
容量市場で問われるのは4年後に供給力を出せるかどうかで、2MW蓄電所では運転開始の見通しと継続して放電できる時間が評価を左右します。
容量市場はどのような仕組みですか
電力広域的運営推進機関が、4年後に必要な供給力(kW)を年1回のメインオークションで確保する仕組みです。
落札した電源には、対象となる年度の1年分の容量確保契約金が支払われます。需給調整市場が日々の待機に対価を払うのに対し、容量市場は将来の供給力そのものに対価を払います。約定価格はエリアごとに異なり、その読み方は容量市場の約定価格はなぜエリアで違うのかで解説しています。
- 応札2030年度分は2026年10月に受付
- 結果の公表2026年12月頃の予定
- 建設・運転開始実需給年度までに供給できる状態へ
- 実需給年度2030年度。容量確保契約金を受け取る
運転開始の時期はなぜ重要なのですか
応札する時点では未完成でも、実需給年度に供給力を提供できることが前提になるためです。
2MW級は用地確保から運転開始まで18〜24か月程度かかり、系統側の工事次第で延びます。4年先の年度に間に合うかどうかは、接続検討の回答書に書かれた系統側工事の期間と、工事費負担金契約の進み具合で判断します。手続きの段階は運転開始まで18〜24か月の工程表を参照してください。
継続放電時間はどのように効くのですか
蓄電池は継続して放電できる時間に応じて評価され、時間が長いほど供給力として認められる量が大きくなります。
出力2,000kW・容量8,000kWhの構成は、満充電から最大出力で4時間放電できます。同じ2MWでも容量が小さい構成では、評価される供給力が小さくなります。機器の選定と容量の劣化保証(何年で何%)は、容量市場の評価にもつながる項目です。
応札を検討する際に確認しておくことは何ですか
需給調整市場との両立、劣化を見込んだ容量、応札を担う事業者の三点です。
- 容量市場で落札すると、需給ひっ迫時に供給できる状態を保つ義務が加わるため、需給調整市場の運用との配分をアグリゲーターと決めておく
- 電池は充放電で容量が減るため、実需給年度時点で想定する容量で評価を見積もる
- 応札の手続きを誰が行い、未達の場合の負担を誰が負うかを契約で明確にする
なお、30MW以上の大型案件には長期脱炭素電源オークション(参加は3万kW以上)がありますが、2MW級は対象外で、アグリゲーターを通じた市場運用が基本です。
応札しない場合はどのような影響がありますか
容量確保契約金の柱がなくなり、収入は需給調整市場と卸電力市場に依存します。
運転開始が実需給年度に間に合わない見込みであれば、無理に応札せず、翌年以降のオークションを待つ判断もあり得ます。その場合、初期の数年は単価の変動を直接受けることになります。2026年は需給調整市場の上限価格が段階的に下がったため、変動の大きい収入だけに頼らない構成を検討する意味は大きくなっています。応札の可否は、接続の工程とあわせてアグリゲーターと早い段階で協議しておきます。
まとめ
- 容量市場は4年後の供給力を年1回確保する仕組みで、2030年度分は2026年10月に応札、12月頃に結果公表の予定
- 実需給年度に運転できるかは、接続検討の回答と系統側工事の期間で判断する
- 8MWhの4時間分の容量は継続放電時間の評価に効き、劣化を見込んだ容量で見積もる
高圧・特別高圧の案件は、蓄電所の案件と用地でご紹介しています。
出典
- 電力広域的運営推進機関 容量市場メインオークション約定結果(対象実需給年度2029年度)
- 電力広域的運営推進機関 長期脱炭素電源オークション約定結果(2026年5月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。