
開発許可とは、都市計画法にもとづき、土地の造成や特定の工作物を設けるときに必要となる許可のことです。系統用蓄電池は2025年4月の国土交通省の通知で開発許可の対象になり得るとされ、要否は土地の区域と事業者の規模によって変わります。
蓄電所はなぜ開発許可の対象になり得るのか
対象になり得るのは、リチウムイオン電池の電解液が引火性の液体で危険物に当たり、危険物を含む蓄電池が第一種特定工作物に該当し得ると整理されたためです。国土交通省は2025年4月8日の通知で、この考え方を自治体に示しました。容量や電圧による下限はなく、高圧でも低圧でも扱いは同じです。
開発許可が要る場合と要らない場合はどう分かれるのか
要否は、土地の区域、事業者の規模、自治体の基準の順に確かめると判断しやすくなります。
- 区域を確認非線引き・区域外なら調整区域の制限なし
- 調整区域なら規模合計1万kW超の発電事業なら除外
- 自治体の基準開発審査会の許可基準があるか
- 基準がなければ調整区域の外の土地に切り替える
国土交通省「系統用蓄電池の開発許可制度上の取扱いについて」(2025年4月)による整理。
市街化調整区域では、造成のような工事をしなくても許可が要る場合があります。多くの自治体が許可の基準をまだ作っておらず、申請しても判断に時間がかかることがあります。区域ごとの考え方は市街化調整区域に蓄電所は建てられるかで解説しています。
開発許可と建築物の扱いはどう違うのか
開発許可は都市計画法の論点で、建築物に当たるかどうかは建築基準法の論点であり、両者は別に確かめます。国土交通省の通知では、蓄電池だけを収めた無人のコンテナで積み重ねないなどの条件を満たせば、建築物に当たらない整理ができるとされています。ただし、建築物に当たらない整理ができても、開発許可の要否は区域によって別に判断されます。
| 論点 | 法令 | 主な確認 |
|---|---|---|
| 開発許可 | 都市計画法 | 区域、事業者の規模、自治体の基準 |
| 建築物かどうか | 建築基準法 | 無人・積み重ねないなど通知の条件。最終判断は建築主事など |
| 消防 | 消防法・火災予防条例 | 蓄電容量20kWh超は消防署への届出 |
建築物の扱いはコンテナ型蓄電池は建築物に当たるかで詳しく解説しています。
開発許可についてよくある誤解は何か
よくある誤解は、造成をしなければ開発許可は要らないという考えです。市街化調整区域では、工作物を新たに設けるだけで許可が要る場合があります。
また、低圧の小さな蓄電所なら対象外という誤解もあります。容量による下限はなく、低圧蓄電所でも同じ扱いです。どうしても取得したい土地であれば、購入する前に所在地の自治体の開発許可担当に基準の有無を確認してください。
まとめ
- 開発許可は、都市計画法にもとづき造成や特定の工作物の設置に必要な許可です。
- 系統用蓄電池は2025年4月の国交省通知で対象になり得て、容量による下限はありません。
- 区域・事業者の規模・自治体の基準の順に確かめ、建築物かどうかとは別に判断します。
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- 国土交通省「系統用蓄電池の開発許可制度上の取扱いについて」(2025年4月8日)
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編」(2026年10月)
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。