
複合商品とは、需給調整市場で複数の調整力の要件を同じ出力(kW)でまとめて満たし、一つの商品として応札する区分です。上限価格は2026年9月1日の実需給分から、一次調整力・二次調整力①と同じ10.00円/ΔkW・30分とされています。
複合商品はどのような考え方の商品なのか
複合商品は、同じ1kWの待機で、速さの異なる複数の商品の役割を同時に引き受けるという考え方の商品です。需給調整市場には一次から三次②まで5つの商品があり、それぞれ応える速さが違います。一つの設備が複数の要件を満たせるなら、商品ごとに別々の出力を用意するのではなく、同じ出力を重ねて提供できます。
- 同じ出力(kW)蓄電所が待機する一つの能力
- 速い応動の要件周波数の変化に素早く応じる
- 続けて出す要件ずれが続く間、出力を保つ
- まとめて応札アグリゲーターが一つの商品として入札
複合商品の細かな要件の組み合わせは本記事では扱わない。上限10円は2026年9月1日実需給分から。
なぜ蓄電所にとって複合商品が関係するのか
蓄電池は速く正確に応えられるため、複数の要件を同じ出力で満たしやすい設備だからです。蓄電池は指令から1秒以内に出力を変えられ、充電と放電の切り替えも速く行えます。この性質は、一つの出力に複数の役割を重ねる考え方と相性があります。収入源の組み合わせ全体については収入源の組み合わせはアグリゲーターが決めるで説明しています。
複合商品での運用はどう確かめればよいのか
オーナーが確かめるべきは、委託先が複合商品をどう位置づけ、試算と報告にどう反映しているかです。複数の要件を重ねる分、その時間に必要な応動を満たせないと、アセスメントで評価を満たさずペナルティがかかるおそれがあります。
- 試算の単価が、上限の10円より低い水準で置かれているか
- 複合商品として約定したコマを、報告で単一の商品と区別して示してもらえるか
- 要件を満たせなかった場合のペナルティを誰が負担するか
5つの商品それぞれの違いは需給調整市場の5つの商品で整理しています。
複合商品についてよくある誤解は何か
一つ目は、複数の商品をまとめれば、それぞれの単価が足し合わされると考えることです。複合商品は一つの商品として応札し、上限価格も一つの値として示されています。商品の数だけ収入が積み上がるわけではありません。
二つ目は、オーナーが複合商品に入るかどうかを選ぶと考えることです。どの商品にどの時間を充てるかは、アグリゲーターが市場の動きを見て決めます。オーナーは方針の説明と、結果の内訳が分かる報告を求める立場にあります。
まとめ
- 複合商品は、複数の調整力の要件を同じ出力でまとめて満たし、一つの商品として応札する区分です。
- 上限価格は2026年9月1日の実需給分から、一次・二次①と同じ10円です。
- 要件を重ねる分、応動の確実さとペナルティの負担区分を契約で確かめます。
出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編」(2026年10月)
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。