タンソーマンGX 蓄電所の案件と用地

低圧(49.9kW)

中小企業の経営者が会社名義で低圧蓄電所を持つときの考え方

会社名義で低圧蓄電所を持つ場合、本業とは別の事業として収支を管理し、減価償却と決算期、借入枠への影響を事前に整理することが判断の土台になります。

本業とはどんな関係になるのでしょうか?

蓄電所は本業とは収入の性質が異なる別の事業として扱うのが基本です。売上は需給調整市場の調整力の対価で、売上先はアグリゲーターを通じた一般送配電事業者になります。本業の取引先や商流とは独立しているため、本業の景気の波とは別の動きをします。

まず、定款の事業目的に蓄電所の運営や電気に関する事業が含まれているかを確かめます。含まれていなければ、株主総会での変更が必要です。経理上は部門を分け、蓄電所の売上と費用を本業と区別して記録しておくと、事業ごとの収支を把握しやすくなります。

会社名義で検討する項目

社内の手続き

  • 定款の事業目的
  • 取締役会・株主の承認の要否
  • 部門を分けた経理

お金と時期

  • 減価償却と耐用年数
  • 決算期と運転開始の時期
  • 借入枠と金融機関への説明

税制の確認

  • 経営強化税制は電気業が対象外
  • 即時償却の税制は1基では対象外
  • 固定資産税(償却資産)

減価償却はどう考えればよいのでしょうか?

設備は減価償却で費用にしていき、耐用年数の区分は設備の構成で変わるため、顧問税理士に確認します。即時償却が使える「大胆な投資促進税制」には投資額の下限があり、低圧蓄電所1基では対象外です。中小企業経営強化税制は、電気を全量売る事業(電気業)が対象外とされています。

本業で利益が出ている年に設備を取得すれば償却費が費用になりますが、償却は複数年にわたって配分されるため、取得した年の利益を大きく圧縮するものではありません。税の基本は低圧蓄電所の税金で整理しています。

決算期と運転開始の時期はどう合わせればよいのでしょうか?

運転開始の時期が決算期をまたぐかどうかで、その期の損益と償却の始まりが変わるため、工程表と決算期を並べて確認します。申込みから運転開始まではおおむね6か月〜1年かかり、技術協議で工事費負担金が決まるまで時期は確定しません。

運転開始後も、運用月から入金まで数か月かかるのが一般的です。運転を始めた期には、保守費や保険料などの費用が先に計上され、売上の入金が翌期にずれ込むことがあります。期ごとの数字だけで事業の良し悪しを判断しないよう、社内で前提を共有しておきます。

借入枠にはどんな影響があるのでしょうか?

蓄電所の取得に融資を使えば、本業の運転資金に使える借入枠がその分小さくなる可能性があります。金融機関は会社全体の返済能力で判断するため、蓄電所の借入が本業の資金繰りにどう影響するかを事前に相談しておくことが大切です。

融資の審査では、接続契約の書面と収支の試算が材料になります。試算は単価や約定率を下げたケースも用意し、下振れしても本業の資金を圧迫しないことを示せると、説明がしやすくなります。審査で見られる書面は低圧蓄電所は融資を受けられる?で解説しています。

社内で誰が管理を担うのでしょうか?

契約と精算の確認を担う担当者を決め、委託先からの連絡がその担当者に届くようにします。入札と制御はアグリゲーター、点検は保守会社、保安の監督は外部委託の電気主任技術者が担いますが、精算書の照合、保険の更新、固定資産税の申告は会社の側で行います。担当者が異動しても続けられるよう、契約書と連絡先の一覧を保管しておきます。

取引先や社員にはどう説明すればよいのでしょうか?

本業とは別の事業として、資金の範囲と管理の体制を決めたうえで取り組んでいることを伝えます。金融機関や主要な取引先は、本業の資金が新しい事業に流れることを気にする場合があります。投資額の上限、資金の出どころ、本業の運転資金に影響しないことを数字で示せれば、不要な懸念を避けられます。社員に対しては、担当者の役割と作業の量を明確にし、本業の業務を圧迫しないことを伝えておきます。

環境への取り組みとして説明する場合も、蓄電所が電力網の周波数を保つための調整力を提供する設備であることを正確に伝え、誇張した表現は避けます。

決算書の注記や事業報告で蓄電所の取得に触れる場合も、事業の内容と資金の範囲を簡潔に記しておくと、外部からの問い合わせに答えやすくなります。

まとめ

  • 会社名義では定款の事業目的を確かめ、本業と部門を分けて収支を管理します。
  • 減価償却は複数年にわたり、大きな税制優遇は1基では対象外であることを前提にします。
  • 決算期と運転開始の時期、借入枠への影響を工程表と資金繰りで事前に確認します。

出典

  • 電力需給調整力取引所(EPRX)「取引実績」「市場ルール」
  • 経済産業省・中小企業庁「中小企業等経営強化法に基づく税制措置」
  • 経済産業省「大胆な投資促進税制」

※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。

出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。

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