
需給調整市場は2026年3月14日に前日取引へ移行しました。入札は実需給の前日に締め切られ、その日のうちに約定が決まります。低圧蓄電所では、この前日の判断をアグリゲーターが担います。
前日取引とはどのような取引ですか
実際に電気を調整する日の前日に入札を締め切り、約定を決める取引です。
2026年3月14日、需給調整市場は前日取引に移行し、あわせて一次調整力の上限価格が15円になりました。入札は実需給の前日に締め切られ、その日のうちに約定が決まります。取引の単位は30分ごとのコマで、1日は48コマです。
- 前日:計画アグリゲーターが入札するコマと充電を決める
- 前日:締切実需給の前日に入札を締め切る
- 前日:約定その日のうちに約定が決まる
- 当日:待機・応動約定したコマで調整力を提供
2026年は前日取引のほかに何が変わりましたか
上限価格の段階的な引き下げと、低圧の参入方法の拡大が重なりました。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2026年3月14日 | 需給調整市場が前日取引に移行。上限価格15円に |
| 2026年度 | 低圧受電点の計測による参入が全商品で可能に |
| 2026年9月1日 | 一次調整力の上限価格が10.00円に |
上限価格は7.21円までの段階的な引き下げ方針も示されています。経緯は上限価格の推移の記事で整理しています。
低圧蓄電所のオーナーにはどのような影響がありますか
運用の判断はアグリゲーターが行うため、オーナーの作業は増えませんが、運用の巧拙の差は表れやすくなります。
前日に入札するコマと充電の計画を決めるため、市場の動きを読む力が約定率と充電の電力費に影響します。オーナーが市場の画面を確認する必要はありませんが、アグリゲーターを選ぶ際には、前日取引のもとでの運用実績や明細の出し方を確認することが重要です。
試算を確認するときの注意点は何ですか
前日取引への移行前の実績をそのまま使っていないかを確認します。
- 単価の前提が、2026年3月以降の上限価格を反映しているか
- 約定率の前提が、前日取引のもとでの実績か想定か
- 上限価格のさらなる引き下げを見込んだケースがあるか
低圧蓄電所の制度の全体像は低圧の系統用蓄電池 総合ガイドをご覧ください。
前日取引への移行で、アグリゲーターとの契約は見直すべきですか
契約の更新時に、運用の方法と明細の内容が新しい取引に合っているかを確認することが望ましい対応です。
入札の締切や約定の時期が変わると、充電の計画や収入の計上時期にも影響が出る場合があります。契約書に取引のルール変更時の扱いが定められているか、手数料の計算の基礎が変わらないかを確認してください。低圧受電点の計測による参入が全商品で可能になったことで、運用の選択肢が広がる可能性もあります。
なお、上限価格は「最高でも」の価格で、その価格で約定するわけではありません。前日取引への移行とあわせて、収支は上限より低い単価で組むのが基本です。単価を段階的に下げた場合の試算を並べておくと、制度の変化に対する耐性を確認できます。
まとめ
- 需給調整市場は2026年3月14日に前日取引へ移行し、入札は前日に締め切られます。
- 上限価格の引き下げと低圧の参入方法の拡大が同じ年に重なりました。
- 前日の判断はアグリゲーターが担うため、運用実績と明細の出し方を確認します。
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月版)
- 電力需給調整力取引所(EPRX)の公表資料
- 資源エネルギー庁 需給調整市場に関する審議会資料
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。