多くの中小企業や小規模事業者が、電気代の削減や脱炭素化を目的に、太陽光発電設備などの導入を検討しています。二酸化炭素排出抑制対策事業費等の補助金を利用することで、設備の導入費用を軽減できます。
ただし、補助金の対象となる設備や経費、導入事例などの詳細を知りたい事業者も多いでしょう。
本記事では二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の概要や対象、申請の手順、導入事例などについて詳しく解説します。
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金について理解を深めることで、脱炭素化などの取り組みをより推進しやすくなるでしょう。
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の概要
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金に関する目的や対象となる設備・事業などを理解することは重要です。これらを把握することで、補助金が自社にどれだけメリットがあるか、またその活用が可能かを判断しやすくなります。また、他の補助金と比較することも容易になります。
以下では、二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の概要について詳しく見ていきましょう。
太陽光発電設備や蓄電池の導入を支援
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金は、環境省が実施する補助金制度です。ストレージパリティの達成に向け、自家消費型太陽光発電や蓄電池、車載型蓄電池などを導入する事業の経費の一部を補助します。
補助金の上限額は2,500万円であり、事業者は太陽光発電などの導入コストが軽減され、事業促進の判断が容易になります。
補助金の対象は、要件を満たす大企業や中小企業および個人事業主(青色申告者)などです。
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金を活用することで、省エネ化や脱炭素化の促進が加速されるでしょう。
参照:
太陽光発電設備等の価格低減促進事業の対象となる設備
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の対象設備は、以下のとおりです。
- 太陽光発電設備
- 定置用蓄電池
- 車載型蓄電池
- 充放電設備
- 補助対象設備を運用する際に必要な付帯設備
ただし、それぞれ単独での申請はできません(太陽光発電設備のみの申請など)。申請できる補助対象設備の組み合わせは、以下のとおりです。
- 太陽光発電設備+定置用蓄電池
- 太陽光発電設備(+定置用蓄電池)
- (太陽光発電設備)+定置用蓄電池
- 太陽光発電設備+車載型蓄電池+充放電設備
- 太陽光発電設備+車載型蓄電池(+充放電設備)
- 太陽光発電設備+定置用蓄電池+車載型蓄電池+充放電設備
- 太陽光発電設備(+定置用蓄電池)+車載型蓄電池+充放電設備
- 太陽光発電設備+定置用蓄電池+車載型蓄電池(+充放電設備)
- 太陽光発電設備(+定置用蓄電池)+車載型蓄電池(+充放電設備)
※()内は補助対象外として新規導入する場合
太陽光発電設備のみの申請は認められておらず、定置用蓄電池もしくは車載型蓄電池の導入が必要になります。
参照:
対象設備の要件
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の対象となる設備は、要件をすべて満たす必要があります。各設備の主な要件は、以下のとおりです。
対象設備 | 主な要件 |
太陽光発電設備 | 対象施設で自家消費することを目的とし、通常使用するエネルギー量を考慮した適正な規模である |
戸建て住宅を除き、太陽電池出力が 10kW 以上である | |
すべての系統で、過積載率(太陽光パネルのJISなどに基づく公称最大出力の合計値÷パワーコンディショナーの定格出力×100)が 100%以上である | |
戸建て住宅を除き、発電電力を系統に逆潮流しないものである | |
発電電力は対象施設で自家消費する必要があり、余剰電力の売電や自己託送は認められない | |
発電電力量などの計測機器で、CO₂削減量の実績値を正確に把握できる | |
定置用蓄電池 | 蓄電池容量の合理性を説明できる |
蓄電池は据置型(定置型)である | |
導入した太陽光発電設備で発電した電気を蓄電し、充放電を繰り返すことを前提としている | |
停電の際に対象施設で必要な電力を供給できる | |
定置用蓄電池の補助対象経費の「蓄電容量」kWh あたりの金額が定置用蓄電システム普及拡大検討会で毎年度設定される「目標価格」以下である | |
