タンソーマンGX 蓄電所の案件と用地

低圧(49.9kW)

「低圧蓄電池で電気を売る」は誤り、売るのは調整力(ΔkW)

低圧蓄電所の収入の中心は、電気(kWh)の販売ではなく、指令に応じて出力を増減できる能力(ΔkW)の待機の対価です。太陽光と同じ感覚で収支を考えると、前提を誤ります。

低圧蓄電池は電気を売って収入を得るのではないのですか?

収入の中心は電気の販売ではなく、需給調整市場で調整力(ΔkW)を提供する対価です。

系統用蓄電池は、電力網に単独でつながり、充電と放電の働きを提供してその対価を受け取ります。需給調整市場で取引されるのは、電力量(kWh)ではなく、指令に応じて出力を増減できる能力(ΔkW)です。約定した時間帯は、周波数が乱れたらいつでも応じられる状態で待機していること自体に対価が支払われます。仕組みの全体は低圧の系統用蓄電池 総合ガイドで解説しています。

低圧蓄電所の主な収入の流れ
低圧蓄電所出力を待機
調整力(ΔkW)手数料差引後
アグリゲーター束ねて入札
調整力約定代金
送配電事業者需給調整市場で調達

買い手は各エリアの一般送配電事業者。卸電力市場の値差は収入の一部。

kWhの販売とΔkWの対価はどう違うのですか?

kWhは流した電気の量に、ΔkWは待機した能力と時間に対価が付く点が違います。

項目 kWh(電力量) ΔkW(調整力)
売るもの 実際に流した電気 出力を増減できる能力
市場 卸電力市場 需給調整市場
低圧での位置づけ 昼夜の値差を取る運用。収入の一部 収入の中心。主に一次調整力
単位 円/kWh 円/ΔkW・30分

なぜ太陽光と同じ考え方では誤るのですか?

太陽光は発電量に比例して収入が決まりますが、蓄電所は約定したコマ数と単価で収入が決まるためです。

蓄電池は電気を作る設備ではなく、充電した電気を出し入れするため、充電の電力費がかかります。待機と応動で失う電力量を買い足す費用は、年100万円台になることがあります。収支を確認する際は、単価、1日の約定コマ数、約定率、充電の電力費が開示されているかを確認します。

容量市場には参加できるのですか?

容量市場は最低1,000kWの要件があるため、49.9kWの低圧蓄電所単独では参加できません。

低圧蓄電所はアグリゲーターに束ねられ、主に一次調整力のオフライン枠で入札されます。どの市場で収入を得る前提の試算かを確認することが、誤解を避ける第一歩です。お金の流れの詳細は需給調整市場で蓄電所オーナーに届くお金の流れをご覧ください。

卸電力市場の値差による収入はどう考えればよいですか?

昼夜の価格差を取る運用で、低圧蓄電所では収入の一部という位置づけです。

卸電力市場では、電気の価格が安い時間に充電し、高い時間に放電することで差額を得られます。ただし、需給調整市場で約定した時間帯は待機が優先されるため、値差を取る運用に使える時間は限られます。どの時間帯をどちらの市場に充てるかは、アグリゲーターが市場の動きを見て判断します。試算で値差の収入がどの程度見込まれているか、それが需給調整市場の収入と重複していないかを確認することが、前提の妥当性を判断する手がかりになります。収入の内訳を市場ごとに分けて示してもらうと、どの前提が収支に大きく効いているかが分かりやすくなります。

まとめ

  • 低圧蓄電所の収入の中心は、電気の販売ではなく調整力(ΔkW)の待機の対価
  • kWhは流した量、ΔkWは待機した能力と時間に対価が付く
  • 充電の電力費がかかり、容量市場には単独で参加できない点を前提にする

出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。

出典

  • 系統用蓄電池 解説ブック 2026(低圧編)
  • 電力需給調整力取引所(EPRX) 取引実績

※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。

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