タンソーマンGX 蓄電所の案件と用地

高圧(2MW級)

長期脱炭素電源オークションと蓄電所、応札の考え方

長期脱炭素電源オークションは、蓄電池を含む脱炭素電源の固定費を長期にわたって回収できる仕組みです。参加は3万kW以上の大型案件に限られるため、2MW級の高圧蓄電所はアグリゲーターを通じた市場運用が基本になります。

長期脱炭素電源オークションとはどのような仕組みですか?

脱炭素電源の新設などに対し、固定費を長い期間にわたって回収できる収入を約束する仕組みです。

容量市場のメインオークションが4年後の1年分の供給力を確保するのに対し、長期脱炭素電源オークションは、長期間の固定費の回収を見込めるようにして大規模な投資を後押しします。基本の解説は長期脱炭素電源オークションとはにまとめています。

長期脱炭素電源オークションのお金の流れ
大型蓄電所3万kW以上
長期の供給力固定費の回収
電力広域的運営推進機関オークションを運営
他市場の収入一定割合を還付
市場卸・需給調整など

固定費の回収が約束される代わりに、他の市場で得た収入の一部を還付する考え方です。

他の市場で得た収入はどう扱われますか?

固定費の回収を受ける代わりに、他の市場で得た収入の一部を還付する仕組みになっています。

長期の収入が約束される一方で、卸電力市場や需給調整市場で大きな収入を得ても、その一部は戻すことになります。収入の振れ幅を小さくする代わりに、上振れの取り分も小さくなる仕組みと考えると理解しやすくなります。応札を検討する事業者は、市場で運用した場合の見込みと、固定費の回収を受けた場合の見込みを比べて判断します。

応札するとき何を比べますか?

約束される固定費の回収と、市場運用で見込める収入の振れ幅を比べます。

  • 長期の収入の確実性を優先するか、市場の上振れを取りにいくか
  • 融資を受けるうえで、長期の固定的な収入がどれだけ評価されるか
  • 運転開始の期限や、継続して放電できる時間などの要件を満たせるか

需給調整市場の単価は、制度と参加者の数で決まり、2026年度は全エリアで下がっています。市場の単価が下がる局面では、長期の固定的な収入の意味が大きくなります。

2MW級の高圧蓄電所はなぜ対象外ですか?

参加できる規模が3万kW以上と定められているためです。

出力2,000kW・容量8,000kWh級の高圧蓄電所は、この要件に届きません。30MW以上の大型案件には、20年固定料金のトーリング契約という選択肢もありますが、2MW級ではアグリゲーターに入札と制御を委託し、需給調整市場、卸電力市場、容量市場で運用するのが基本です。大型案件との違いはトーリング契約と長期脱炭素電源オークションの対象で整理しています。

項目 大型案件(3万kW以上) 2MW級の高圧蓄電所
長期脱炭素電源オークション 参加できる 対象外
トーリング契約 30MW以上で選択肢になる 一般的でない
収入の中心 固定費の回収と市場収入 需給調整市場が中心
収入の振れ幅 小さくできる 市場の単価に左右される

2MW級の投資家はこの制度をどう捉えればよいですか?

自らが応札する制度ではなく、大型の蓄電池が増える流れを示す制度として捉えます。

大型の蓄電所が長期の収入を得て運転を始めると、調整力の供給が増え、需給調整市場の単価に影響します。2MW級の収支は、単価が何円まで下がっても成り立つかで確かめておくことが大切です。

2MW級の収支を考えるうえで、何を参考にすればよいですか?

長期の固定的な収入がない前提で、単価の下振れに耐えられるかを確認することです。

2MW級では、収入の中心は需給調整市場で、卸電力市場の値差と容量市場の収入がそれを補います。長期脱炭素電源オークションのような長期の収入の約束がないため、単価を2割、3割下げても回収できるかを確かめます。売り手の試算が1本だけであれば、複数の単価で試算するよう求めます。融資を受ける場合も、金融機関は単価の下振れへの強さを確認するため、複数の試算を用意しておくと説明しやすくなります。容量市場の収入を重ねる考え方も、あわせて確認しておきます。

なお、大型案件の動向は、2MW級の案件の売却の場面にも関係します。大型の蓄電所が増えて単価の見通しが変わると、運転中の案件を評価する際の前提も変わるため、制度の結果の公表は継続して確認しておくことが大切です。

まとめ

  • 長期脱炭素電源オークションは、固定費を長期で回収できる代わりに他市場収入の一部を還付する仕組み
  • 参加は3万kW以上で、2MW級の高圧蓄電所は対象外
  • 2MW級は市場運用が基本で、大型案件の増加は単価の前提に影響する

出典

  • 系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編(株式会社タンソーマンGX、2026年10月)
  • 電力広域的運営推進機関 長期脱炭素電源オークションの公表資料

高圧・特別高圧の案件は、蓄電所の案件と用地でご紹介しています。

※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。

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