHレベルとなるものに限る
事業者登録の受付期間 令和5年4月28日~令和5年12月15日
交付申請の受付期間 令和5年5月26日~予算上限に達するまで(遅くとも令和6年1月19日まで)
予算 令和5年度当初予算「住宅・建築物カーボンニュートラル総合推進事業」(279.18億円)の内数

このほか、地域の関係団体や事業者が連携して省エネ改修の普及促進に取り組むグループについては、活動計画等を提出して採択されると予算が優先配分される仕組みがありました。申請は補助金の電子申請システム「jGrants」で行う方式で、事業者登録の前にGビズIDの取得が必要とされていました。

参照:令和5年度「住宅エコリフォーム推進事業」の募集について(国土交通省)/令和5年度 住宅エコリフォーム推進事業(国土交通省 支援事業一覧)

制度の特徴:申請するのは住宅事業者

住宅エコリフォーム推進事業は、事業者登録をした住宅事業者が交付申請を行う仕組みでした。住宅の所有者が自分で申請するのではなく、工事を請け負う事業者を通じて補助を受ける点は、後述する住宅省エネ2026キャンペーンの各事業でも共通しています。リフォームを依頼する際は、事業者が対象事業に登録しているかを最初に確認することが大切です。

2026年度に使える住宅の省エネリフォーム補助

住宅エコリフォーム推進事業の終了後、国土交通省の住宅リフォーム向け補助は、令和6年度の「子育てエコホーム支援事業」、令和7年度の「子育てグリーン住宅支援事業」を経て、2026年度は「みらいエコ住宅2026事業」が実施されています。2026年度のみらいエコ住宅2026事業は、国土交通省・経済産業省・環境省が連携する「住宅省エネ2026キャンペーン」の一部として、窓・給湯器の補助事業と合同の問い合わせ窓口を設けて実施されています。

なお、住宅エコリフォーム推進事業の後継として公式に位置付けられた事業ではありません。補助の考え方(ZEHレベルへの改修に定率で補助する方式か、工事内容ごとの定額を合計する方式か)も異なります。

住宅省エネ2026キャンペーンを構成する事業

事業名 主なリフォームの対象 予算執行状況(2026年10月22日0時時点)
みらいエコ住宅2026事業 躯体(床・壁・天井)の断熱改修を含む、幅広いリフォーム工事 リフォーム:10%
先進的窓リノベ2026事業 高い断熱性能を有する窓・ドアへの改修(ガラス交換、内窓設置、外窓交換、ドア交換) 31%
給湯省エネ2026事業 高効率給湯器(エコキュート、ハイブリッド給湯機、エネファーム)の設置など 52%
賃貸集合給湯省エネ2026事業 賃貸集合住宅での小型の省エネ型給湯器への交換 62%

いずれの事業も、予算上限(100%)に達し次第、交付申請の受付を終了します。執行状況は各事業のホームページで毎日更新されています。

参照:住宅省エネ2026キャンペーン

みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)の補助額と要件

みらいエコ住宅2026事業のリフォームでは、「トリガールーム」と呼ばれる外皮に面する開口部を有する1つの居室で「要件化工事」(補助を受けるために必要な工事の組み合わせ)を行うと、その住宅で行う一定のリフォーム工事が補助対象工事になります。補助額は、補助対象工事ごとに決められた額を合計して計算し、上限は住宅の新築時期と要件化工事の内容で決まります。

住宅の新築時期 義務基準に相当する工事(開口部の断熱改修+躯体の断熱改修+特定エコ住宅設備の設置) 次世代省エネ基準に相当する工事(開口部の断熱改修+躯体の断熱改修)
~平成3年 100万円/戸 50万円/戸
平成4年~平成28年 80万円/戸 40万円/戸
  • 対象住宅:平成28年12月31日以前に新築されたことが登記事項証明書で確認できる住宅(平成29年以降の新築でも、平成11年基準を満たさないことを証明できれば対象)
  • 対象工事の着手:2025年11月28日~遅くとも2026年12月31日(予算上限に達した場合は当該時点まで)
  • 交付申請の予約:遅くとも2026年11月16日まで
  • 交付申請:工事完了後にみらいエコ住宅事業者が行い、遅くとも2026年12月31日まで(予算上限に達した場合は当該時点まで)
  • 先進的窓リノベ2026事業など他の構成事業で交付決定を受けている場合は、本事業の補助額の合計が2万円以上で申請できます。
  • 賃貸住宅(個人・法人オーナー)や、既存住宅を購入してリノベーションする場合・買取再販も対象です。

