タンソーマンGX 蓄電所の案件と用地

低圧(49.9kW)

低圧蓄電所1区画で年間いくら入るのか

答え:低圧蓄電所1区画の年間収入は、単価と約定率の前提によって大きく変わるため、一つの数字では示せません。そのため収支は、スタンダード、2027年9円、約定率85%の3ケースで幅を持たせて示します。

年間の売上は、どう計算するのですか

「出力×単価×約定したコマ数」で計算します。

需給調整市場では、1日を30分ごとの48コマに分けて取引します。1年は17,520コマ(30分×48×365日)です。出力49.9kWの低圧蓄電所なら、このうち何割のコマが約定し、平均いくらの単価で約定したかで年間の売上が決まります。

平均の約定単価 年間の売上(約定率90%) 約定率70%の場合
10円 約787万円 約612万円
7円 約551万円 約428万円
5円 約393万円 約306万円
3円 約236万円 約184万円

計算の例です(49.9kW×17,520コマ×単価×約定率)。見積りや収益の見込みではありません。

なぜ一つの数字で答えられないのですか

単価も約定率も市場の動きで変わり、将来の値が確定しないためです。

一次調整力の上限価格は、19.51円から2026年3月14日に15.00円、9月1日に10.00円へ引き下げられ、7.21円までの段階的な引き下げ方針も示されています。上限は「最高でも」の価格であり、その価格で約定するわけではありません。約定率も、入札の方針や競争の状況で変わります。表のとおり、単価が10円から5円になれば売上は半分になり、約定率が90%から70%になれば2割強減ります。

3つのケースは、それぞれ何を表しているのですか

基準となるスタンダードから、単価または約定率を一つずつ変えたものです。

3ケースの比較

スタンダード

  • 基準となる前提
  • 他の2ケースを比べる起点

2027年9円

  • 単価の前提を変える
  • 2027年以降の単価を9円と置く

約定率85%

  • 約定率の前提を変える
  • 入札したコマの85%が約定と置く

ケースの名前は前提の違いを表すもので、起こりやすさの順番ではありません。

一つのケースで変える前提を一つに限ると、どの前提がどれだけ収入を動かすかが分かります。3ケースの読み方は低圧蓄電所の3ケース収支の見方で詳しく扱っています。

売上がそのまま手元に残るのですか

残りません。売上から運営の費用を差し引いた額が、所有者の手取りです。

  • アグリゲーター手数料(収益の10%前後。計算の基礎が売上か運用益かを確認)
  • 充電の電力費(年100万円台になることがある)
  • 保守・監視、保険
  • 固定資産税(償却資産。標準税率1.4%)
  • 地代(借地の場合)
  • 劣化と撤去(容量の劣化、機器の更新、運用終了時の撤去・処分)

手数料は売上に連動して増減しますが、保守費や保険料は売上が下がっても変わりません。売上が下がったときに固定的な費用がどれだけ残るかで、ケースの間の手取りの差が広がります。費用の一覧は低圧蓄電所の運営費一覧をご覧ください。

入金は、いつ受け取れるのですか

運用月から入金まで数か月かかるのが一般的です。

運転開始の直後は、費用の支払いが先に来て、売上の入金が後になります。年間の金額だけでなく、入金の時期もアグリゲーター契約で確かめておくことが大切です。

試算を受け取ったら、何を確かめればよいですか

前提がすべて開示されているかと、最も厳しいケースで資金繰りが成り立つかを確かめます。

  1. 単価、約定率、1日の約定コマ数の前提
  2. 充電の電力費、劣化率、機器の更新費の前提
  3. 投資額に土地と工事費負担金が入っているか
  4. 最も厳しいケースの手取りで、借入れの返済などを賄えるか

単価の前提は、どこで確かめればよいですか

公表されている上限価格と落札の実績を、試算の前提と並べて確かめます。

2025年度の一次調整力の月別平均落札単価は、蓄電池が8.82〜13.52円/ΔkW・30分でした(EPRX)。ただし上限価格はその後に引き下げられており、過去の実績がそのまま続くとは限りません。試算の単価が上限に近い値で置かれていないか、年を追って下がる前提を含んでいるかを確かめます。約定率も、90%を超える前提は楽観的であることが多いとされています。

なお、低圧蓄電所は容量市場に単独では参加できず、収入の中心は需給調整市場の一次調整力です。卸電力市場の値差は収入の一部にとどまるため、試算でその比重が大きく置かれていないかも確かめておきます。

まとめ

  • 年間の収入は単価と約定率の前提で大きく変わるため、一つの数字では示せません。
  • 3ケースは、基準から単価または約定率を一つずつ変えて、収入の幅を示すものです。
  • 売上から手数料や充電費などの費用を差し引き、最も厳しいケースで資金繰りを確かめます。

出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。

出典

  • 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月)
  • 電力需給調整力取引所(EPRX)「需給調整市場のΔkW上限価格について」(2026年7月)

※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。

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