
EPCとは、設計(Engineering)、調達(Procurement)、建設(Construction)を一括で請け負う形、またはそれを担う工事会社のことです。蓄電所では、機器の発注から据付、試験までをEPCに任せるのが一般的です。
EPCは蓄電所の取引のどこに入るのか
EPCは、発注者と機器メーカーの間に入り、設計から建設までを受け持ちます。発注者は工事代金をEPCに支払い、EPCが機器を調達して据え付けます。開発権を買って建てる型では、投資家が自分でEPCや機器を選べます。
上段は発注者が受け取るもの、下段は支払うお金の流れです。
なぜ蓄電所でEPCが重要なのか
EPCは、運転開始の時期と設備の品質を左右するため重要です。高圧の蓄電所では、機器の発注から据付、試験まで6〜12か月かかり、消防への届出、保安規程の届出、電気主任技術者の選任を並行して進めます。工期の遅れは運転開始の遅れにつながり、収支に影響します。
EPC契約では何を確かめるのか
EPC契約では、価格の内訳と責任の範囲を確かめます。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 価格の内訳 | 機器、工事、設計と試運転がどこまで含まれるか。税込か税抜か |
| 工期 | 発注から引渡しまでの期間と、遅延の補償 |
| 性能保証 | 引渡し時の性能をEPCが保証するか |
| 瑕疵の保証期間 | 工事の不具合をいつまで直してもらえるか |
| 機器 | メーカーと型番、容量保証、PCSの保証、JC-STARへの対応 |
工事費負担金はEPCの代金とは別に、一般送配電事業者へ支払う費用です。価格の比べ方は蓄電所の値段はなぜ2倍違うのか、完成品・開発権・工事代金の見分け方で解説しています。
EPCについてよくある誤解は何か
よくある誤解は、EPCの代金が蓄電所の総額だと考えることです。EPCの代金は設備と工事の部分で、土地、接続の権利、工事費負担金は含まれないのが一般的です。これらを一括で取得するのが完成品(ターンキー)の取得で、詳しくは完成品(ターンキー)の蓄電所を買うとは 価格に含まれるものと見方で解説しています。もう一つは、EPCの保証とメーカーの保証が同じだと考えることです。容量保証はメーカー、工事の瑕疵はEPCと分かれるため、保証書、保守契約、EPC契約を並べて、抜けや重なりがないかを確かめます。補助金を使う場合は、発注ごとに相見積りが要る点にも注意します。
まとめ
- EPCは、設計・調達・建設を一括で請け負う形、またはその工事会社です。
- 契約では、価格の内訳、工期と遅延の補償、性能保証、瑕疵の保証期間を確かめます。
- EPCの代金には土地や工事費負担金が含まれないのが一般的で、総額とは分けて比べます。
出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編」(2026年10月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。