
低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所)の連系申込みは、東京電力パワーグリッド管内では小売電気事業者側での供給の申込みを起点に、電気工事店が工事内容を入力し、アグリゲーターが発電量調整供給契約を申し込む流れで進みます。他のエリアでは書面での申込みなど手順が異なります。
本記事では、低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所・低圧蓄電池、出力50kW未満・49.9kW級)の申込みについて、関係者の役割と順番を2026年10月時点の公表資料に基づいて整理します。全体像は低圧の系統用蓄電池 総合ガイドをご覧ください。
低圧蓄電所の申込みは誰が何をするのですか
申込みは一人で完結せず、小売電気事業者、電気工事店、アグリゲーターがそれぞれの手続きを分担します。
低圧蓄電所は充電のために電気を受け取り、放電で電気を送り出します。そのため、受電(供給)の契約と、送り出す電気の契約(発電量調整供給契約)の両方が関わります。東京電力パワーグリッド管内では、供給の申込みが入口になり、工事の内容は電気工事店が入力し、発電側の契約はアグリゲーターが申し込みます。
- 供給の申込み小売電気事業者側が起点
- 工事内容の入力電気工事店が入力
- 発電側の契約申込みアグリゲーターが発電量調整供給契約
- 技術協議充電と放電の両方で余裕を確認
- 連系の承諾工事費負担金の金額が決まる
2026年10月時点。出典はタンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」。
高圧のような接続検討は必要ですか
2026年10月時点では、低圧は接続検討を経ずに契約申込みに進み、申込み後の技術協議で判断されるのが一般的です。
高圧は事前相談、接続検討(3か月)、契約申込みの順で進み、2026年4月から保証金として負担金見込額の10%が求められます。低圧はこの制度変更の対象外で、申込みからおおむね6か月〜1年で運転を始められる場合があります。詳しくは低圧蓄電所には接続検討も保証金もないで解説しています。
技術協議では何を確かめられるのですか
技術協議では、配電線と柱上変圧器の余裕が、放電と充電の両方について確かめられます。
東京電力パワーグリッドは2026年5月15日、低圧の技術協議の依頼票に「系統からの充電の有無」「系統への放電の有無」の欄を追加しました。低圧蓄電池の申込みが増えたことへの対応です。工事費負担金の金額もこの段階で決まるため、金額を見てから設備と工事を発注するのが安全です。背景は低圧の技術協議依頼票に充電・放電の欄をご覧ください。
東京電力管内と他のエリアでは何が違うのですか
違いは主に申込みの入口と様式で、他のエリアでは書面での申込みなど、東京電力パワーグリッド管内とは手順が異なります。
- 申込みの起点となる窓口と、入力する担当者の分担
- 依頼票や申込書の様式と提出方法
- 技術協議の回答までの進み方
どのエリアでも、配電線や柱上変圧器に余裕がなければ連系できない点は共通です。申込みが増えるにつれて空いている場所は減っているため、エリアごとの手順はアグリゲーターや施工会社に確かめてください。
申込みの前に何を決めておくべきですか
申込みの前に、土地の確認と、発電量調整供給契約を申し込むアグリゲーターを決めておく必要があります。
- 都市計画の区分、周辺の住宅、搬入路、近くの電柱を確認する
- アグリゲーターや施工会社に用地の判定と現地調査を依頼する
- 依頼するアグリゲーターと電気工事店を決める
運転開始後の売上の目安は低圧蓄電所の売上試算ツールで確かめられます。
まとめ
- 東京電力パワーグリッド管内では、供給の申込みを起点に、電気工事店とアグリゲーターが手続きを分担します。
- 技術協議では放電と充電の両方が確かめられ、工事費負担金の金額もここで決まります。
- 他のエリアは書面での申込みなど手順が異なるため、事前に確かめることが大切です。
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月版)
- 東京電力パワーグリッド 低圧の系統連系技術協議依頼票の改定(2026年5月)
- 資源エネルギー庁 次世代電力系統ワーキンググループ 資料(2026年8月・10月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。