
需給調整市場のペナルティとは、約定した時間に正しく待機・応動できなかったときに課される負担で、応動が基準を満たさない場合は落札価格の1.5倍がかかります。低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所)では、この負担を誰が負うかを契約で確かめることが大切です。
本記事では、低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所・低圧蓄電池、出力50kW未満・49.9kW級)にかかわるアセスメントとペナルティの仕組みを2026年10月時点で整理します。全体像は低圧の系統用蓄電池 総合ガイドをご覧ください。
アセスメントとは何ですか
アセスメントとは、約定した時間に正しく待機・応動できたかの評価で、満たさないとペナルティがかかります。
需給調整市場で売るのは電力量ではなく、指令に応じて出力を増減できる能力(ΔkW)です。約定した時間帯は、周波数が乱れたらいつでも応じられる状態で待機していることに対価が払われます。そのため、待機や応動ができていなかった場合は対価を満額受け取れず、ペナルティの対象になります。
- 約定前日にコマが決まる
- 待機・応動周波数の変化に10秒以内で応じる
- アセスメント正しく応じたかを評価
- 不適合落札価格の1.5倍のペナルティ
一次調整力の場合。タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月版)より。
どんなときにペナルティが起きやすいですか
機器の故障や通信の停止、充電量の不足で、約定したコマに応じられないときに起きます。
- 蓄電池やPCSの故障で出力できない
- 遠隔監視や通信が止まり、制御や計量ができない
- 充電が足りず、指令どおりに放電できない
通信の役割は遠隔監視と通信が止まると収入も止まるで解説しています。
ペナルティは誰が負担するのですか
負担の区分は契約で決まるため、応動の不適合と、機器・通信の不具合の場合に分けて確かめる必要があります。
| 原因 | 確かめること |
|---|---|
| 入札や制御の判断 | アグリゲーターの責任とされるか |
| 機器の故障 | オーナー負担か、保守契約やメーカー保証で補われるか |
| 通信の不具合 | 通信機器と回線の責任者は誰か |
束ねて入札する低圧蓄電所では、他の設備の不具合が自分の収入に影響するかも確かめておくと安心です。仕組みの詳細はアセスメントとペナルティをご覧ください。
収支ではどう見込めばよいですか
約定率と同じく、ペナルティや停止による減収を見込んだ前提で収支を確かめるのが基本です。
売上は「出力×単価×約定したコマ数」で決まり、停止したコマは売上になりません。約定率を下げた場合の売上は低圧蓄電所の売上試算ツールで確かめられます。
オーナーが日頃からできる備えはありますか
遠隔監視の通知を受け取り、機器や通信の異常を早く把握できる体制を整えておくことが基本の備えです。
オーナーが市場の画面を見る必要はありませんが、保守・監視の委託先と、異常時の連絡と復旧の手順を決めておくと停止の期間を短くできます。保守・監視には定期点検、遠隔監視、通信費、電気主任技術者の外部委託が含まれます。2027年10月以降は、新たに連系する低圧設備のPCSなどにJC-STAR★1が求められる予定のため、通信の安全性も機器選びの観点になります。
まとめ
- アセスメントは約定した時間に正しく待機・応動できたかの評価です。
- 応動が基準を満たさないと、落札価格の1.5倍のペナルティがかかります。
- 機器・通信の不具合を含め、誰が負担するかを契約で確かめます。
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月版)
- 電力需給調整力取引所(EPRX)「2025年度の取引実績について」(2026年6月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。