タンソーマンGX 蓄電所の案件と用地

高圧・低圧 共通

太陽光の隣に蓄電池を置く併設型と、単独の蓄電所の違い

太陽光の隣に置く併設型の蓄電池は、発電した電気を時間をずらして流すための設備です。単独の蓄電所は系統から充電し、主に需給調整市場で調整力を売る設備で、収入源も接続の審査のされ方も異なります。

併設型と単独型は、何が根本的に違うのですか?

電気をどこから受けて何を売るかが違います。

併設型の蓄電池は、隣の太陽光が昼に発電した電気をためて、夕方などに系統へ流す使い方が中心です。収入の土台は太陽光の発電であり、蓄電池はその価値を高める補助の役割を担います。

単独の蓄電所(系統用蓄電池)は、家庭や工場の中ではなく、電力網に単独でつながる蓄電池です。自前で電気を使うことはなく、電力網に対して充電と放電の働きを提供し、その対価を受け取ります。売るものの中心は電力量ではなく、周波数を保つための調整力(ΔkW)です。

2つの型のお金とモノの流れ
電力網系統から充電
充電の電気電力費
単独の蓄電所待機して応動
調整力(ΔkW)待機の対価
送配電事業者需給調整市場で調達

併設型は左端が「隣の太陽光」に替わり、ためた電気を時間をずらして流すことが中心になります。単独型ではアグリゲーターが束ねて入札します。

収入源はどう違いますか?

併設型は発電した電気の価値を上げることが中心で、単独型は需給調整市場の待機の対価が中心です。

項目 併設型 単独の蓄電所
電気の入り口 主に隣の太陽光 系統(電力網)
主な役割 発電の時間ずらし 調整力の提供と、昼夜の値差
収入の中心 太陽光の売電収入の上積み 需給調整市場(ΔkW)
運用の担い手 発電事業者の計画による アグリゲーターが入札と制御を担う

単独の蓄電所では、需給調整市場で約定しなかった時間に、卸電力市場(JEPX)の昼夜の値差を取る運用が補いになります。値差の仕組みは卸電力市場で収入を得る仕組みをご覧ください。

接続の審査では、どこが違いますか?

単独の蓄電所は、放電だけでなく系統からの充電も審査されます。

系統用蓄電池の接続では、電気を系統に流す側(放電)と、系統から電気を受ける側(充電)が別々に確かめられます。充電側は系統から見ると需要として扱われるため、放電側に空きがあっても充電側の条件で計画が止まることがあります。低圧でも、配電線や柱上変圧器に余裕がなければ連系できず、充電も審査されます。

2026年5月15日には、東京電力パワーグリッドが低圧の技術協議の依頼票に「系統からの充電の有無」「系統への放電の有無」の欄を追加しました。単独の蓄電所かどうかは、申込みの段階から区別して扱われています。充電側の扱いは充電側の接続条件の解説で整理しています。

太陽光をお持ちの方は、どちらを検討の入口にすればよいですか?

目的が既存の発電所の価値を高めることか、新しい収入源を持つことかで分かれます。

既存の太陽光の出力抑制や夕方の売電を補いたいのであれば、併設型の検討になります。一方、太陽光とは別の収入源として調整力を売る事業を持ちたいのであれば、単独の蓄電所の検討になります。単独の蓄電所は、太陽光の発電量に左右されない代わりに、市場の単価と約定率に左右されます。

判断の観点としては、次の点を確かめておくと比較しやすくなります。

  • 収入の見込みが、太陽光の売電の上積みか、市場の入札による収入か
  • 充電の電気をどこから受けるか。系統からの充電の条件が確認されているか
  • 運用を誰が担うか。アグリゲーターとの契約が前提になっているか
  • 土地の条件。単独の低圧蓄電所は約40〜150㎡、高圧2MW級は約1,000㎡以上が目安

具体的には、どのような場面で違いが表れますか?

天候が悪い日と、需給調整市場の単価が下がった時期に違いが表れます。

雨の日が続くと、併設型は隣の太陽光の発電が減るため、蓄電池にためる電気も減ります。単独の蓄電所は系統から充電するため、天候の影響を直接は受けません。反対に、需給調整市場の単価が下がる局面では、単独の蓄電所の収入は直接影響を受けますが、併設型の収入の土台である太陽光の売電は、その影響を同じ形では受けません。何に左右される事業かを先に把握しておくと、収支の試算で確かめるべき前提が見えてきます。

また、単独の蓄電所の売上は、アグリゲーター手数料、充電の電力費、保守・監視、保険、固定資産税などを差し引いた後で評価します。併設型と単独型を比べる際も、費用の項目をそろえて並べることが大切です。

まとめ

  • 併設型は太陽光の電気の時間をずらす設備で、単独の蓄電所は系統から充電して調整力を売る設備です。
  • 単独の蓄電所の収入の中心は需給調整市場の待機の対価で、卸電力市場の値差は補いです。
  • 単独の蓄電所は充電側も審査されるため、系統からの充電の条件を早い段階で確かめます。

高圧・特別高圧の案件は、蓄電所の案件と用地でご紹介しています。

出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。

出典

  • タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック2026 高圧編」
  • タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック2026 低圧編」

※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。

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