
2026年後半から2027年は、上限価格の引き下げ、接続手続きの厳格化、機器のサイバーセキュリティ認証の義務化が順に始まる時期です。各時点の前に、自分の案件がどの段階にあるかを確かめておくことが大切です。
2026年後半にはどのような変更があったか
2026年後半は、市場の単価と接続の手続きの両面で変更が重なりました。
- 2026年8月1日東京電力PGが高圧・特高の接続検討を1事業者11件までに
- 2026年9月1日一次調整力などの上限価格を10円/ΔkW・30分へ
- 2026年10月1日東京電力PGの約款改定。土地の権利の提出期限など
- 2027年4月〜高圧・特高の申込みにJC-STAR★1(予定)
- 2027年10月〜新たに連系する低圧設備にJC-STAR★1(予定)
市場の単価について何を確かめるか
上限価格の改定後の水準で、収支が組み直されているかを確かめます。一次・二次①・複合商品の上限価格は2026年9月1日に10.00円/ΔkW・30分となり、二次②・三次①は7.21円です。一次調整力については7.21円までの段階的な引き下げ方針も示されています。上限は「最高でも」の価格であり、その価格で約定するわけではありません。
接続の手続きでは何が変わるか
高圧では、手続きを終えた案件とそれ以外の差がはっきりつくようになりました。東京電力パワーグリッドの2026年10月の約款改定で、発電契約者本人からの申込みが必須になり、10月以降受付の申込みは連系承諾から原則2か月以内に土地の権利を提出することになりました。保証金入金済み・受付完了の証憑があるかが、開発権の価値の分かれ目になります。
低圧では、2026年8月6日の国の審議会で、低圧の系統用蓄電池にも接続検討や保証金、土地の権利の提出を求めるかの検討が始まりました。10月6日の審議会では、低圧の申込みが8月末で約2,800件・約13万kWに増えたことが報告され、分割設置の対策として土地の名義を確かめる期間を1年から5年に延ばす案などが議論されています(10月時点では未決定)。
補助金と容量市場の日程はどうなっているか
国の系統用蓄電システム等導入支援事業は、公募が2026年9月4日〜11月4日、交付決定は2027年1月上旬の予定です。東京都の系統用大規模蓄電池の助成は、2026年度の受付が9月30日で終了しました。容量市場は、2030年度分のオークションの応札が2026年10月に受け付けられ、結果は12月頃に公表される予定です。
2027年の機器の認証で何を準備するか
機器の選定の段階で、JC-STAR★1に対応した機種かを確認します。高圧・特別高圧は2027年4月1日以降に受け付ける契約申込みから、低圧は2027年10月以降に新たに連系する設備から、PCSなどに認証が求められる予定です。運転開始が後ろにずれた場合に対象に入るかどうかも、工程表と合わせて確かめておきます。
| 時点 | 投資家が確かめること |
|---|---|
| 上限価格の改定 | 収支が10円以下の単価で組まれているか |
| 約款の改定 | 受付・入金・連系承諾の書面がそろっているか |
| 低圧の見直し議論 | 連系の承諾をいつ得られる見込みか |
| JC-STARの開始 | PCS・EMSが対応品か、申込みや連系の時期が対象に入るか |
補助金の段取りは高圧の補助金の日程で詳しく扱っています。
日程表はどのように使うか
日程表は、自分の案件の工程表と重ね、各時点の前後でどの段階にいるかを確かめるために使います。たとえば、高圧で契約申込みの予定が2027年4月をまたぐ場合は、機器の認証の要件が変わる可能性があります。低圧で連系の承諾の時期が審議会の結論より後になる場合は、接続のルールが変わる前提で計画を立てることになります。
制度の日程は、公表後に変更されることがあります。審議会の資料や一般送配電事業者のお知らせで最新の状況を確認し、日程が動いた場合に収支や工程のどこが変わるかを、売り手や施工会社と共有しておくと判断がぶれません。
まとめ
- 2026年9月に一次調整力などの上限価格が10円となり、収支は改定後の水準で組み直す必要があります。
- 高圧は約款改定で書面の有無が価値を分け、低圧は接続ルールの見直しが審議会で議論されています。
- 2027年4月(高圧)と10月(低圧)からJC-STAR★1が求められる予定で、機器選定の段階で確認します。
高圧・特別高圧の案件は、蓄電所の案件と用地でご紹介しています。
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編」(2026年10月)
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月)
- 電力需給調整力取引所(EPRX)「需給調整市場のΔkW上限価格について」(2026年7月)
- 資源エネルギー庁 次世代電力系統ワーキンググループ 資料(2026年8月・10月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。