
出力49.9kW・容量200kWhの低圧蓄電所は、出力いっぱいで放電し続けた場合に約4時間分の電気をためられる設備です。
低圧の系統用蓄電池の案件資料には、kWとkWhの2つの単位が並びます。似た表記ですが、意味も収入への関わり方も異なります。本記事では、低圧蓄電所の数字に絞って違いを整理します。全体像は低圧の系統用蓄電池 総合ガイドをご覧ください。
kWとkWhは何が違いますか
kWは一度に出し入れできる電気の大きさ(出力)、kWhはためておける電気の量(容量)です。
水にたとえると、kWは蛇口の太さ、kWhはタンクの大きさに当たります。低圧蓄電所の49.9kWは、出力が50kW未満であることを示す数字で、電柱から低圧(200V)で受電できる条件に対応しています。200kWhは、蓄電池ユニットにためられる量です。
出力(kW)
- 49.9kW
- 一度に出し入れできる大きさ
- 低圧の条件(50kW未満)に対応
容量(kWh)
- 200kWh前後
- ためておける量
- 出力で割ると約4時間分
200kWh÷49.9kW≒4時間。実際に使える量は充放電の損失や運用の設定で変わる。
約4時間分とはどういう意味ですか
満充電から49.9kWで放電を続けると、おおよそ4時間で空になるという意味です。
計算は容量を出力で割るだけです。ただし、実際には充放電で電力の一部が失われるうえ、電池を守るために使う範囲を絞ることもあります。約4時間はあくまで目安で、運用で使える時間はそれより短くなることがあります。
需給調整市場の売上ではどちらが使われますか
需給調整市場の売上は、出力(kW)を基に計算されます。
需給調整市場で取引されるのは電力量ではなく、指令に応じて出力を増減できる能力(ΔkW)です。売上の計算の例は「出力×単価×約定したコマ数」で、49.9kW×17,520コマ(30分×48×365日)×単価×約定率で求めます。容量は直接の掛け算には入りませんが、待機の時間を続けられるかに関わります。売上の計算の詳細は単価別の年間売上で解説しています。
容量はどこで効いてきますか
待機を続けられる時間、充電のタイミング、卸電力市場での値差の取り方に効いてきます。
- 待機の継続:応動で放電や充電が続いても、容量に余裕があれば待機を続けられる
- 充電の計画:アグリゲーターは容量の残りを見ながら、どのコマで充電するかを決める
- 卸電力市場:昼夜の値差を取る運用では、ためられる量(kWh)が収入の大きさに関わる
- 劣化:使ううちに容量は減る。劣化率が試算でどう置かれているかを確かめる
高圧の案件では「2MW・8MWh」のように、同じく約4時間分の構成が一般的です。kWとkWhの両方をそろえて比べることで、規模の違う案件も読み解けます。案件資料でkWだけ、またはkWhだけが強調されている場合は、もう一方の数字も確認し、両方がそろってから比べることが大切です。高圧との違いは高圧と低圧の系統用蓄電池の違いにまとめています。
まとめ
- kWは出力(一度に出し入れできる大きさ)、kWhは容量(ためておける量)
- 49.9kW・200kWhは出力いっぱいで約4時間分。実際に使える時間は損失や設定で短くなる
- 需給調整市場の売上は出力を基に計算し、容量は待機の継続や充電計画、劣化に関わる
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月)
- 電力需給調整力取引所(EPRX)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。