タンソーマンGX 蓄電所の案件と用地

高圧(2MW級)

容量市場の4年先と毎日の運用、2MW蓄電所の収入を年ごとに組み立てる

2MW蓄電所の収入は、4年先を約束する容量市場と、日々の運用で得る需給調整市場・卸電力市場という、時間軸の違う市場の組み合わせでできています。年ごとの構成を考えるときは、どの年にどの市場の収入が立つかを、運転開始の時期から逆算して並べることが出発点です。

3つの市場は時間軸がどう違いますか?

容量市場は4年後の供給力を年1回決め、需給調整市場は前日に、卸電力市場はさらに直前の時間帯ごとに取引されます。

需給調整市場は、2026年3月14日から一次〜三次①の取引が前日・30分単位に移行しました。卸電力市場(JEPX)のスポット価格は、太陽光が多い昼に下がり夕方に上がるため、その値差で収入を得ます。容量市場は、4年後に必要な供給力を電力広域的運営推進機関が年1回のオークションで確保し、落札すると1年分の容量確保契約金が支払われます。2つの市場の違いの基本は需給調整市場と容量市場を組み合わせるで解説しています。本記事は、年単位の組み立てに絞ります。

年ごとの収入の構成
  • 需給調整市場運転開始の初年から。2MW級の収入の中心
  • 卸電力市場約定しなかった時間の補い。値差で稼ぐ
  • 容量市場落札した実需給年度から。4年先の約束

上ほど早く収入が立つ。容量市場は応札から実需給まで4年空く。

容量市場にはいつ応札すればよいですか?

運転開始の見込みが立った段階で、4年後の実需給年度に間に合うかを確かめて応札を検討します。

2030年度分のオークションは2026年10月に応札を受け付け、結果は12月頃に公表される予定です。蓄電池は継続して放電できる時間に応じて評価されます。運転開始が遅れて実需給年度に供給力を出せない場合の扱いも、応札の前に確かめておく必要があります。応札の要件は容量市場に2MW蓄電所で応札するにはで整理しています。

年ごとの構成はどう変わりますか?

初期は需給調整市場が中心で、容量市場の収入は落札した年度から加わり、調整力の単価の動き次第で卸電力市場の比重が変わります。

時期 収入の構成の考え方
運転開始から容量市場の実需給年度まで 需給調整市場と卸電力市場のみ。容量市場の収入はまだない
容量市場の実需給年度 3つの市場の収入がそろう。容量市場の約束を守る運用が前提
調整力の単価が下がった後 卸電力市場の値差の比重が上がる

海外の先行市場では、蓄電池の設備量が調整力の必要量を超えたところで調整力の単価が下がり、収益の中心が卸電力市場の値差へ移りました。日本でも同じ流れになると見込まれ、単価が高いうちに運転を始めた案件ほど、初期の数年で投資を多く回収できます。

需給調整市場の単価はどう見込めばよいですか?

上限価格ではなく、上限より低い複数の単価で見込むのが基本です。

一次・二次①・複合商品の上限価格は2026年9月1日から10.00円/ΔkW・30分、二次②・三次①は7.21円です。上限は「最高でも」という意味で、その価格で約定するわけではありません。2026年度は、前日取引への移行、募集量の見直し、揚水発電の随意契約、上限価格の引き下げが重なり、単価は全エリアで下がっています。

市場の配分は誰が決めますか?

日々の入札と充放電の計画は、アグリゲーターが市場の状況に応じて最適化します。

投資家が決めるのは、アグリゲーター契約の条件です。手数料の計算基礎、容量市場の約束と需給調整市場の運用が重なったときの優先、充電の電力費やペナルティの負担区分を確かめます。

年ごとの試算で確かめる観点は何ですか?

容量市場の収入が立つ年が正しく置かれているか、単価の下振れが年ごとに反映されているかの2点です。

  1. 容量市場の収入が、運転開始の初年から入っていないか
  2. 需給調整市場の単価が、全期間で同じ水準に置かれていないか
  3. 電池の劣化による出力や容量の変化が、年ごとに反映されているか

運転開始の時期は年ごとの構成にどう影響しますか?

運転開始が遅れるほど、単価が高い時期の需給調整市場の収入が減り、容量市場の約束を守れない危険も増えます。

用地確保から運転開始までは18〜24か月程度が目安で、系統側の工事次第で延びます。年ごとの試算は、運転開始が半年、1年遅れた場合も並べておくと、遅れが収入の構成にどう効くかが見えます。

まとめ

  • 容量市場は4年先の供給力を年1回のオークションで約束し、落札すると1年分の対価が入ります。
  • 需給調整市場と卸電力市場は日々の運用で、配分はアグリゲーターが日々最適化します。
  • 年ごとの構成は、運転開始の時期と調整力の単価の動きで変わるため、複数の組み合わせで試算します。

高圧・特別高圧の案件は、蓄電所の案件と用地でご紹介しています。

出典

  • 電力需給調整力取引所(EPRX)「2025年度の取引実績について」(2026年6月)、「需給調整市場のΔkW上限価格について」(2026年7月)
  • 電力広域的運営推進機関 容量市場メインオークション約定結果
  • 資源エネルギー庁 次世代電力系統ワーキンググループ 資料(2026年)

※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。

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