
落札とは、需給調整市場などに入札したコマのうち、一般送配電事業者が必要とする量の範囲で選ばれ、取引が成立することです。蓄電所の売上になるのは落札したコマだけで、入札しただけでは収入になりません。
入札から落札までどのように進むのか
需給調整市場では、前日に30分単位で入札し、その日のうちに約定が決まります。2026年3月14日から一次〜三次①の取引が前日・30分単位に移り、1日48コマの一つひとつで入札するかどうか、いくらで入札するかを決めるようになりました。入札はアグリゲーターが行い、低圧の設備は同じエリアの複数の設備を束ねて1MW以上にしてから入札します。
- 入札前日にコマごとの量と価格を出す
- 落札・約定必要量の範囲で選ばれたコマが成立
- 待機・応動約定したコマで出力を出せる状態を保つ
- アセスメント基準どおり応動できたかを評価
- 精算手数料などを差し引きオーナーへ
運用月から入金までは数か月かかるのが一般的。
なぜ落札の量が売上を左右するのか
需給調整市場の売上は、出力×単価×約定したコマ数で決まるため、落札したコマ数は単価と同じ重さで効きます。1年は17,520コマで、このうち何コマを落札できるかが収入の大きさを決めます。入札したコマのうち落札されたコマの割合を約定率と呼びます。考え方は約定率とは何かと1年は17,520コマで詳しく説明しています。
落札の結果はどう確かめればよいのか
落札の結果は、試算の前提と、運用開始後の月ごとの報告の両方で確かめます。
- 試算で約定率を何%と置き、その根拠が示されているか
- 充電の時間を差し引いて、入札するコマ数を置いているか
- 報告で、商品別に落札したコマ数と単価が分かるか
- 低圧の場合、束ねた単位で落札した収入の配分方法が明記されているか
落札についてよくある誤解は何か
一つ目は、高く入札すれば収入が増えると考えることです。高い価格で入札すると、落札されたときの単価は上がりますが、落札されにくくなります。単価と約定率は引っ張り合う関係にあり、同じ商品に入札する蓄電池が増えれば枠の取り合いにもなります。
二つ目は、落札すれば対価を満額受け取れると考えることです。約定した時間に基準どおり待機・応動できなければ、アセスメントで評価を満たさずペナルティがかかります。落札の後の運用の確かさも、収入の一部です。
まとめ
- 落札とは、入札したコマのうち必要量の範囲で選ばれ、取引が成立することです。
- 売上は出力×単価×約定したコマ数で決まり、落札したコマ数は単価と同じ重さで効きます。
- 入札価格と落札されやすさは引っ張り合う関係にあり、約定率の前提と報告を確かめます。
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出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編」(2026年10月)
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。