タンソーマンGX 蓄電所の案件と用地

低圧(49.9kW)

需給調整市場の5つの商品 一次から三次②までの違いと蓄電池の強み

この記事では、需給調整市場で取引される5つの商品の並びと、蓄電池がどの商品で強みを持つのかを説明します。商品ごとの上限価格の違いや、市場が段階的に整ってきた経緯も分かります。

調整力は「応える速さ」で分かれる

電力網は、使う量と発電する量を常に一致させないと周波数が乱れます。太陽光や風力が増えるほど出力の揺れが大きくなり、その揺れを打ち消す調整力が多く必要になります。

揺れには、数秒単位の細かいものから、数十分から数時間単位の大きなずれまであります。そこで需給調整市場では、指令や周波数の変化に応える速さによって調整力を5つの商品に分け、一般送配電事業者がそれぞれを確保しています。速い順に、一次調整力、二次調整力①、二次調整力②、三次調整力①、三次調整力②です。

需給調整市場の5つの商品(速い順)
  • 一次調整力周波数の変化を自ら検知し10秒以内に自動で応じる。蓄電池の主戦場
  • 二次調整力①一次に次ぐ速さ。上限は一次と同じ区分
  • 二次調整力②より長い時間のずれに応じる。上限7.21円
  • 三次調整力①前日・30分単位の取引の対象。上限7.21円
  • 三次調整力②最も遅い商品。2021年の市場開設時から取引

市場は遅い商品から順に開かれた

需給調整市場は、一度にすべての商品が始まったわけではありません。2021年4月に三次調整力②から開設され、2022年4月に三次調整力①、2024年4月に一次・二次①・二次②を含む全商品の取引が始まりました。

その後、2026年3月14日には一次〜三次①の取引が前日・30分単位に移行し、2026年4月からは低圧の設備をアグリゲーターが束ねて応札できるようになりました。蓄電池が強みを持つ速い商品の取引は、比較的新しいということです。

蓄電池が一次調整力で強い理由

一次調整力は、周波数の変化を設備自身が検知し、10秒以内に自動で出力を変える最も速い調整力です。人が操作する場面はありません。

蓄電池は、指令から1秒以内に出力を変えられ、燃料も要りません。充電と放電の切り替えも速く、出力の上げ下げを正確に行えます。これまで調整力の中心だった火力発電は、燃料を燃やして出力を変えるため、ここまでの速さと正確さを出すのは得意ではありません。

2025年度の需給調整市場では、一次調整力での蓄電池の月別平均落札単価が8.82〜13.52円/ΔkW・30分だったのに対し、火力は2.05〜3.39円でした。速く正確に応える設備ほど高く評価される市場の性格が、数字に表れています。

商品ごとに上限価格が違う

需給調整市場の単価には上限価格が設けられています。2026年9月1日の実需給分からは、一次調整力などが10円、二次調整力②と三次調整力①が7.21円の上限となりました。商品によって上限が異なるため、どの商品に入札するかは収入の見込みに影響します。

上限は「最高でもこの価格」という意味で、その価格で約定するわけではありません。収支を考えるときは、上限よりも低い単価で組むのが基本です。

低圧蓄電所は一次調整力が中心

出力49.9kWの低圧蓄電所は、一次調整力のオフライン枠に入るのが主な役割です。オフライン枠は、専用線でのオンライン接続を必要としない参加の枠で、低圧の蓄電池などを束ねて参加します。最低入札量は1MW(1,000kW)のため、アグリゲーターが同じエリアの複数の設備を束ねて入札します。

高圧の蓄電所は、複数の商品を組み合わせて入札することもできます。どの商品にどう配分するかはアグリゲーターが市場の動きを見て決めます。

どの商品に入るかは誰が決めるのか

5つの商品のどれに、どの時間に入札するかを決めるのは、オーナーではなくアグリゲーターです。オーナーとしては、委託するアグリゲーターがどの商品を中心に運用する方針なのか、その方針が自分の設備の性能や容量に合っているのかを確かめておくことが大切です。商品によって上限価格が違うため、運用方針は収入の見込みに直結します。契約の前に、運用の方針と報告の内容を説明してもらうとよいでしょう。

まとめ

  • 需給調整市場には、応える速さで分かれた一次から三次②までの5商品があります。
  • 蓄電池は最も速い一次調整力で強みを持ち、火力より高い単価で落札されてきました。
  • 商品ごとに上限価格が異なり、収支は上限より低い単価で組むのが基本です。
  • 低圧蓄電所は一次調整力のオフライン枠に束ねて参加するのが中心です。

出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。

出典

  • 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編」(2026年10月)
  • 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月)
  • 電力需給調整力取引所(EPRX)2025年度取引実績(解説ブックでの引用による)

※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。

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