【家庭用の蓄電池】一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)に登録されている製品である | |
実証段階や中古製品でない | |
車載型蓄電池 | 太陽光発電設備および充放電設備と同時に導入する場合で、外部給電可能な電気自動車もしくはプラグインハイブリッド自動車である |
経済産業省「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」の対象車両である | |
中古製品でない | |
充放電設備 | 太陽光発電設備および車載型蓄電池と同時に導入し、太陽光発電設備の発電電力を車載型蓄電池に充電できる |
停電の際に車載型蓄電池から対象施設に必要な電力を供給できる | |
経済産業省「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」の補助対象 V2H 充放電設備である | |
中古製品でない |
参照:一般財団法人環境イノベーション情報機構|公募要領p.10〜16
補助金の対象事業
太陽光発電設備等の価格低減促進事業の補助金の交付対象となる事業は、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 自家消費型の太陽光発電設備を導入する事業
- 定置用蓄電池もしくは車載型蓄電池を導入する事業
- 太陽光発電設備による発電量を敷地内で自家消費すること
- 太陽光発電設備の発電電力を系統に逆潮流しないこと(戸建て住宅を除く)
- 電気事業法(第2条第1項第5号ロ)に規程された接続供給をしないこと
- 停電時に必要な電力供給ができる太陽光発電設備等を選択すること
- 対象設備の法定耐用年数が経過するまでに、
- 共同事業者とPPA事業者もしくはリース事業者との契約で、補助金額の4/5以上が共同事業者に還元や控除されること
- この事業において得られる環境価値のうち、共同事業者に供給した電力量に関連する環境価値を
- 共同事業者に帰属させること
- 申請時に設置場所や補助事業者および関係者などが決まっていること
- 太陽光発電設備等の設置や電力供給、補助事業の実施は、関係法令や基準を遵守すること
- 設備の法定耐用年数が経過するまで、該当事業で取得した温室効果ガス排出削減効果を J-クレジット制度に登録しないこと
- CO₂削減が図れるものであること
- 事業にかかる資金がある、もしくは資金調達ができること
- 事業に必要な体制が構築されていること
参照:一般財団法人環境イノベーション情報機構|公募要領p.6〜
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の上限額
ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業の補助金の上限額は、1申請につき2,500万円です。各設備の基準額は、以下のとおりです。
設備 | 基準額 |
太陽光発電設備 | 定額で4万円/kW※オンサイトPPAモデルまたはリースモデルは5万円/kW※戸建住宅に限り7万円/kW |
定置用蓄電池(業務・産業用) | 定額で5.3万円/kW |
定置用蓄電池(家庭用) | 定額で4.7万円/kW |
車載型蓄電池 | 定額で蓄電容量kWhの1/2に4万円を乗じた金額※上限額は最新のCEV補助金の「銘柄ごとの補助金交付額」 |
例えば、基準額が2000万円の太陽光発電設備と定置用蓄電池を申請する場合、4,000万円の補助を受けることはできません。補助金は最大で2,500万円となります。また、補助金の下限額に関しては規定されていません。
参照:一般財団法人環境イノベーション情報機構|公募要領p.54
対象経費
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金では、次のような経費が補助の対象となります。
- 事業を行うために直接必要で、CO₂の排出削減に直接資する経費
- CO₂の排出削減に直接資する設備の稼働に直接必要で必要最小限度のもの
- 補助対象となる経費で事業が成立する
- 事業実施に必要な設備の費用に加え、設置費用や接続費用なども対象経費となる
このように、事業を実施するために必要な設備の導入費や関連する工事費も補助金の対象になります。
太陽光パネルなどの導入費は経費として計上し、一方で工事費は経費計上せずに申請することは許可されないため、注意が必要です
参照:一般財団法人環境イノベーション情報機構|公募要領p.17〜
補助金の申請手続きと注意点
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金を申請する際は、事前に要件を確認し、契約や支払いは交付決定後に行う必要があります。また、応募期間や必要書類も事前に確認しましょう。申請手続きの流れや注意点を事前に理解することで、補助金の申請をスムーズに進めることが可能です。
