タンソーマンGX 蓄電所の案件と用地

高圧(2MW級)

上位系統の空きがゼロの県と残る県、東電エリアでの違い

2026年9月の一覧では、茨城県と千葉県は上位系まで考慮した空きのある変電所が0か所で、東京都多摩・静岡県東部・山梨県は半数以上に空きがあります。この違いは、高圧の蓄電所で制御を前提にするか否かという計画の出発点を分けます。

上位系の空きがゼロとはどのような状態ですか?

配電用変電所そのものには余裕があっても、その上につながる送電線や変電所に受け入れの余地がない状態です。

東京電力パワーグリッドの一覧では、配電用変電所ごとに「当該設備」と「上位系等考慮」の二つの空容量が示されます。茨城県は117か所中74か所、千葉県は167か所中124か所で当該設備に空きがありますが、上位系等考慮の空きはどちらも0か所です。平常時出力制御の可能性も、両県のすべての変電所で「有り」とされています。

上位系の空きがゼロの県と残る県

ゼロの県

  • 茨城県:0/117か所
  • 千葉県:0/167か所
  • 全変電所で出力制御の可能性有り
  • ノンファーム型が前提

残る地域

  • 東京都多摩:71/97か所
  • 静岡県東部:39/67か所
  • 山梨県:31/61か所
  • 変電所ごとに空きを確かめる

東京電力パワーグリッド 系統の予想潮流等に関する情報(2026年9月2日更新)から集計。

なぜ同じエリアで県ごとに差が出るのですか?

配電用変電所が属する上位の系統が地域ごとに異なり、その系統の混雑の度合いが違うためです。

一覧には、各変電所がつながる上位系設備の欄があります。各地域の集計からは、制約となっている設備の種類にも違いが読み取れます。神奈川県では基幹系統の特定の設備が共通の制約になっており、多摩でも空きが0の変電所には基幹系統の275kV設備が共通して挙がっています。山梨県では県内の154kV・66kVの地域系統が、静岡県東部では富士川以東の特定の66kV設備が制約になっている例が目立ちます。

茨城県と千葉県は、上位の混雑が県全体に及んでいると読めます。一方、空きが残る地域でも、空きがない変電所は特定の上位設備に偏って存在します。県単位の割合だけでなく、どの上位系につながるかが判断の単位になります。

ゼロの県で高圧の蓄電所を計画するとどうなるのですか?

混雑時に出力が制御される前提のノンファーム型での接続になりえるため、その影響を事業計画に織り込めるかが判断の分かれ目になります。

蓄電所は充電と放電の両方で系統を使います。放電側はノンファーム型で接続できる場合がありますが、充電側は需要として容量の確保が必要になります。ゼロの県で検討を進める場合は、次の点を事前相談で確かめます。

  • 混雑による制御が起きやすい時間帯と、蓄電所が充放電したい時間帯の重なり
  • 充電側の容量を確保するための条件と工事の有無
  • 当該設備の空きが0の変電所を候補から外したうえでの、残る候補の数
  • 空きがあっても必要になりうるバンク逆潮流対策と工事費負担金

ノンファーム型接続の考え方はノンファーム型接続とはで解説しています。

空きが残る地域では何を優先して確かめるのですか?

上位系の空きの大きさと、同じ変電所に申込みが集まる速さを優先して確かめます。

高圧の規模では、上位系等考慮の空きが10MW以上ある変電所の数が目安になります。多摩では66か所、静岡県東部では23か所、山梨県では8か所でした。山梨県は割合こそ51%ですが、変圧器が1台の小規模な変電所では空きの値が小さく、少数の申込みで埋まることがあります。割合と規模の両方を比べることが大切です。

また、空きが残る地域は土地の条件が厳しい場合があります。多摩は住宅地に近い場所が多く、山梨県や静岡県東部では山間部の搬入路、土砂災害、積雪、沿岸部の浸水を確かめる必要があります。系統の条件が良くても、土地の条件で候補から外れることは珍しくありません。

県単位の比較はどこまで信頼できるのですか?

探す範囲の見当をつける材料としては有効ですが、個別の可否は判断できません。

空容量は月1回更新される目安で、今回の公開は前年度の大型連休期間の実績をもとにした暫定的な算定です。空きがないことを理由に事前相談や接続検討の受付が制限されるわけではなく、ゼロの県でも相談は可能です。正確な可否と費用は、事前相談と接続検討で確かめます。手順は事前相談とは何かで整理しています。

具体的な場面として、千葉県で土地の提案を受けた場合は、まず当該設備の空きの有無で候補を残すかを決め、残った場合は制御を前提にした収入の見込みを試算に反映できるかを確かめます。多摩で提案を受けた場合は、その変電所が空きの0の26か所に含まれないかを最初に照合します。

まとめ

  • 茨城県と千葉県は上位系等考慮の空きが0か所で、高圧の蓄電所はノンファーム型を前提にした検討になります。
  • 東京都多摩・静岡県東部・山梨県は空きが残りますが、制約となる上位設備は地域ごとに異なり、変電所単位で確かめます。
  • 空きが残る地域でも規模と土地の条件を比べ、可否と費用は事前相談と接続検討で確かめます。

出典

  • 東京電力パワーグリッド 系統の予想潮流等に関する情報(2026年9月2日更新)
  • 東京電力パワーグリッド 系統の予想潮流等に関する情報の利用における留意点

※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。

高圧・特別高圧の案件は、蓄電所の案件と用地でご紹介しています。

コラムの一覧へ→