
低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所)の年間売上は、出力49.9kW・約定率90%の計算例で、平均約定単価10円なら約787万円、7円なら約551万円、5円なら約393万円、3円なら約236万円です。これは計算の例であり、収益の見込みではありません。
本記事では、低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所・低圧蓄電池、出力50kW未満・49.9kW級)の売上が単価と約定率でどれだけ動くかを、表と図で示します。仕組みの全体は低圧の系統用蓄電池 総合ガイドをご覧ください。
単価ごとの年間売上はいくらですか?
49.9kW×17,520コマ×単価×約定率で計算すると、次のとおりです。
| 平均の約定単価 | 約定率90% | 約定率70% |
|---|---|---|
| 10円(2026年9月からの上限) | 約787万円 | 約612万円 |
| 7円 | 約551万円 | 約428万円 |
| 5円 | 約393万円 | 約306万円 |
| 3円 | 約236万円 | 約184万円 |
49.9kW×17,520コマ×単価×0.9の計算例。費用を引く前の売上。解説ブック低圧編 第6章(2026年10月)。
なぜ上限の10円で計算してはいけないのですか?
上限価格は「最高でも」の価格であり、その価格で約定するわけではないためです。
一次調整力の上限価格は、19.51円/ΔkW・30分から2026年3月14日に15.00円、9月1日に10.00円へ引き下げられ、7.21円までの段階的な引き下げ方針も示されています(EPRX、2026年7月)。10円の行は天井の目安として読み、収支は下の行で組むのが基本です。この点はよくある誤解2 「上限10円で売れる」でも取り上げています。
実際の単価はどの程度でしたか?
2025年度の一次調整力の月別平均落札単価は、蓄電池が8.82〜13.52円/ΔkW・30分でした(EPRX、2026年6月)。
この実績は上限が現在より高かった時期のものです。上限が10円に下がった後は、同じ水準を前提にできません。
約定率はどう考えますか?
約定率は入札したコマのうち実際に落札された割合で、90%を超える前提は楽観的なことが多いとされます。
約定率が下がる要因には、入札したコマが落札されないことのほか、機器や通信の不具合で応動できないことも含まれます。応動が基準を満たさないとペナルティ(落札価格の1.5倍)がかかる場合もあるため、売上の試算では余裕を持った前提を置きます。
表のとおり、約定率が90%から70%に下がると、どの単価でも売上は約2割減ります。単価と約定率の両方を下げた行で、費用を払えるかを確かめます。
この売上がそのまま手取りになりますか?
なりません。表の数字は費用を引く前の売上です。
アグリゲーター手数料(収益の10%前後)、充電の電力費(年100万円台になることがある)、保守・保険・固定資産税などを差し引く必要があります。自分の前提で計算する場合は低圧蓄電所の売上試算ツールをお使いください。
まとめ
- 49.9kW・約定率90%の計算例で、単価10円なら約787万円、3円なら約236万円です。
- 上限価格は最高値であり、10円で収支を組まず、低い単価と約定率で確かめます。
- 表は費用を引く前の売上で、手数料・充電費などを差し引いたものが手取りになります。
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月) 第3章・第6章
- 電力需給調整力取引所(EPRX)「2025年度の取引実績について」(2026年6月)
- 電力需給調整力取引所(EPRX)「需給調整市場のΔkW上限価格について」(2026年7月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。