タンソーマンGX 蓄電所の案件と用地

低圧(49.9kW)

低圧蓄電所を2区画以上持つときに、分散で効くことと効かないこと

低圧蓄電所を複数の場所に分けて持つと、故障・災害・接続の遅れといった場所に固有のリスクは分散できます。一方で、需給調整市場の単価や制度の変更は全区画に同時に効くため、場所の分散では減りません。

複数区画を持つと、何のリスクが減るのですか

減るのは、一つの場所や一台の設備に起きる出来事のリスクです。

1基だけを持つ場合、その設備が故障して停止すれば、その間の収入はゼロになります。複数区画を別の場所に持っていれば、1基が止まっても他の区画の収入は続きます。浸水や積雪、塩害のように土地の条件に左右される災害も、場所が離れていれば同時に被害を受ける可能性は下がります。

運転開始までの期間についても分散の効果があります。低圧の連系は配電線と柱上変圧器の余裕で決まり、技術協議の結果や工事の進み方は場所ごとに違います。区画が複数あれば、一つの区画の連系が遅れても、全体の運転開始が止まるわけではありません。

場所を分けても減らないリスクは、どれですか

市場の単価、制度の変更、アグリゲーターの運用に関わるリスクは、場所を分けても減りません。

場所の分散で減るリスクと減らないリスク

分散で減る

  • 機器の故障による停止
  • 浸水・積雪・塩害などの災害
  • 連系の遅れや工事の遅れ
  • 近隣との関係による運転の制約

分散では減らない

  • 需給調整市場の単価の下落
  • 上限価格や市場ルールの変更
  • 同じアグリゲーターの運用や経営
  • 同じ機種に共通する不具合

一次調整力の上限価格は、2026年3月に15.00円、9月に10.00円へ引き下げられました。このような変更は、どの場所の区画にも同じ時期に影響します。同じエリアの区画であれば、エリアごとの単価の動きも共通です。

エリアを分けると、市場のリスクは減りますか

エリアを分けると、エリアごとの単価の違いには分散が効きますが、全国共通のルール変更には効きません。

需給調整市場の単価はエリアごとに決まり、2025年度は東京エリアの不足が最も大きく、平均単価も全国平均を上回りました。エリアを分けて持つと、特定のエリアだけ単価が下がった場合の影響は和らぎます。一方で、需給調整市場への参加には同じエリアで1MWの束ねが必要なため、エリアごとにアグリゲーターの束ねが成立しているかを別々に確かめる必要があります。

アグリゲーターや機種も分けたほうがよいのですか

分けると運用や機種に共通する不具合のリスクは下がりますが、管理の手間は増えます。

分けるもの 減るリスク 増える手間
場所 故障・災害・連系の遅れ 点検や近隣対応が区画ごとに必要
エリア エリアごとの単価の動き 束ねの成立を区画ごとに確認
アグリゲーター 一社の運用や経営の問題 契約・報告・精算が複数になる
機種 同じ機種に共通する不具合 保守の窓口や部品が別になる

複数基の持ち方の全体像は複数基を持つ記事で、離れた場所への分散の考え方は分散配置の記事で扱っています。

隣り合う区画を複数持つことは、分散になりますか

隣り合う区画は分散の効果が小さいうえ、分割設置の規制の対象になり得ます。

電気事業法の規則では、本来ひとつの設備を低圧に分けて連系する分割設置が規制されており、2023年4月から系統用蓄電池も対象です。隣り合う区画で設置者や土地の所有者が同じ場合は、分割と判断されやすくなります。2026年10月の国の審議会では、名義を確かめる期間を1年から5年に延ばす案が議論されています(10月時点では未決定)。複数基を持つ場合は、離れた場所に1基ずつ置くのが確実です。

複数区画を検討するとき、何を確かめればよいですか

区画ごとの条件の違いと、全区画に共通する前提を分けて確かめます。

  • 区画ごとの接続の状態と、工事費負担金の金額
  • 区画ごとのハザードマップの想定と、積雪・塩害の条件
  • 各区画のエリアで、1MWの束ねが成立する見込み
  • 全区画の収支を、同じ単価の下振れで試算したときの合計
  • 点検・報告・精算の窓口がいくつになるか

全区画をまとめた試算で単価を下げてみると、場所の分散では減らないリスクの大きさが分かります。

複数区画の収支は、どうまとめて見ればよいですか

区画ごとの試算を並べたうえで、全区画を合計した試算を別に作ります。

区画ごとの試算は、接続の時期や工事費負担金の違いで運転開始の年や投資額がずれます。合計の試算では、各区画の運転開始の時期を反映し、全区画に共通する単価や約定率を同時に下げた場合の手残りを確かめます。区画ごとの停止が重なる確率は低いため、停止による減収は区画ごとに見込み、市場の下振れは全区画に一律にかけるのが実態に近い見方です。

まとめ

  • 場所を分けると、故障・災害・連系の遅れといった場所に固有のリスクは分散できます。
  • 市場の単価や制度の変更は全区画に同時に効くため、場所の分散では減らないため、区別して検討します。
  • 隣り合う区画は分散の効果が小さく分割設置の規制にも関わるため、離れた場所に1基ずつ置くのが確実です。

出典

  • タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月版)
  • 電力需給調整力取引所(EPRX)2025年度取引実績

※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。

出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。

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