
低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所)のアグリゲーターは、そのエリアで1MWの束ねがすでに成立しているか、成立の見込みがあるかを最初に確かめて選びます。届出のある事業者は172社(2026年9月時点)ですが、低圧の蓄電池を実際に受託しているのはその一部です。
低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所・低圧蓄電池、出力50kW未満・49.9kW級)は1基では入札できません。本記事では、アグリゲーターを選ぶときの確認点を順に整理します。全体像は低圧の系統用蓄電池 総合ガイドをご覧ください。
なぜアグリゲーターが必要なのですか
需給調整市場の最低入札量は1MW(1,000kW)で、49.9kWの蓄電池は束ねて初めて入札できるためです。
同じエリアで21基以上、または他の設備と合わせて束ねる必要があります。この束ねと入札、計量、精算を担うのがアグリゲーター(特定卸供給事業者)です。役割の基本はアグリゲーターとはで解説しています。
選ぶときは何から確かめればよいですか
最初に確かめるのは、そのエリアで低圧の蓄電池を受託し、1MWの束ねが成立する見込みがあるかです。
- 低圧の受託実績低圧の蓄電池を実際に受託しているか
- エリアの束ね1MWの束ねが成立済みか見込みがあるか
- 機器との連携EMSが運用システムと連携済みか
- 契約条件手数料の基礎・期間・解約・ペナルティ
- 開示入札方針と実績の報告
契約条件では何を比べればよいですか
手数料の計算の基礎、初期費用、契約期間と解約、ペナルティの負担、入金の時期を比べます。
| 項目 | 確かめる内容 |
|---|---|
| 手数料 | 収益の10%前後が多い。基礎が「売上」か「運用益」か |
| 初期費用 | EMSが運用システムと連携済みかで大きく変わることがある |
| 期間と解約 | 最低期間、自動更新、違約金。後から変更できるか |
| ペナルティ | 応動の不適合(落札価格の1.5倍)を誰が負うか |
| 入金の時期 | 運用月から入金まで数か月かかるのが一般的 |
手数料の見方はアグリゲーター手数料の見方で詳しく扱っています。
アグリゲーター契約は誰が結ぶのですか
アグリゲーター契約は、設備の所有者が自分の名義で結ぶのが一般的です。
販売会社が代わりに結ぶわけではないため、購入前に社名と条件を書面で確かめてください。社名が示されていない案件は、束ねの見込みを確かめられません。手数料を差し引いた後の売上の目安は低圧蓄電所の売上試算ツールで確かめられます。
エリアによって選び方は変わりますか
変わります。束ねは同じエリアの中で行うため、エリアごとに受託できるアグリゲーターが異なります。
2025年度、一次調整力は北海道・中国・四国を除くエリアで募集量に対して4〜9割以上の調達不足で、東京エリアは不足が最も大きく、平均単価も通年で全国平均を上回りました(EPRX 2025年度取引実績)。需要の大きいエリアでも、束ねる基数が足りなければ入札できません。区画のエリアで、すでに何基を束ねているか、いつから入札できる見込みかを具体的に聞くことが大切です。
まとめ
- 低圧蓄電所は1基では入札できず、同じエリアで1MWの束ねが必要です。
- 届出172社(2026年9月時点)のうち、低圧を受託するのは一部です。
- 受託実績、エリアの束ね、機器連携、契約条件、開示の順で確かめます。
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月版)
- 電力需給調整力取引所(EPRX)「2025年度の取引実績について」(2026年6月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。