
交付決定とは、申請された事業に補助金を交付することを執行する団体が正式に決める通知です。補助の対象は交付決定の後に契約・発注した設計、設備、工事に限られるため、蓄電所で補助金を使う場合は発注を交付決定まで待つ必要があります。
交付決定は補助金の手続きのどこにあるのか
交付決定は、申請と発注のあいだにある区切りです。公募に申請し、審査を経て交付決定を受け、その後に発注・建設、完了報告、受給と進みます。
- 公募に申請設備の所有者本人が電子申請
- 交付決定ここまで発注しない
- 発注・建設相見積りを取って発注
- 完了報告実績を報告して受給
- 一定期間の管理売却・担保に承認が要る
交付決定の前に契約・発注したものは補助の対象になりません。
なぜ交付決定の前に発注してはいけないのか
交付決定の前に発注してはいけないのは、補助の対象が交付決定の後に契約・発注したものに限られているためです。先に発注した設計や設備、工事は、内容が要件に合っていても補助を受けられません。発注の順序の注意点は蓄電所の補助金は発注の順序に注意、交付決定の前に発注しないための基本で詳しく解説しています。
このため、すでに完成した蓄電所を買う形とは両立しにくいとされています。補助金を使う場合は、開発権を取得して自分で設備と工事を発注する形など、交付決定の後に発注できる進め方を選びます。
国の補助金では交付決定はいつ予定されているか
国の系統用蓄電システム等導入支援事業(令和7年度補正)は、公募が2026年9月4日から11月4日まで、交付決定は2027年1月上旬の予定です。対象は出力1,000kW以上で、リチウムイオン電池で1万kW未満は補助率1/3、上限10億円、1社2件までとされています。制度の全体像は蓄電所の補助金と税制2026 国の補助金1/3と即時償却の条件を整理をご覧ください。
交付決定を見込んで工程をどう組むか
工程は、交付決定の予定時期を起点に、発注と建設の期間を後ろに並べて組みます。系統接続の手続きも並行して進むため、連系承諾や工事費負担金の支払いの時期と重なる点を整理しておきます。交付決定が遅れれば発注も遅れるため、運転開始の時期には余裕を持たせます。
- 申請者は設備の所有者本人で、代理申請はできません
- 発注ごとに相見積りが要ります
- PCS・EMS・BMSにはJC-STAR★1の適合が求められます
よくある誤解は何か
よくある誤解は、「申請を出した時点で発注してよい」というものです。申請の受付は交付決定ではなく、交付決定の通知を受けるまでは発注を控えます。
- 申請すれば発注できる:対象になるのは交付決定の後の契約・発注です。
- 交付決定で補助金が振り込まれる:受給は建設を終えて完了報告をした後です。
- 受給後は自由に処分できる:一定期間、売却・譲渡・担保設定に承認が要ります。
まとめ
- 交付決定は、補助金を交付することを正式に決める通知で、申請と発注のあいだの区切りです。
- 補助の対象は交付決定の後に契約・発注したものに限られるため、発注は交付決定まで待ちます。
- 国の補助金の交付決定は2027年1月上旬の予定で、工程はこれを起点に組みます。
出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編」(2026年10月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。