RE100とは?設立背景や参画した際の「メリット・デメリット」を解説

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近年、行政だけでなく、各国の世界的な大企業も地球温暖化や気候変動を抑制するための活動を始めています。
環境保護を目的とした国際的な枠組みは多くありますが、その中でも有名なのが「RE100」です。

本記事では、RE100の概要、設立の背景、参画方法、参画によるメリット・デメリットについて解説します。

目次

RE100とは

RE100とは、Renewable Energy 100の略で、100%の再生可能エネルギーの導入に取り組む国際的なイニシアチブです。2014年にイギリスに本拠地を置くNPO団体The Climate Groupによって主催されました。企業は、RE100に参加することで、企業は環境負荷を削減し、持続可能なビジネスモデルを構築することができるとされています。

RE100設立の背景

RE100の設立は、気候変動への対策と持続可能なエネルギーへの移行の重要性に対する世界的な認識の高まりから生まれました。
ここでは設立の要因になった4つの認識について解説します。

①気候変動への懸念

地球温暖化や気候変動の影響はますます深刻化しており、その解決には温室効果ガスの排出削減が不可欠です。
国際的な枠組みとして、2015年に採択されたパリ協定では、世界的な温室効果ガスの排出削減目標が設定され、再生可能エネルギーの利用が重要視されました。

②企業の役割の重要性に対する意識の変化

気候変動問題に対処するためには、政府だけでなく企業も主導的な役割を果たす必要があります。
企業は大量のエネルギーを消費し、温室効果ガスの排出源となっているため、持続可能なエネルギーへの移行が求められています。

③再生可能エネルギーの技術革新とコスト低減

再生可能エネルギー技術の進歩とコスト低減は、企業が再生可能エネルギーを採用する際の障壁を減らしました。
特に太陽光や風力などの再生可能エネルギー源はコスト競争力が向上しており、企業にとって魅力的な選択肢となっています。

④持続可能なビジネス戦略の重要性が多くの企業に認識

持続可能性がビジネス戦略の一部として重要視されるようになりました。
企業は環境への貢献とともに、CSR(企業の社会的責任)やESG(環境・社会・ガバナンス)の観点からも評価されるようになりました。

持続可能なエネルギーへの移行は国境を越えた協力と連携が必要だとされました。それにより、企業が一体となって再生可能エネルギーへのコミットメントを宣言し、共同で目標を達成するためのグローバルなイニシアチブとして、RE100が設立されました。

RE100への参画方法

RE100に参画するには、要件を満たし、申込書に5つの事項を記入してメールでRE100事務局へ提出する必要があります。

①会社の概要として、国、企業名、業種、売上、従業員数、Twitterハンドルの6項目です。
②電力の使用状況です。全消費電⼒量、再エネ消費量、再エネ化率の3つを記載する必要があります。
③目標の設定です。中間目標を含む、再エネ100%をいつ達成するのかを設定しなければいけません。
④会員クラスの選択です。会員クラスは2つあり、年会費$15,000でイベント登壇機会などの特典が付く「Gold」と年会費$5,000の「Standard」から選べます。
⑤責任者のサインです。併せて企業ロゴのRE100での利⽤にも同意しなければなりません。

RE100に参画することのメリット

RE100に参画すると多くのメリットがあります。ここでは、4つのメリットについて解説します。

環境負荷の削減

企業はRE100に加盟することで、再生可能エネルギーの導入を進められ、環境負荷を劇的に削減できます。
従来の化石燃料に依存している企業は、エネルギーの生産や利用に伴い大量の温室効果ガス(GHG)を排出しています。

これによって地球温暖化や気候変動が進行し、環境への負荷が増大しています。

再生可能エネルギーは、太陽光や風力などの自然のエネルギー源を利用して電力を生成するため、このような環境負荷を大幅に削減する効果があります。
それに対して化石燃料は、掘削過程で多くの二酸化炭素や有害物質が排出されます。

太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、ほぼゼロの排出量で電力を供給できます。
そのため、企業が再生可能エネルギーを利用することで、大気中へのCO2排出量や他の有害物質の放出を制限し、環境負荷の削減に大幅に貢献できるということです。

エネルギーコストの削減

従来のエネルギー供給は、化石燃料に依存しており、その価格は市場の変動や政治的な不安定要素によって大きく影響を受けます。
これに対して、再生可能エネルギーは太陽光や風力などの自然のエネルギー源を利用しており、燃料費がほぼゼロであるという特徴があります。

RE100に加盟することで、企業は再生可能エネルギーの導入によってエネルギーコストを削減することができます。
再生可能エネルギーは、太陽光パネルや風力タービンなどの設備を導入することで自社で電力を生み出すことができます。
これにより、従来の電力供給業者からの電力購入量を減らすことができ、それに伴い電力料金も削減できます。

また、再生可能エネルギーの技術は進歩し、導入コストが低下しています。
特に太陽光発電は、パネルの価格が大幅に下がり、設置コストも削減されています。
これにより、企業は比較的低コストで再生可能エネルギーを導入し、エネルギーコストを削減することができます。

エネルギーコストの削減は、企業の収益性に直結します。
エネルギーコストは企業の製品やサービスの生産において重要なコスト要素であり、それを削減することは直接的に利益向上につながります。

さらに、再生可能エネルギーの導入により、エネルギーの自給自足が可能になり、外部のエネルギー価格の変動に左右されるリスクを軽減することもできます。

加えて、エネルギーコストの削減は企業の持続可能性にも寄与します。
再生可能エネルギーの利用は、環境に優しい選択肢であり、温室効果ガスの排出削減に貢献します。
これにより、企業は環境への負荷を軽減し、社会的な責任を果たすことができます。

