
蓄電所の用地を探す際、土地の価格や広さと同じくらい重要なのが系統の空きです。東京電力パワーグリッドは「系統の予想潮流等に関する情報」で配電用変電所ごとの空容量を公開しています。本記事では2026年9月2日更新の一覧から千葉県分を集計し、数字の読み方と用地の考え方を整理します。
千葉県の配電用変電所の数と空き
2026年9月2日更新の一覧に掲載された千葉県の配電用変電所は167か所です。このうち、変電所そのもの(当該設備)に空容量がある変電所は124か所(約74%)、上位の送電線・変電所まで考慮しても空容量がある変電所は0か所(約0%)でした。平常時に出力制御が行われる可能性が「有り」と示された変電所は167か所です。
東京電力パワーグリッド 系統の予想潮流等に関する情報(2026年9月2日更新)から集計。
千葉県では、当該設備に空きがある変電所が124か所あり、空きが10MW以上の変電所も89か所あります。配電用変電所の単位で見ると余裕がある変電所は少なくありません。しかし上位系等考慮の空容量はすべての変電所で0で、出力制御の可能性も全167か所で「有り」と示されています。柏、松戸、鎌ケ谷など県北西部の変電所は当該設備の空きが大きく出ていますが、これらも上位系では空きがありません。茨城県と同じく、上位の送電線や変電所の混雑が県全体に及んでいると読めます。
空きの大きい変電所の例
上位系等考慮の空容量が大きい順に、同じ値の場合は当該設備の空容量が大きい順に並べた最大15か所です。上位系等考慮の空容量はすべて0のため、実質的には当該設備の空容量の大きい順になっています。単位はMWです。
| 変電所 | バンク数 | 運用容量値(MW) | 空容量・当該設備(MW) | 空容量・上位系等考慮(MW) | 平常時出力制御の可能性 |
|---|---|---|---|---|---|
| 三ヶ尾 | 2 | 39 | 19 | 0 | 有り |
| 柏高田 | 3 | 59 | 19 | 0 | 有り |
| 平和台 | 3 | 59 | 19 | 0 | 有り |
| 柏東口 | 3 | 59 | 19 | 0 | 有り |
| 柏 | 3 | 59 | 19 | 0 | 有り |
| 大谷口 | 3 | 59 | 19 | 0 | 有り |
| 酒井根 | 2 | 39 | 19 | 0 | 有り |
| 小金 | 3 | 59 | 19 | 0 | 有り |
| 八柱 | 3 | 59 | 19 | 0 | 有り |
| 西松戸 | 3 | 59 | 19 | 0 | 有り |
| 鎌ヶ谷 | 3 | 59 | 19 | 0 | 有り |
| 松飛台 | 2 | 39 | 19 | 0 | 有り |
| 明神 | 2 | 39 | 19 | 0 | 有り |
| 志津 | 3 | 59 | 19 | 0 | 有り |
| 吉橋 | 2 | 39 | 19 | 0 | 有り |
表の値は変電所全体の目安です。同じ変電所につながる案件が増えれば空きは減り、翌月の更新で数字が変わることもあります。
数字を読むときの注意
この一覧の空容量は月1回更新される目安であり、接続を約束するものではありません。東京電力パワーグリッドの留意事項でも、掲載情報は連系の可否、連系条件、工事の要否、工事費負担、出力制御の有無を保証するものではないとされています。また今回の公開は暫定的な仕様に基づくもので、需要・潮流の実績は前年度のゴールデンウィーク期間をもとに算定されています。
- 「上位系等考慮」が0の意味:配電用変電所そのものに余裕があっても、その上につながる送電線や変電所に空きがない状態です。この場合はノンファーム型接続、つまり系統が混雑したときに出力が制御されることを前提とした接続になりえます。
- 空きがあっても費用がかかる場合:配電用変電所では、空容量があってもバンク逆潮流対策や変電所逆潮流対策が必要になることがあります。その費用を工事費負担金として求められたり、対策の完了まで連系を待つことになったりする場合があります。
- 空きがなくても相談はできる:空容量がないことを理由に、事前相談や接続検討の受付が制限されるわけではありません。
正確な可否と費用は、事前相談と接続検討で確かめる必要があります。
千葉県で用地を探すときの考え方
千葉県では、一覧から上位系の空きがある場所を選ぶことはできません。用地の検討は次の考え方が中心になります。
- ノンファーム型接続を前提に置く:混雑時に出力が制御されうることを織り込んで事業性を考えます。蓄電所は充電と放電の両方で系統を使うため、制御の影響は両方向で確かめます。
- 土地の安さだけで判断しない:土地の条件が良くても、系統の条件で事業性が大きく変わります。系統の確認は土地の検討と並行して行います。
- 当該設備の空きは足切りに使う:当該設備の空きが0の変電所は、配電用変電所の段階でも対策が必要になる可能性が高いと考えます。
- 空きがあっても費用を確かめる:バンク逆潮流対策等による工事費負担金の可能性は、事前相談で早めに確認します。
- 一覧で目星近くの配電用変電所の空容量を確認
- 上位系を確認上位系等考慮の値と出力制御の表示
- 事前相談熱容量に起因する制限の有無を聞く
- 接続検討工事費と期間の回答を受ける
一覧の数値と接続検討の結果は異なる場合があります。
まとめ
- 千葉県の配電用変電所167か所のうち、当該設備に空きがあるのは124か所です。
- 上位系等考慮で空きがある変電所は0か所で、出力制御の可能性は全か所で「有り」です。
- ノンファーム型接続を前提に、土地と系統を並行して検討します。
- 一覧は月1回更新の目安であり、可否と費用は事前相談と接続検討で確かめます。
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- 東京電力パワーグリッド 系統の予想潮流等に関する情報(2026年9月2日更新)
- 東京電力パワーグリッド 系統の予想潮流等に関する情報の利用における留意点
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。