タンソーマンGX 蓄電所の案件と用地

高圧(2MW級)

需給調整市場と容量市場を組み合わせる、2MW級の収入の重ね方

2MW級の収入の中心は需給調整市場の待機の対価で、そこに容量市場の容量確保契約金と卸電力市場の値差を重ねます。三つの市場は売るものが違うため、同じ設備で並行して収入を得られます。

三つの市場はそれぞれ何を売るのですか

需給調整市場は調整力(ΔkW)、卸電力市場は電力量(kWh)、容量市場は将来の供給力(kW)を売ります。

市場 売るもの お金の出し手と決まり方
需給調整市場 調整力(ΔkW) 一般送配電事業者が前日に調達。単価×出力×約定したコマ数
卸電力市場(JEPX) 電力量(kWh) 安い時間に充電し高い時間に放電する値差
容量市場 供給力(kW) 4年後の供給力を年1回のオークションで確保。落札すると1年分の容量確保契約金
2MW級の収入の重ね方
蓄電所2MW・8MWh
運用の委託収益の配分
アグリゲーター市場ごとに入札
調整力・電力量約定代金
各市場需給調整・JEPX・容量

どの時間にどの市場へ出すかは、アグリゲーターが日々決める。

どの収入が土台になるのですか

高圧2MW級では、需給調整市場の待機の対価が収入の中心です。

約定した時間帯は、実際に放電しなくても待機の対価が支払われます。蓄電池は最も速い一次調整力で強みを持ち、2025年度の一次調整力では蓄電池の月別の平均落札単価が8.82〜13.52円/ΔkW・30分でした。ただし2026年9月から一次調整力などの上限価格は10.00円となり、単価は全エリアで下がっています。

容量市場と卸電力市場はどのように上乗せされるのですか

容量市場は年単位の固定的な収入、卸電力市場は約定しなかった時間を補う収入として重なります。

  • 容量市場:落札すると1年分の容量確保契約金が支払われ、需給調整市場の単価の変動とは別の柱になります。蓄電池は継続して放電できる時間に応じて評価されるため、4時間分の容量を持つ8MWhの構成が評価に効きます。
  • 卸電力市場:太陽光が多い春や秋の昼に充電し、夕方に放電して値差を取ります。需給調整市場で約定しなかったコマの補いになります。

海外の先行市場では、蓄電池が増えて調整力の単価が下がった後、収益の中心が値差へ移りました(海外の先行市場で起きたこと)。複数の市場に出られることは、単価の下振れへの備えにもなります。

重ねるときに確認しておくことは何ですか

同じ出力を二重に売らないための配分方針と、その開示の方法です。

需給調整市場で待機している出力を、同じ時間に卸電力市場で放電に使うことはできません。容量市場で落札した場合は、需給がひっ迫した時に供給できる状態を保つ義務も加わります。配分の考え方は収入源の組み合わせはアグリゲーターが日々決めるで詳しく扱っています。アグリゲーター契約では、手数料の計算基礎(売上か運用益か)と、市場別の収益の報告方法を確認します。

単価が下がった場合、収入の重ね方はどう変わるのですか

需給調整市場の比重が下がり、卸電力市場の値差と容量市場の比重が相対的に高まります。

2026年は需給調整市場の上限価格が段階的に引き下げられ、単価は全エリアで下がりました。上限10円は「最高でも10円」という意味で、その価格で約定するわけではありません。収支の試算では、需給調整市場の単価を複数の水準で置き、そのとき卸電力市場と容量市場の収入がどの程度を補うかを、市場別に分けて示してもらうことが有効です。

まとめ

  • 2MW級の収入の中心は需給調整市場の待機の対価で、容量市場と卸電力市場を重ねる
  • 容量市場は年単位の固定的な収入、卸電力市場は約定しなかった時間の補いとして働く
  • 同じ出力の二重販売を避ける配分方針と市場別の報告を、アグリゲーター契約で確認する

高圧・特別高圧の案件は、蓄電所の案件と用地でご紹介しています。

出典

  • 電力需給調整力取引所(EPRX)「2025年度の取引実績について」(2026年6月)
  • 電力需給調整力取引所(EPRX)「需給調整市場のΔkW上限価格について」(2026年7月)
  • 電力広域的運営推進機関 容量市場メインオークション約定結果(対象実需給年度2029年度)

※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。

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