
非線引き区域とは、都市計画区域のうち、市街化区域と市街化調整区域に分ける線引きをしていない区域です。蓄電所にとっては、市街化調整区域のような開発許可の制限がかからないため、用地として計画の見通しを立てやすい区分です。
非線引き区域とはどのような区域か
非線引き区域は、都市計画区域でありながら、市街化を進める区域と抑える区域に分けていない区域です。都市計画法では、計画的にまちづくりを進める範囲を都市計画区域とし、その中を市街化区域と市街化調整区域に分けることがあります。この区分をしていない都市計画区域が非線引き区域で、都市計画区域の外側は都市計画区域外と呼ばれます。
- 市街化区域市街地として整備を進める区域
- 市街化調整区域市街化を抑える区域。開発許可の対象になり得る
- 非線引き区域線引きをしていない都市計画区域。調整区域の制限はかからない
- 都市計画区域外都市計画区域に含まれない区域。調整区域の制限はかからない
国土交通省「系統用蓄電池の開発許可制度上の取扱いについて」(2025年4月)による整理。
なぜ蓄電所で区域区分が重要なのか
区域区分が重要なのは、市街化調整区域では蓄電所に開発許可が要り得るためです。国土交通省は2025年4月の通知で、系統用蓄電池を危険物を含む工作物として、開発許可の対象になり得ると整理しました。低圧の小さな蓄電所についても、容量による下限は設けられていません。
許可の基準を定めていない自治体も多く、申請しても判断に時間がかかることがあります。当社では、市街化調整区域の土地は低圧蓄電所では不可、高圧の蓄電所でも原則避けるという考え方をとっています。これに対して非線引き区域と都市計画区域外では、この制限がかからず、手続きの見通しを立てやすくなります。詳しくは非線引き区域・都市計画区域外が蓄電所の用地として有利になる理由で解説しています。
非線引き区域かどうかはどう確かめるのか
非線引き区域かどうかは、市区町村の都市計画担当の窓口か、自治体が公開している都市計画図で確かめられます。相談の前に、固定資産税の通知書や登記簿で地番と地目を確認しておくと、話が早く進みます。
- 所有地の地番と地目を書類で確かめる
- 都市計画図で、都市計画区域の内外と線引きの有無を見る
- 分からない場合は、都市計画担当の窓口に地番で問い合わせる
非線引き区域や都市計画区域外は、郊外や山あいに多く見られます。これまで活用の当てがなかった土地でも、区分の面では蓄電所の候補になり得ます。
非線引き区域ならどの土地でも使えるのか
非線引き区域であっても、それだけで蓄電所に使えるとは限りません。区分は用地選びの入口にすぎず、次の点は別に確かめる必要があります。
- 農地かどうか:地目と現況の両方を見る。農振農用地(青地)は原則転用できない
- 周辺の住宅:PCSの音が出るため、当社は50m以内に住宅や宿泊施設がある土地は扱わない
- 災害の想定:浸水想定や土砂災害警戒区域
- 系統の空き:近くの配電線や変電所に接続の余地があるか
- 自治体のルール:事前協議や住民説明を求める条例・要綱がないか
また、非線引き区域を「規制がまったくない区域」と考えるのも誤解です。開発許可の扱いは市街化調整区域と異なりますが、農地法や消防の届出など、区域区分とは別の手続きは同じように必要です。
まとめ
- 非線引き区域は、市街化区域と市街化調整区域の線引きをしていない都市計画区域
- 市街化調整区域のような開発許可の制限がかからず、蓄電所の計画の見通しを立てやすい
- 農地・住宅との距離・系統の空き・自治体のルールは区分とは別に確かめる
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編」(2026年10月)
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。