タンソーマンGX 蓄電所の案件と用地

高圧・低圧 共通

「系統用」と「需要家側」の蓄電池、よくある混同

系統用蓄電池は電力網に単独でつながり、電力網に提供する働きの対価だけで収入を得ます。自分の電気代を下げる需要家側の蓄電池とは、置き場所も収入の出どころも異なります。

蓄電池は置き場所でどう分かれるか

蓄電池は、置き場所によって需要家側、再エネ併設、系統用の3つに分かれます。家庭や工場の中に置いて自分の電気代を下げるのが需要家側、太陽光発電所に併設して発電の時間をずらすのが再エネ併設、電力網(系統)に単独でつながるのが系統用です。系統用の設備をまとめて「蓄電所」と呼びます。

蓄電池の3つの置き場所

需要家側

  • 家庭や工場の中に置く
  • 自分の電気代を下げる
  • 電気の使い道が自前にある

再エネ併設

  • 太陽光発電所に併設
  • 発電の時間をずらす
  • 発電所の収入を補う

系統用

  • 電力網に単独でつながる
  • 自前の電気の使い道がない
  • 収入は電力網への働きの対価

系統用蓄電池の収入はどこから来るか

系統用蓄電池の収入は、すべて電力網に対して提供する働きの対価です。高圧編は収入源を、需給調整市場の調整力(ΔkW)、卸電力市場の電力量(kWh)、容量市場の供給力(kW)の3つに整理しています。

  • 需給調整市場:出力を出せる状態で待機することに対価が支払われます。買い手は各エリアの一般送配電事業者です。
  • 卸電力市場:安い時間に充電し、高い時間に放電する値差で稼ぎます。
  • 容量市場:将来、電気を出せる能力に対して支払われます。ただし最低1,000kWの要件があり、49.9kWの低圧蓄電所は単独では参加できません。

よくある混同にはどのようなものがあるか

混同の多くは、需要家側の説明を系統用にそのまま当てはめることから生じます。代表的なものを整理します。

混同しやすい点 系統用での実際
電気代が下がる 自前の電気の使い道がないため、電気代の削減ではなく市場の対価が収入になる
放電した量で稼ぐ 需給調整市場では、約定した時間に待機していること自体に対価が支払われる
建物の設備の一部 電力網に単独でつながる設備で、接続の手続きは放電と充電の両方で審査される
補助金は同じ 国と東京都の系統用の補助は出力1,000kW以上が対象で、需要家側とは別の制度

系統用で投資家が確かめることは何か

系統用では、電力網へのつながり方と運用の担い手を最初に確かめます。収入は市場で決まるため、どのアグリゲーターに入札と制御を委託するか、手数料の計算基礎が売上か運用益かが収支を左右します。また、放電側の空き容量だけでなく、充電側の条件も接続の手続きで確認されます。

再エネ併設の蓄電池や需要家側の蓄電池を検討している場合も、同じ「蓄電池」という言葉で比べず、収入の出どころを一つずつ確かめることが混同を防ぐ方法です。

置き場所の違いの基本は系統用と需要家側の蓄電池の違いで、複数の市場の組み合わせ方はアグリゲーターによる収入の組み合わせで解説しています。

系統用の手続きは需要家側とどこが違うか

系統用は、電力網に電気を返す設備として、放電と充電の両方で接続を審査されます。高圧では、放電側は出力の制御に同意すれば接続できるノンファーム型接続が使えますが、充電側は需要として容量の確保が必要です。公開されている空き容量マップは放電側の情報で、充電側の空きは接続検討の回答で初めて分かります。

低圧でも、配電線や柱上変圧器に余裕がなければ連系できません。2026年5月には、東京電力パワーグリッドが低圧の技術協議の依頼票に「系統からの充電の有無」「系統への放電の有無」の欄を加えました。需要家側の蓄電池の感覚で「電柱が近ければつながる」と考えず、連系の見込みが確かめられた土地かどうかを最初に確認します。

また、系統用の蓄電所は事業用電気工作物として、保安規程の届出と電気主任技術者の選任(外部委託可)が必要です。蓄電容量20kWh超であれば消防署への届出も求められます。

土地を持つ方にとっての違いは何か

土地を持つ方にとって、系統用は自分で電気を使わない土地でも置ける点が需要家側と異なります。低圧の系統用であれば約40〜150㎡で足り、三角地や変形地でも機器と離隔が取れれば候補になります。ただし市街化調整区域は不可と考え、50m以内に住宅や宿泊施設がないかを最初に確認します。

まとめ

  • 蓄電池は需要家側・再エネ併設・系統用の3つに分かれ、系統用は電力網に単独でつながります。
  • 系統用の収入は電気代の削減ではなく、需給調整・卸電力・容量の各市場からの対価です。
  • 補助金や接続の手続きも別の扱いになるため、同じ「蓄電池」として比べないことが大切です。

高圧・特別高圧の案件は、蓄電所の案件と用地でご紹介しています。

出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。

出典

  • 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編」(2026年10月)
  • 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月)

※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。

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