以下では、二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の申請手続きや注意点について詳しく見ていきましょう。
設備等の要件を確認
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の申請手続きの流れは、以下のとおりです。
申請手続きの流れ | 内容 |
1.設備等の要件を確認 | 導入予定の設備や事業が補助金の対象となるかどうかを確認します。 |
2.gBizIDアカウントの取得 | 補助金の交付申請に必要な書類は、デジタル庁の「jGrants」を経由して提出する必要があります。また、jGrantsでの提出には、gBizIDアカウントの取得が必要です。gBizIDは法人や個人事業主向けの共通認証システムであり、IDを取得することで複数の行政サービスにアクセスできます。gBizIDにはgBizIDプライム、gBizIDメンバー、gBizIDエントリーの3つのアカウントが用意されています。アカウントの種類や申請方法によっては、アカウント発行までに1〜2週間かかる場合があるため注意が必要です。 |
3.交付申請書の作成・提出 | 公募要領やQ&Aを考慮して、交付申請書を作成し、提出します。 |
4.交付申請書の審査(第一段階) | 交付申請書は審査され、採択または不採択の通知が行われます。審査期間は約2ヶ月程度です。 |
5.交付申請書の審査(第二段階) | 採択条件などを考慮し、再度交付申請書を作成して提出します。採択となったものについて交付申請書の審査が行われ、交付が決定されます。 |
6.事業の実施や支払い | 事業を実施し、設備を発注して検収と支払いを行います。 |
7.完了実績報告の提出 | 事業の完了実績報告書を作成して提出します。完了実績報告書が審査され、必要に応じて現地調査が行われます。 |
8.補助金額の確定、支払い | 審査終了後、補助金額の確定通知が届きます。精算払請求書を作成・提出して受理されると、補助金が交付されます。 |
9.事業報告書の提出 | 環境大臣宛に事業報告書を作成して提出します。 |
gBizIDアカウントを入手し、jGrantsを使用して書類を提出する必要があります。メールやFAXでの書類提出は審査の対象外となるため注意が必要です。
提出した書類の修正や差し替えは認められていませんので、事前にしっかりと確認しましょう。
参照:一般財団法人環境イノベーション情報機構|公募要領p.49〜
契約や支払いは交付決定後
次のような場合は、補助金交付の対象外となりますので注意が必要です。
補助金の対象外 | 理由 |
補助金の交付決定日前に対象設備の発注や契約、支払いを行った場合 | 設備の発注や契約、支払いを行うのは、交付申請書の審査が完了して交付が決定した後となります。 |
太陽光パネルなどの購入費は対象経費として申請し、工事費は対象外経費として申請した場合 | 事業の実施に必要な設備費用だけでなく、設置費用なども対象経費として計上する必要があります。 |
中古製品(使用済み)の製品を補助対象として申請した場合 | 新品の太陽光パネルなどは補助金の対象となりますが、中古製品は補助の対象外です。 |
参照:一般財団法人環境イノベーション情報機構|Q&Ap.42〜
応募期間の確認
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金を希望する場合、事前に応募期間を確認する必要があります。令和4年度および令和5年度の応募期間は、以下のとおりです。
応募期間 | 日程 |
令和4年度補正 一次公募 | 2023年3月31日~2023年4月28日 正午まで |
令和4年度補正 二次公募および令和5年度 一次公募 | 2023年5月15日~2023年6月30日 正午まで |
応募期間は、環境イノベーション情報機構などの補助事業者の公式サイトに掲載されますので、定期的に確認しましょう。
予算額に達した場合は、補助金の公募が実施されない場合があります。
参照:一般財団法人環境イノベーション情報機構|公募のお知らせ
必要書類の準備
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の申請に必要な書類は、以下のとおりです。
- 交付申請書
- 実施計画書
- 経費関係書類
- その他資料(補助事業の実施スケジュールなど)
各必要書類の詳細は、次のとおりです。
交付申請書
交付申請書および添付書類は、以下のとおりです。
必要書類 | 内容 |
交付申請書 | 提出日、補助事業者の住所、法人名(氏名または名称)、代表者の職、氏名などを記入 |
