
低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所)は、個人でも法人でも持つことができ、融資を使う場合は電力会社との接続契約の書面と収支の試算が審査の材料になります。融資の可否や条件は金融機関ごとに異なります。
本記事は、低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所・低圧蓄電池、出力50kW未満・49.9kW級)を融資で持つときに準備しておきたい書面と、収支試算の示し方を説明します。全体像は低圧の系統用蓄電池 総合ガイドをご覧ください。
低圧蓄電所は融資を受けられますか?
融資を使う場合は、接続契約の書面と収支の試算が審査の材料になります(解説ブック低圧編 第11章、2026年10月時点)。
個別の可否や金利・期間は金融機関の判断です。本記事では、審査で示すことになる材料を整理します。
審査ではどんな書面を準備しますか?
接続の状態、土地の権利、機器と保証、アグリゲーター契約、収支の前提を書面で揃えます。
接続契約の書面
電力会社との接続契約が成立しているか、工事費負担金の金額が決まっているかを示します。接続がこれからの区画は、つながるかどうかがまだ分かりません。書面で進捗を確かめる考え方は「進んでいる案件」の見分け方で説明しています。
土地と機器
土地は所有か借地か、借地なら地代・期間・更新を示します。機器はメーカーと型番、電池・PCS・通信機器それぞれの保証範囲と年数を揃えます。
収支の試算では何を示しますか?
単価、約定率、充電の電力費、劣化率、機器の更新費などの前提をすべて開示した試算を示します。
| 前提 | 示し方 |
|---|---|
| 単価 | 上限の10円ではなく、複数の単価で示す |
| 約定率 | 90%を超える前提は楽観的とされるため、低い値も置く |
| 費用 | 手数料、充電費、保守、保険、固定資産税、地代、撤去 |
| 入金の時期 | 運用月から入金まで数か月かかる点を資金繰りに入れる |
出力49.9kW・約定率90%の計算例で、年間売上は単価10円なら約787万円、3円なら約236万円です。下振れした場合も返済できるかを示すと説明がしやすくなります。売上は低圧蓄電所の売上試算ツールで試算できます。
補助金を使わないことは融資に影響しますか?
2026年10月時点で49.9kWの系統直結の蓄電池に使える国・東京都の補助制度は公表資料で確認できず、低圧蓄電所は補助金を前提にしない投資です。
補助金を使う場合は一定期間、売却や担保設定に承認が要りますが、補助金がなければその制約はありません。詳しくは低圧蓄電所は補助金を前提にしないをご覧ください。
個人と法人のどちらで借りるのがよいですか?
どちらでも持てますが、法人で持って減価償却と経費を合わせて管理する形が多いとされます。
名義の決め方は低圧蓄電所を個人で持つか法人で持つかで整理しています。税務は顧問税理士に確認してください。
まとめ
- 低圧蓄電所は個人でも法人でも持て、融資では接続契約の書面と収支の試算が審査の材料になります。
- 接続・負担金・土地・機器・アグリゲーター契約を書面で揃えます。
- 収支は上限価格でなく複数の単価と約定率で示し、費用と入金時期も含めます。
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月) 第3章・第6章・第11章・第12章
- 電力需給調整力取引所(EPRX)「需給調整市場のΔkW上限価格について」(2026年7月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。