補助対象工事には、窓・床・外壁・屋根や天井の断熱のほか、高効率給湯器、太陽熱利用システム、蓄電池、節湯水栓、高断熱浴槽、節水型トイレ、エアコン、換気設備、バリアフリー改修なども含まれます。工事ごとの補助額は公式サイトで確認してください。

参照:みらいエコ住宅2026事業 リフォーム/みらいエコ住宅2026事業 リフォーム向けリーフレット

自治体経由の支援:住宅・建築物省エネ等改修推進事業

国土交通省には、地方公共団体と連携して既存住宅の省エネ改修を支援する「住宅・建築物省エネ等改修推進事業」もあります。令和7年度の省エネ型(住宅)では、省エネ診断・設計・改修の費用を対象に、国と地方が補助する場合の補助額は次のとおりです。

  • 省エネ基準適合レベル:30万円/戸(補助対象費用の4割を限度)
  • ZEHレベル:70万円/戸(補助対象費用の8割を限度)

ZEHレベルへの改修を国が支援するという点で、住宅エコリフォーム推進事業と考え方が近い制度です。お住まいの自治体に対応する補助制度があるかは、住宅リフォーム支援制度検索サイト(住宅リフォーム推進協議会)などで確認できます。

参照:令和7年度 住宅・建築物省エネ等改修推進事業(国土交通省)

省エネリフォームの補助を受けるときの注意点

  • 着手日の条件を確認する:みらいエコ住宅2026事業は2025年11月28日以降に着手した工事が対象です。住宅エコリフォーム推進事業も「事業者登録後に工事着手したもの」が条件でした。補助事業では着手のタイミングが要件になるのが一般的です。
  • 登録事業者に依頼する:交付申請は登録事業者が行います。契約前に、依頼先が対象事業の事業者登録を済ませているか確認してください。
  • 予算の執行状況を見る:期限前でも、予算上限に達した時点で受付が終了します。過去にも、令和5年度の住宅エコリフォーム推進事業は「予算上限に達するまで」の受付とされていました。
  • 併用の条件を確認する:窓はみらいエコ住宅2026事業と先進的窓リノベ2026事業、給湯器はみらいエコ住宅2026事業と給湯省エネ2026事業のように、同じ種類の工事が複数の事業の対象になることがあります。併用の条件は各事業の公式サイトで確認し、工事ごとにどの事業を使うかを事業者と整理しておきましょう。

よくある質問

住宅エコリフォーム推進事業は2026年度も申請できますか?

できません。国土交通省の支援事業一覧では令和4年度・令和5年度に掲載された事業で、令和6年度・令和7年度の一覧には掲載されていません。2026年度に住宅の省エネリフォームで国の補助を受ける場合は、住宅省エネ2026キャンペーンの各事業や、自治体経由の住宅・建築物省エネ等改修推進事業を確認してください。

住宅エコリフォーム推進事業の補助額はいくらでしたか?

令和5年度は、省エネ設計等・省エネ改修(建替えを含む)が1戸あたり35万円(補助対象費用の40%を限度)、省エネ診断が補助率1/3でした。

2026年度の省エネリフォームでは、いくら補助を受けられますか?

みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)の補助上限は、要件化工事の内容と住宅の新築時期に応じて1戸あたり40万円~100万円です。実際の補助額は、行う工事ごとに決められた額の合計になります。窓や給湯器は、先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業の対象になる場合があります。

まとめ

住宅エコリフォーム推進事業は、住宅をZEHレベルの省エネ性能へ改修する取組に対し、令和5年度には1戸あたり35万円(補助対象費用の40%まで)を補助した国土交通省の事業です。令和4年度・令和5年度の実施で、現在は申請できません。

2026年度に住宅の断熱改修や高効率設備の導入を行う場合は、みらいエコ住宅2026事業(補助上限40万円~100万円/戸)を中心とする住宅省エネ2026キャンペーンが利用できます。交付申請の期限は遅くとも2026年12月31日(予約は11月16日)で、予算上限に達すると前倒しで終了するため、執行状況を確認しながら早めに登録事業者へ相談することをおすすめします。

参考資料

著者のプロフィール

川田 幸寛
小学校教員として、カーボンニュートラルや脱炭素に関する授業を行った経験がある。子どもたちが理解できるように、専門用語を分かりやすく、かみ砕いて説明することを心がけた。この経験を活かし、脱炭素化の重要性を広く伝えるために、誰にとっても理解しやすい記事を作成している。

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