
ノンファーム型接続と早期連系追加対策の違いとは、放電側で混雑時の出力制御を受け入れて接続するか、充電側で充電の時間帯の制限を受け入れて接続するかという違いです。どちらも系統の増強を待たずに早くつなぐ手段ですが、制限がかかる側が反対です。
2つの方法は何が違うのか
ノンファーム型接続は放電側、早期連系追加対策は充電側に使う仕組みです。系統用蓄電池の接続は、放電(電気を系統に流す側)と充電(系統から電気を受ける側)を別々に審査されます。放電側は発電所と同じように扱われるため、混雑する時間帯に出力を抑えることを条件にノンファーム型接続が使えます。充電側は需要として容量の確保が必要で、空きがなければ増強を待つことになりますが、充電の時間帯の制限に同意すれば早期連系追加対策で先に接続できる場合があります。
| 項目 | ノンファーム型接続 | 早期連系追加対策 |
|---|---|---|
| 対象 | 放電側 | 充電側 |
| 受け入れる条件 | 混雑する時間帯の出力制御 | 系統が混み合う時間帯に充電しないこと |
| 得られるもの | 増強を待たずに接続 | 増強を待たずに接続 |
| 運用への影響 | 提供できる調整力や運用の計画に関わる | 残量の管理や待機の計画に制約が生じる |
| 適用の状況 | 放電側で使える | 適用はまだ一部 |
ノンファーム型接続
- 放電側の仕組み
- 混雑時は出力を制御される
- 空き容量マップで空きがなくても使える場合がある
早期連系追加対策
- 充電側の仕組み
- 混雑時は充電できない
- 充電がボトルネックになる蓄電池で重要
- 適用はまだ一部
充電できなければ放電もできないため、充電側の条件が接続のボトルネックになります。
なぜ充電側の方法が重要なのか
蓄電池は充電できなければ放電もできないため、充電側の条件が事業の成否を決めるからです。放電側がノンファーム型接続で接続できても、充電側の容量が確保できなければ事業として成り立ちません。系統用蓄電池で「放電より、充電がボトルネック」と言われるのはこのためです。仕組みの詳細はノンファーム型接続とはと早期連系追加対策とはで解説しています。
どちらを受け入れるかはどう判断するのか
接続が早まることによる運転開始の前倒しと、制限による運用上の制約を比べて判断します。高圧の系統用蓄電池は用地確保から運転開始まで18〜24か月程度かかり、系統側の工事は3か月から数年まで幅があります。制限がある場合とない場合の両方で収支を試算し、運転開始の時期の違いも含めて比べると、選択の根拠がはっきりします。運用を担うアグリゲーターに、その条件で運用計画が組めるかも確認します。
案件資料ではどこを確かめるのか
接続検討の回答書で、放電側と充電側それぞれの条件を確かめます。
- 放電側の出力制御がどの程度見込まれるか
- 充電側にどの時間帯の制限があるか、増強後に解消されるか
- 収支の試算が制限を前提に組まれているか
早期連系追加対策を前提にした案件では、将来系統の増強が終わった後に充電時間の制限がどう扱われるかによって、長期の収支の見通しが変わります。手続きの細部は一般送配電事業者ごとに異なるため、申込み先の書面で確かめます。
よくある誤解は何か
よくある誤解は、「ノンファーム型接続で接続可能」と書かれていれば接続の問題は解決しているという見方です。ノンファーム型接続が使えるのは放電側だけで、充電側の条件は別に確かめる必要があります。案件の説明で放電側の接続方式だけが強調されている場合は、充電側がどう確保されているのかを必ず質問します。
まとめ
- ノンファーム型接続は放電側で混雑時の出力制御を受け入れて接続する方法です。
- 早期連系追加対策は充電側で充電の時間帯の制限を受け入れて接続する方法で、適用はまだ一部です。
- どちらも回答書で条件を確かめ、制限の有無で収支を比べて判断します。
出典
- 系統用蓄電池 解説ブック2026(高圧編)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。