
インバランスとは、事前に立てた電気の計画と、実際に流れた電力量とのずれのことです。蓄電所では、このずれが精算の対象となり、約定代金から差し引かれる項目の一つとしてオーナーの手取りに関わります。
インバランスはなぜ生じるのか
インバランスは、充電や放電を計画どおりに行えなかったときに生じます。電力網は使う量と発電する量を常に一致させる必要があるため、市場に参加する設備は前もって計画を立てて運用します。実際の動きが計画とずれると、その差は誰かが埋める必要があり、精算の対象になります。
- 計画前日の見通しでコマごとに充放電を決める
- 運用EMSが計画に沿って充放電を制御
- 計量実際に流れた電力量を測る
- ずれの精算計画との差をインバランスとして精算
精算の細かな計算方法は本記事では扱わない。
なぜ蓄電所で運用の正確さが重要なのか
同じ約定の結果でも、計画どおりに動けたかどうかでオーナーの受け取る額が変わるためです。アグリゲーターがまとめて精算し、手数料、ペナルティ、充電の電力費、インバランスの精算などを差し引いた残りがオーナーに支払われます。2026年3月から需給調整市場は前日・30分単位の取引になり、48コマごとに入札と充電を組み立てる運用になりました。計画の細かさが増した分、計画どおりに動く正確さの重みも増しています。運用制御の仕組みはEMSとは何かで説明しています。
インバランスの扱いはどう確かめればよいのか
インバランスの扱いは、アグリゲーター契約の負担区分と、精算書の内訳で確かめます。どの項目を誰が負担するかは、アグリゲーターごとに違います。
- インバランスの精算を、オーナーとアグリゲーターのどちらが負担するか
- 機器や通信の不具合が原因の場合の扱い
- 月ごとの精算書で、差し引き額の内訳が分かるか
インバランスについてよくある誤解は何か
一つ目は、インバランスとペナルティを同じものと考えることです。ペナルティは、約定した時間に基準どおり待機・応動できなかった場合にかかるもので、落札価格の1.5倍とされています。インバランスは、実際に流れた電力量の計画とのずれの精算です。両者は別の項目として負担区分を確かめます。ペナルティの仕組みはアセスメントとペナルティで詳しく扱っています。
二つ目は、オーナーには関係のない運用側の話だと考えることです。負担区分によっては、ずれの精算がオーナーの手取りを直接減らします。契約の前に、差し引かれる項目の一覧を受け取っておくことが大切です。
まとめ
- インバランスは、事前の計画と実際に流れた電力量とのずれで、精算の対象になります。
- 約定代金からは手数料やペナルティとあわせてインバランスの精算が差し引かれることがあります。
- ペナルティとは別の項目として、負担区分と精算書の内訳を契約で確かめます。
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出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編」(2026年10月)
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。