補助事業の実施に関する基礎情報 | 申請の区分を選択し、設備の設置場所や補助金申請をサポートする者の情報を記入 |
名刺のコピー | 補助事業者やサポートを行う者などの名刺のコピーをPDF ファイルにして提出 |
商業登記簿謄本等 | 補助事業者や共同事業者などそれぞれの商業登記簿謄本を提出。発行から6ヶ月以内のもの |
補助対象設備を設置する土地および建物の登記簿謄本等 | 発行から6ヶ月以内のもの |
補助対象設備を設置する土地の地番を確認できる地図 | 赤枠やマーカーで塗るなどして該当する区画や番号をわかりやすく示す |
賃貸借契約書等 | 設備を設置する土地や建物の所有者が共同事業者などではない場合 |
補助対象設備の設置場所についての契約更新等の確約書 | 設備の法定耐用年数が賃貸借契約書等に記載された契約期間に満たない場合 |
設備設置等承諾書 | 土地や建物の所有者と設備の所有者が異なる場合 |
事業者概要 | 定款や財務諸表、会社概要のパンフレットなどを添付 |
暴力団排除に関する誓約事項 | 補助事業者と共同事業者がそれぞれ提出 |
補助事業の実施にあたっての確認事項 | 内容を確認して提出 |
参照:一般財団法人環境イノベーション情報機構|公募要領p.27〜
実施計画書
実施計画書および添付書類は、以下のとおりです。
必要書類 | 内容 |
実施計画書 | 実施計画書に従った事業が実施されない場合、補助金が交付されないことがある |
導入量算出表 | 太陽光発電設備などの規模の妥当性を示す。施設の1週間・1年間の稼働日数や年間消費電力量・電気料金、初年度の年間推定発電量などの根拠資料が必要。 |
太陽光発電設備・蓄電池 系統別リスト | 導入する「太陽光パネルの公称最大出力」「パワーコンディショナーの定格出力」「蓄電容量」を系統ごとに記入 |
単線結線図、各階配線図 | 太陽光パネルの出力とパワーコンディショナーの定格出力が明記された単線結線図を提出 |
CO₂削減量等計算表 | 太陽光発電設備が稼働した後、確実に達成できるCO₂削減量の見込みを算定する |
ランニングコスト削減額計算表 | 設備を導入することで、共同事業者のランニングコストがどのように変化するかを示す |
参照:一般財団法人環境イノベーション情報機構|公募要領p.32〜
経費関係書類
経費関係書類および添付書類は、以下のとおりです。
必要書類 | 内容 |
経費内訳表 | 設備の発注に必要な経費の内訳を示す |
見積書 | 経費内訳表の根拠となる見積書を提出 |
補助事業にかかる消費税等の仕入税額控除チェックリスト | 仕入税額控除チェックリストはデフォルトから変更しない |
資金計画書 | 補助事業者が経費の支払いに必要な資金があること、もしくは資金調達できることを示す |
参照:一般財団法人環境イノベーション情報機構|公募要領p.36〜
その他資料
その他の資料として必要なものは、以下のとおりです。
必要書類 | 内容 |
補助事業の実施スケジュール | 公募要領で定められた期間内に事業が完了することを示す |
補助事業の実施体制表 | 事業で発生する契約や資金の流れ、太陽光発電設備の使用者などを図解する。発注や契約の全体像、詳細がわかるように作成する |
契約関係資料 | 「オンサイトPPAモデル」や「リースモデル」の場合に必要 |
共同事業者への補助金の還元、控除方法 | 「オンサイトPPAモデル」や「リースモデル」の場合に必要。補助金の還元や控除方法の妥当性を示す |
対象施設の地図 | 対象となる施設の地図を提出 ※グーグルマップなどで可能 |
対象施設の外観写真 | 対象となる施設の外観写真を6〜10枚程度提出 |
補助対象設備の設置場所の写真・図面 | 導入する太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの設置場所を確認できる写真や図面を提出 |
導入機器の仕様書 | 太陽光パネルやパワーコンディショナー、計測機器など導入する設備の仕様書を提出 |
その他 | 【対象施設が公共施設の場合】地方公共団体が実施した一般入札や指名入札、公募型プロポーザル方式などで選ばれたことが確認できる書類を添付する |
参照:一般財団法人環境イノベーション情報機構|公募要領p.41〜
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の活用事例
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の活用事例を理解することで、補助金の具体的な活用イメージが得られます。
以下ではオンサイトPPAモデルやリースモデル、自己所有による導入事例について紹介します。
オンサイトPPAモデルによる導入事例
オンサイトPPAモデルにおける主な導入事例は、以下のとおりです。
業界・業種 | 内容 | 期待・効果 |
