SBTの概要
SBT(Science Based Targets)は、企業が科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標を設定する取り組みです。この取り組みは、パリ協定の目標に沿って、地球の気温上昇を産業革命前と比べて1.5℃に抑えるために必要な削減レベルを達成することを目指しています。SBTは国際的なイニシアチブであるSBTi(Science Based Targets initiative)によって運営されています。
SBTの認定方法
SBT認定を取得するには、以下の手順が必要です:
- コミットメント: 企業がSBTiに対して2年以内に目標を設定することを約束します。
- 目標設定: 温室効果ガス排出量の現状分析を行い、削減目標を設定します。
- 目標提出と承認: 設定した目標をSBTiに提出し、承認を受けます。
- 目標公表とモニタリング: 承認された目標を公表し、定期的に進捗をモニタリングし、報告します。
最新の企業事例
帝人株式会社
帝人は2021年12月に国内化学会社として初めてSBT認定を取得しました。帝人は2050年までにCO2排出量を実質ゼロにすることを目指しており、再生可能エネルギーの推進や省エネの強化を進めています (NET ZERO NOW)。
花王株式会社
花王は2019年7月にSBT認定を取得しました。2030年までにCO2排出量を22%削減することを目標に掲げ、ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」を策定し、実行しています (NET ZERO NOW)。
アステラス製薬株式会社
アステラス製薬は2018年11月にSBT認定を取得し、2015年比で温室効果ガス排出量を30%、売上当たりの排出量を20%削減することを目標にしています (NET ZERO NOW)。
YKK AP株式会社
YKK APは2021年2月にSBT認定を取得し、2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減する目標を掲げています。同社は再生可能エネルギーの利用を拡大し、省エネ対策を強化しています (NET ZERO NOW)。
日立建機株式会社
日立建機は2019年5月にSBT認定を取得し、2030年までに水使用量を36.8%削減し、再資源化率を83.3%に達成することを目標にしています (エバーグリーン・マーケティング、エバーグリーン・リテイリング)。
中小企業にもおすすめ!
SBTは大企業だけでなく、中小企業にとっても非常に有益な取り組みです。以下に中小企業がSBT認定を目指すべき理由を挙げます:
- 信頼性の向上: SBT認定を取得することで、顧客や取引先からの信頼が向上し、新たなビジネスチャンスを得ることができます。
- コスト削減: エネルギー効率の向上や省エネ対策を進めることで、長期的にコスト削減が可能となります。
- 投資家の関心: 環境対策を積極的に行う企業は、ESG投資家からの注目を集めやすくなり、資金調達がスムーズになる可能性があります (リクロマ株式会社)。
- レジリエンスの強化: 環境規制の強化に対する準備ができ、将来的なリスクに対するレジリエンスが高まります (リクロマ株式会社)。
- 持続可能な成長: 環境に配慮した経営は、長期的な成長と競争力の維持に貢献します。
中小企業は、SBTiが提供する簡便な申請プロセスを活用し、専門的な支援を受けながら目標設定と認定を目指すことができます (リクロマ株式会社) (エバーグリーン・マーケティング、エバーグリーン・リテイリング)。
まとめ:SBT認定の重要性
SBT認定を取得することで、企業は気候変動対策に積極的に取り組んでいることを証明し、投資家や顧客、サプライチェーンのパートナーからの信頼を高めることができます。また、持続可能なビジネスモデルを構築し、環境への影響を最小限に抑えることができます。SBT認定の取得を目指し、温室効果ガス排出削減に貢献しましょう。
【参考資料】
- リクロマ株式会社「SBT認定企業事例」 (リクロマ株式会社)
- EGM「日本企業のSBT取り組み事例」 (エバーグリーン・マーケティング、エバーグリーン・リテイリング)
- NET ZERO NOW「SBT認定企業の事例」 (NET ZERO NOW)
著者のプロフィール
- 株式会社タンソーマンGXのメディア編集長です!日々、脱炭素に関わる情報を発信しています♪