
三次調整力①とは、需給調整市場の5つの商品のうち4番目に速い調整力で、2022年4月に取引が始まった商品です。前日・30分単位で取引され、上限価格は2026年9月1日の実需給分から7.21円です。
三次調整力①は5つの商品の中でどこに位置するのか
三次調整力①は、一次・二次①・二次②より遅く、三次調整力②より速い位置にある商品です。需給調整市場は2021年4月に三次調整力②から開設され、2022年4月に三次調整力①が加わり、2024年4月に一次・二次①・二次②を含む全商品の取引が始まりました。蓄電池が強みを持つ一次調整力よりも、取引の歴史は長い商品です。
なぜ三次調整力①では容量(kWh)が効くのか
遅い商品ほど、短い揺れではなく長い時間のずれを埋める役割になり、出力をどれだけ続けられるかが問われるためです。蓄電所が出せる量は、出力(kW)と、その出力を続けられる時間を決める容量(kWh)の掛け合わせで考えます。考え方の基礎はkWとkWhの違いをご覧ください。
出力が大きく容量が小さい
- 瞬間の応動に強い
- 長く続けると早く空になる
- 速い商品向き
出力に対して容量が大きい
- 同じ出力を長く続けられる
- 2,000kW・8,000kWhなら最大出力で4時間
- 長いずれに応じる商品と卸市場の両方に配りやすい
高圧の蓄電所で最も多い構成は2,000kW・8,000kWh。低圧は49.9kW・200kWh前後(約4時間分)。
三次調整力①の収入はどう確かめればよいのか
三次調整力①の収入を確かめるには、単価を上限7.21円より低い水準で置いた試算になっているかを最初に見ます。売上は出力×単価×約定したコマ数で決まり、上限で売れ続ける前提は楽観的です。
- 三次調整力①にどの時間帯を充てる想定か
- 単価を複数置いた試算があるか
- 卸電力市場の値差運用と時間が重ならない計画になっているか
5つの商品の全体像は需給調整市場の5つの商品で整理しています。
三次調整力①についてよくある誤解は何か
一つ目は、遅い商品は蓄電池と関係がないと考えることです。蓄電池は一次調整力で強みを発揮しますが、高圧の蓄電所は複数の商品を組み合わせて入札できます。三次調整力①に充てるかどうかは、アグリゲーターがその日の市場を見て決めます。
二つ目は、三次調整力①と三次調整力②の取引方法が同じだと考えることです。2026年3月14日に前日・30分単位へ移ったのは一次〜三次①で、三次調整力②はこの変更の対象外でした。
まとめ
- 三次調整力①は、5つの商品のうち4番目に速い商品で、2022年4月に取引が始まりました。
- 2026年3月14日から前日・30分単位で取引され、上限は2026年9月から7.21円です。
- 長いずれに応じる商品ほど容量が効くため、時間帯の配分と単価の置き方を確かめます。
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 高圧編」(2026年10月)
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。