公共施設(京都府福知山市) | ゼロカーボンシティを宣言し、2030年までに公共施設のCO₂排出量を40%削減する目標を設定。 エネルギーを地産地消し、再エネ普及拡大や経済の域内循環を促進し、持続可能な地域社会の実現を目指す。 | CO₂排出量の削減エネルギー価格の変動リスクを軽減災害時にも多目的室やトイレなどの電力を確保住民への還元・地域経済の活性化 |
製造・販売 | カーボンニュートラルの実現に向けて、CO₂排出量の削減や廃棄物リサイクルの削減などの取り組みを積極的に実施。補助金を活用して、工場の新棟に太陽光発電設備を導入。太陽光パネルは出力217.28kW、PCS定格出力154.95kW。初年度のCO₂削減量113t-CO₂/年。 | 発電電力の自家消費によるCO₂排出量の削減災害時における必要電力の確保太陽光パネルの遮熱効果によるCO₂排出量の削減 |
小売 | 環境問題への対処と社会課題解決のため、CO₂排出量の削減目標を設定。また、災害時においても地域住民の生活を守ることを目的として、店舗の屋根に太陽光パネルを設置。定置用蓄電池や特定負荷設備も導入。太陽光パネルは出力376.2kW、PCS定格出力250kW、定置用蓄電池の蓄電容量は136kWh。総事業費は64,200,000円。平均の年間CO₂削減量119.30t-CO₂/年。 | CO₂排出量の削減省エネ・再生可能エネルギーの利用拡大災害時における必要電力の確保 |
製造 | カーボンニュートラルの実現に向け自社で2030年までにCO₂排出量を実質ゼロにするという目標を設定。補助金を活用し、太陽光パネルやパワーコンディショナー 、定置用蓄電池を導入。太陽光パネルは出力996.75kW、PCS定格出力811.00kW、定置用蓄電池の蓄電容量は22.4kWh。総事業費は145,000,000円。平均の年間CO₂削減量376.09t-CO₂/年。 | CO₂排出量の削減省エネ・再生可能エネルギーの利用拡大 |
小売 | 脱炭素化を目指す企業や教育機関に対して、脱炭素ソリューションを提供。カーボンニュートラルの実現を目指し、温室効果ガスの削減とレジリエンスの向上を目標としている。また、太陽光パネルや蓄電池の設置によりCO₂削減や非常時への対応が可能となる。補助金により太陽光パネルや定置用蓄電池、特定負荷切替盤、非常用コンセントを導入。太陽光パネルは出力389.95kW、PCS定格出力304.95kW、定置用蓄電池の蓄電容量は15kWh。総事業費は49,462,000円。平均の年間CO₂削減量94.09t-CO₂/年。 | CO₂排出量の削減地域のライフラインとしての非常時での対応 |
参照:
一般財団法人環境イノベーション情報機構|再生可能エネルギー 民間施設の事例
リースモデルによる導入事例
リースモデルにおける主な導入事例は、以下のとおりです。
業界・業種 | 内容 | 期待・効果 |
製造 | 温室効果ガスの削減を目指し、太陽光パネルや定置用蓄電池、特定負荷設備を導入。日中の発電電力の余剰を蓄電池に充電し、必要に応じて放電。自家消費を促進し再エネ比率を向上させ、同時に災害時や停電時においても安定した電力供給を確保。太陽光パネルは出力931kW、PCS定格出力700kW、定置用蓄電池の蓄電容量は750kWh。総事業費は240,300,000円。平均の年間CO₂削減量310.84t-CO₂/年。 | CO₂排出量の削減停電時における事業継続性の向上 |
農業 | 24時間365日稼働のため多くの電力を消費していることもあり、補助金を活用して太陽光発電設備と大型蓄電池を導入。再生可能エネルギーを自給自足できる体制を目指す。太陽光パネルは出力1,620kW、PCS定格出力1,360kW、定置用蓄電池の初期蓄電容量は400kW NAS電池/2,400kWh。総事業費は430,000,000円。平均の年間CO₂削減量637.07t-CO₂/年。 | CO₂排出量の削減再生可能エネルギーを自給自足やカーボンニュートラルに関して農業畜産分野において先導する役目を果たす災害時には防災拠点として開放 |
製造 | カーボンニュートラルの実現に向け取り組んでおり、太陽光パネルや定置用蓄電池を導入。これにより、企業における環境対策推進の加速化に寄与。発電電力の自家消費はもちろんのこと、蓄電池を活用し、停電時の電力供給によりレジリエンスを強化。太陽光パネルは出力212.04kW、PCS定格出力204.40kW、蓄電容量は27kWh。総事業費は34,219,000円。平均の年間CO₂削減量85.95t-CO₂/年。 | CO₂排出量の削減停電時における事業継続性の向上 |
参照:一般財団法人環境イノベーション情報機構|再生可能エネルギー 民間施設の事例
自己所有による導入事例
自己所有における主な導入事例は、以下のとおりです。
業界・業種 | 内容 | 期待・効果 |
