タンソーマンGX 蓄電所の案件と用地

高圧・低圧 共通

蓄電所投資の失敗例、補助金設備を担保にできなかったケース

補助金を受けた設備は、一定期間、売却・譲渡・担保設定に承認が要ります。融資で設備を担保に入れる前提だった場合や、途中で売却したい場合に、この制約が計画を止めることがあります。

どのような失敗が起きるのですか?

補助金で投資額を下げ、残りを銀行の融資でまかなう計画を立てたものの、融資の段階で補助対象の設備を担保に入れられないことが分かる、という例です。設備が担保にならないと、融資の条件が変わったり、他の担保や自己資金を求められたりすることがあります。

同じ制約は、運転開始後に案件を売却したい場面でも効きます。設備の譲渡に承認が要るため、売りたい時期に自由に売れないことがあります。

なぜ担保にできないのですか?

補助金は、設備を一定期間その事業に使うことを前提に交付されます。そのため、補助を受けた設備は、一定期間、売却・譲渡・担保設定に承認が要るとされています。

補助金が資金計画に及ぼす制約
補助金の執行団体交付と承認
処分の承認補助金
設備の所有者補助で取得
担保の申出融資
金融機関担保を評価

担保設定と譲渡には、所有者と金融機関の合意だけでなく、補助金側の承認が要ります。

どの補助金が対象になるのですか?

系統用蓄電池に使える主な補助金は、国の系統用蓄電システム等導入支援事業(出力1,000kW以上が対象)と、東京都の系統用大規模蓄電池の助成(東京電力管内、補助率2/3以内)です。いずれも高圧以上の規模が対象で、49.9kWの低圧蓄電所に使える国・東京都の補助制度は、2026年10月時点の公表資料では確認できません。

そのため、この失敗は主に高圧で起きます。低圧は補助金を前提にしないぶん、発注や売却を自由に決められます(低圧蓄電所は補助金を前提にしない)。

補助金には、ほかにどのような条件がありますか?

  • 補助の対象は、交付決定の後に契約・発注した設計、設備、工事。完成品を買う形とは両立しにくい
  • 申請者は設備の所有者本人で、代理申請はできない
  • PCS・EMS・BMSはJC-STAR★1の適合が必要で、発注ごとに相見積りが要る
  • 国の補助を受ける場合、東京都の助成はその額を差し引く

発注の順序については蓄電所の補助金は発注の順序に注意で整理しています。

資金計画の段階で何を確かめればよいのですか?

  1. 補助金を使うかどうかを、融資の相談より前に決める
  2. 金融機関に、補助対象の設備を担保にできない前提で融資を組めるかを確認する
  3. 処分制限の期間中に売却する可能性があるかを考え、出口の計画と合わせる
  4. 承認の手続きにかかる期間を、売却や借換えの計画に入れる
  5. 補助金を使わない場合の資金計画も並べて、差を比べる

融資の期間は10〜17年程度の長期が多く、担保の扱いは条件に直結します。補助金で下がる投資額と、担保や売却の自由度の制約を、同じ表で比べてから選ぶことが大切です。詳しくは2MW蓄電所の融資と補助金設備の担保制約もご覧ください。

補助金を使うかどうかは、何で決めればよいのですか?

補助金で下がる投資額と、制約によって失うものを比べて決めます。失うものは、担保設定と売却の自由度のほか、交付決定を待つ期間と、発注の順序の制約です。国の系統用蓄電システム等導入支援事業は、2026年の公募が9月4日〜11月4日、交付決定は2027年1月上旬の予定で、交付決定の後に契約・発注した設計、設備、工事が対象になります。この間、機器の発注を待つことになり、運転開始の時期にも影響します。

案件を買う側として、何に注意するのですか?

補助金を受けた案件を取得する場合は、処分制限の期間中に譲渡が承認されるか、承認にどの程度の期間がかかるかを確かめます。承認が得られないと取引そのものが成立しないおそれがあります。売り手が補助金を受けたかどうかは、案件の資料に書かれていないこともあるため、補助金の交付を受けたかを書面で確かめます。

完成品を買う形は、補助の対象が交付決定後に契約・発注した設備に限られることから、補助金と両立しにくいとされています。補助金を前提に価格が組まれている案件では、その前提が成り立つかを確認します。

低圧と組み合わせる考え方はありますか?

補助金の制約を避けたい場合、補助金を前提にしない低圧蓄電所を別に持つという考え方があります。低圧は補助金がないぶん、交付決定を待たずに進められ、機器の選定や将来の売却も自由に決められます。融資を使う場合は、接続契約の書面と収支の試算が審査の材料になります。

高圧の案件は蓄電所の案件と用地で、手続きの進み具合とあわせてご紹介しています。低圧の区画は低圧蓄電所のご案内をご覧ください。

まとめ

  • 補助金を受けた設備は、一定期間、売却・譲渡・担保設定に承認が要ります
  • 融資や途中売却を前提にした計画では、この制約が資金計画を止めることがあります
  • 補助金を使うかどうかは融資の相談より前に決め、使わない場合と比べます

出典

  • 環境共創イニシアチブ 系統用蓄電システム等導入支援事業 公募要領(2026年)
  • 東京都 系統用大規模蓄電池導入促進事業

※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。

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