
市街化調整区域と非線引き区域の違いは、蓄電所の設置に開発許可の制限がかかるかどうかです。市街化調整区域では系統用蓄電池が開発許可の対象になり得て、許可の基準を定めていない自治体も多い一方、非線引き区域ではこの制限がかかりません。
それぞれどんな区域なのか
市街化調整区域は市街化を抑える区域で、非線引き区域は都市計画区域のうち市街化区域と調整区域に分けていない区域です。
- 市街化区域市街地として整備を進める区域
- 市街化調整区域市街化を抑える区域。工作物の設置に許可が要る場面が多い
- 非線引き区域都市計画区域だが、線引きをしていない区域
- 都市計画区域外都市計画区域に含まれない区域
蓄電所の扱いはどう違うのか
調整区域では通知により開発許可が要り得て、非線引き区域ではその制限がかかりません。
国土交通省は2025年4月8日の通知で、電気事業の用に供するものに当たらない、危険物を含む蓄電池は第一種特定工作物に該当し得ると示しました。容量や電圧による下限はなく、高圧も49.9kWの低圧も同じ扱いです。発電事業(事業者単位で合計1万kW超)の用に供するものは除外されますが、それ以外は開発審査会の手続きを経る案件になります。詳しくは市街化調整区域に蓄電所は建てられるかで解説しています。
市街化調整区域
- 開発許可の対象になり得る
- 容量による下限がない
- 許可の基準がない自治体も多い
- 運転開始の時期が読みにくい
非線引き区域
- 調整区域の制限がかからない
- 都市計画の手続きが少ない
- 計画の見通しを立てやすい
- 農地や周辺住宅の確認は別に要る
| 観点 | 市街化調整区域 | 非線引き区域 |
|---|---|---|
| 開発許可 | 要り得る(造成なしでも) | 調整区域の制限はかからない |
| 自治体の基準 | 定めていない自治体が多い(神戸市・三田市の公表例) | この点の制約は小さい |
| 除外の条件 | 事業者単位で合計1万kW超の発電事業 | 該当しない |
| 当社の扱い | 低圧は不可、高圧も原則避ける | 候補になり得る |
| 別に確かめる点 | 区域の確認が最優先 | 農地、住宅との距離、浸水想定、系統の空き |
土地を選ぶときはどう確かめるのか
最初に区域を確かめ、調整区域なら事業者の規模と自治体の基準を順に確かめます。
- 市区町村の都市計画担当の窓口や都市計画図で区域を確かめる
- 調整区域なら、申請する事業者が発電事業に当たる規模かを確かめる
- 当たらない場合、その自治体に開発審査会の許可基準があるかを確かめる
- 基準がなければ、調整区域の外の土地に切り替える
非線引き区域が有利になる理由は非線引き区域・都市計画区域外が蓄電所の用地として有利になる理由で整理しています。
よくある誤解は何か
「隣に太陽光発電所があるから蓄電所も建てられる」「非線引きなら何も確認しなくてよい」はどちらも誤解です。
蓄電池は通知で前提が変わったため、太陽光の実績は判断材料になりません。非線引き区域でも、農地なら転用の許可が要り、農振農用地(青地)は原則転用できません。PCSの音があるため、当社は50m以内に住宅や宿泊施設がある土地は扱いません。
まとめ
- 市街化調整区域では蓄電所が開発許可の対象になり得て、許可の基準がない自治体も多くあります。
- 非線引き区域では調整区域の制限がかからず、計画の見通しを立てやすくなります。
- 区域が有利でも、農地、周辺住宅、災害、系統の空きは別に確かめます。
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- 国土交通省「系統用蓄電池の開発許可制度上の取扱いについて」(2025年4月8日 国都計第7号)
- 神戸市・三田市の公表資料
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編」(2026年10月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。