医療 | 補助金を活用して太陽光パネルやパワーコンディショナー・トランスなどを導入。温室効果ガスの排出量を抑制し、災害時への備えとしてレジリエンス強化を行う。これにより、脱炭素化やカーボンニュートラルの実現に貢献。太陽光パネルは出力182.16kW、PCS定格出力148.5kW、蓄電容量は159.0kWh。総事業費は48,400,000円。平均の年間CO₂削減量57.53t-CO₂/年。 | CO₂排出量の削減停電時における事業継続性の向上 |
観光 | ホテルの屋根の上に太陽光パネルを設置し、停電時にも稼働できる定置用蓄電池 も導入。発電した電力を自家消費し、使いきれなかった電力は蓄電池に充電。二酸化炭素排出量を抑制し、電気代などのコストも軽減。太陽光パネルは出力180.4kW、PCS定格出力99.0kW、蓄電容量は318.0kWh。総事業費は58,343,600円。平均の年間CO₂削減量66.75t-CO₂/年。 | CO₂排出量の削減停電時にも全客室の稼働が可能 |
製造 | 工場に太陽光パネルや定置用蓄電池を導入して、発電した電力は自家消費し、二酸化炭素の排出量を削減。また、需要が高い時間帯のデマンド対策や停電時の事業継続性の向上を実現。太陽光パネルは出力242.88kW、PCS定格出力198.0kW、蓄電容量は159.0kWh。総事業費は56,363,637円。平均の年間CO₂削減量83.75t-CO₂/年。 | CO₂排出量の削減需要が高い時間帯のデマンド対策や停電時の事業継続性の向上 |
参照:一般財団法人環境イノベーション情報機構|再生可能エネルギー 民間施設の事例
よくある質問
太陽光発電設備等の価格低減促進事業補助金に関して、よくある質問は以下のとおりです。
太陽光発電設備等の価格低減促進事業補助金の上限はいくらですか?
太陽光発電設備等の価格低減促進事業補助金の上限額は、1申請あたり2,500万円です。各設備の基準額は、以下のとおりです。
設備 | 基準額 |
太陽光発電設備 | 定額で4万円/kW※オンサイトPPAモデルまたはリースモデルは5万円/kW※戸建住宅に限り7万円/kW |
定置用蓄電池(業務・産業用) | 定額で5.3万円/kW |
定置用蓄電池(家庭用) | 定額で4.7万円/kW |
車載型蓄電池 | 定額で蓄電容量kWhの1/2に4万円を乗じた金額※上限額は最新のCEV補助金の「銘柄ごとの補助金交付額」 |
参照:一般財団法人環境イノベーション情報機構|公募要領p.54
補助金の対象設備は何ですか?
太陽光発電設備等の価格低減促進事業補助金の対象設備は、以下のとおりです。
- 太陽光発電設備
- 定置用蓄電池
- 車載型蓄電池
- 充放電設備
- 補助対象設備を運用する際に必要な付帯設備
ただし、それぞれ単独での申請はできないため注意が必要です。
参照:一般財団法人環境イノベーション情報機構|公募要領p.10〜
太陽光発電のみの申請は可能ですか?
太陽光発電設備のみの導入で補助金を申請することはできません。「太陽光発電設備+定置用蓄電池」など、太陽光発電設備に加えて定置用蓄電池もしくは車載型蓄電池の導入が必要になります。
参照:
まとめ
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金を利用することで、太陽光発電設備や蓄電池の導入費用が軽減されます。また、停電時における事業継続性の向上にもつながります。CO₂排出量の削減や脱炭素化の取り組みを促進しやすくなるでしょう。
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の応募期間は、公式サイトで公開されます。そのため、補助金の活用を検討している場合は、公式サイトを定期的に確認するようにしましょう。
ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業に関する重要用語
項目 | 説明 |
ストレージパリティ | 太陽光発電設備の導入にあたって、蓄電池を導入しないより、蓄電池を導入したほうが経済的メリットがある状態のことです。 参照:一般社団法人環境イノベーション情報機構|ストレージパリティ |
オンサイトPPAモデル | 事業者が共同事業者の敷地内に太陽光発電設備を設置し、発電した電力を共同事業者に供給する仕組みです。第三者所有モデルとも呼ばれます。 |
カーボンニュートラル | カーボンニュートラルとは、全体として温室効果ガスの排出をゼロにする概念です。排出された温室効果ガスの量から吸収された量を差し引いて均衡させ、実質的なゼロを達成することを目指します。政府は2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目標に掲げています。 参照:環境省|脱炭素ポータル |
著者のプロフィール
- 株式会社タンソーマンGXのメディア編集長です!日々、脱炭素に関わる情報を発信しています♪