
需給調整市場では、1日を30分ごとの48コマに分けて取引します。低圧蓄電所では、どのコマに入札し、いつ充電するかをアグリゲーターが前日に判断します。
48コマとは何を指しているのですか
1日24時間を30分単位に区切った、取引の最小単位のことです。
需給調整市場の取引は30分ごとのコマ単位で行われ、1日は48コマ、1年で17,520コマ(30分×48×365日)になります。一次調整力の単価も「円/ΔkW・30分」と、1コマあたりで表されます。
- 1コマ30分。単価は円/ΔkW・30分で表す
- 1日30分×48コマ
- 1年17,520コマ
- 売上出力×単価×約定したコマ数
全部のコマに入札できるのですか
蓄電池は充電が必要なため、すべてのコマで調整力を待機できるとは限りません。
低圧蓄電所は49.9kW/200kWh前後(約4時間分)が一般的な構成です。待機と応動で電力量が失われるため、その分を充電で買い足す時間が要ります。どのコマを入札に回し、どこで充電するかの組み立てが、約定したコマ数と充電の電力費の両方を左右します。充電費の考え方は低圧蓄電池の充電費の記事で解説しています。
コマごとの判断は誰が行うのですか
アグリゲーターが市場の動きを確認して、前日に決めます。
入札は実需給の前日に締め切られ、その日のうちに約定が決まります。どのコマに入札するか、充電をいつするかは、アグリゲーターが判断します。オーナーが市場の画面を確認したり、自分で入札したりする必要はありません。
オーナーが確認しておくべき点は何ですか
コマ単位の実績が明細で確認できるかどうかです。
- 入札したコマ数、約定したコマ数、約定単価が月ごとに示されるか
- 充電の電力費がどのコマの分として計上されるか
- 停止していたコマの扱いとペナルティの有無
低圧蓄電所の全体像は低圧の系統用蓄電池 総合ガイドにまとめています。
48コマの運用は低圧と高圧で違いがありますか
コマの単位は同じですが、低圧は単独で入札できず、束ねた全体として運用される点が異なります。
高圧の蓄電所は単独で入札できる規模がありますが、49.9kWの低圧蓄電所はアグリゲーターの束ねに組み入れられて入札されます。束ね全体でどのコマに出すかが決まるため、個々の蓄電所の充電のタイミングも全体の計画の中で決まります。収入の按分の方法は、契約で確認しておく必要があります。
按分の基礎が出力なのか、実際に応動した量なのかによって、同じ束ねの中でも受け取る金額が変わる場合があります。
また、前日に入札が締め切られるため、当日に急な停止が生じた場合でも、約定したコマの提供義務は残ります。停止の連絡や復旧の手順が契約で定められているかを確認しておくと、運用開始後の対応が明確になります。
まとめ
- 需給調整市場は1日を30分×48コマに分け、年間では17,520コマになります。
- 充電の時間が要るため、どのコマに入札するかの組み立てが売上と費用を左右します。
- 判断はアグリゲーターが前日に行い、オーナーはコマ単位の実績を明細で確認します。
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月版)
- 電力需給調整力取引所(EPRX)の公表資料
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。