法規制への適合

RE100に加盟することで、企業は再生可能エネルギーの導入によって法規制への適合を促進することができます。
RE100は再生可能エネルギーの100%導入を目指す取り組みであり、加盟企業は自社のエネルギー供給を再生可能エネルギーに切り替えることを宣言しています。

これにより、企業は温室効果ガスの排出削減や持続可能なエネルギー利用に関する法規制に対して積極的な対応を示すことができます。
さらに、法規制への適合はリスク管理の観点からも重要です。

環境関連の規制が厳しくなる中で、企業は適切な環境対策を実施することで罰金や訴訟などの法的なリスクを回避することができます。
RE100への加盟によって再生可能エネルギーの導入を進めることは、将来的な法規制や規制の強化に対しても事前に対応することができるという意味で、企業の長期的な持続可能性をサポートします。

イメージやブランド価値の向上

RE100への加盟は、企業が再生可能エネルギーへの移行に積極的に取り組んでいることを示す重要なシグナルです。
再生可能エネルギーは地球環境への負荷を軽減し、気候変動対策に寄与することが認識されています。

加盟企業は環境保護や持続可能な社会への貢献に焦点を当て、その取り組みが企業のイメージやブランド価値の向上につながります。
また、再生可能エネルギーはグリーン市場の中心的なテーマとなっており、消費者の関心も高まっています。

RE100への加盟は、企業が環境に配慮したビジネスモデルを持っていることを示す重要な要素です。
このような取り組みに共感する消費者からの支持を得ることで、企業のブランド価値が向上し、新たなビジネスチャンスを生み出すことができます。

加えて、ビジネスパートナーや顧客などのステークホルダーの期待へ応えられることも含まれます。
持続可能性に関する意識が高まる中で、企業のステークホルダーは環境への貢献や社会的な価値創造を求める傾向にあります。

RE100への加盟は、企業がこれらの期待に応えていることを明示する重要な手段となります。
その結果、ステークホルダーとの信頼関係が強化され、企業のイメージやブランド価値が向上します。

さらに、再生可能エネルギーへの移行は、新たな技術やビジネスモデルの開発を促進します。
RE100への加盟により、企業はイノベーションを推進し、競争力を高めることができます。持続可能なエネルギーへの取り組みは、顧客や市場の期待に応えるだけでなく、従業員のモチベーション向上や人材の獲得・定着にも寄与します。

RE100への参画によるデメリット

前述したように、RE100への参画には多くのメリットがありますが、併せてデメリットもあります。
ただ、これらのデメリットを解決することで、RE100への参画のメリットを最大限にできると言えます。
ここでは、4つのデメリットについてそれぞれ解説します。

費用とリスク

RE100への参画には、再生可能エネルギーへの投資や設備の導入にかかる費用が伴います。
特に中小企業などの資金やリソースに限りがある企業にとっては、これらの費用は大きな負担となる場合があります。

また、再生可能エネルギーへの依存度が高まることによる「エネルギー価格の変動や供給の不確実性」などのリスクも存在します。

技術とインフラストラクチャー

再生可能エネルギーの導入には、適切な技術やインフラストラクチャーが必要です。
しかし、これらの要素が整っていない場合、導入や運用に課題が生じることがあります。

特に地域によっては、再生可能エネルギーの利用に適した風力や太陽光などの「自然エネルギーの資源が制約」されている場合もあります。

エネルギー需要のカバー不足

企業がRE100の目標を達成するためには、自社のエネルギー需要を再生可能エネルギーでカバーする必要があります。
しかし、一部の企業では自社のエネルギー需要を完全に再生可能エネルギーで賄えない場合があります。

これにより、他のエネルギー源に依存しなければならないため、目標の達成に向けた課題が生じることがあります。

転換への時間と労力

再生可能エネルギーへの移行は、企業にとって大規模な変革を要求します。
既存のエネルギーシステムからの転換には時間と労力が必要であり、特に大企業や複雑なエネルギーインフラを持つ企業にとっては課題となる場合があります。

技術やシステムの更新、社内の意識変革、ステークホルダーとの協力など、多くの要素を考慮しながら移行を進める必要があります。

RE100に加盟している企業8選

ここでは、RE100に加盟している8つの企業を紹介します。

BT

BTはイギリスを拠点とする通信・テクノロジー企業であり、RE100の創設メンバーの一社です。
BTは再生可能エネルギーの導入と持続可能なビジネスの推進に積極的であり、自社のオペレーションにおいて100%再生可能エネルギーの利用を目指しています。

具体的な取り組みとして、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギープロジェクトへの投資やグリーン電力の購入を行っています。

BTは、環境負荷の削減や気候変動対策に積極的に取り組み、サステナビリティのリーダー企業としての地位を確立しています。
その後、BTを皮切りに様々な企業がRE100に参加し、再生可能エネルギーの普及と持続可能な社会の実現に向けた取り組みが広がっていきました。

Commerzbank(コメルツバンク)

コメルツバンクはドイツに本拠を置く銀行です。
同社は再生可能エネルギーの導入に積極的であり、自社の電力需要を100%再生可能エネルギーでカバーすることを目指しています。

太陽光発電や地熱エネルギーなどの導入に加え、省エネルギー対策やエネルギー効率の向上にも取り組んでいます。

IKEA(イケア)

IKEAはスウェーデンに本拠を置く家具・インテリアの企業です。同社は世界中の店舗や施設で再生可能エネルギーを利用しています。
太陽光発電や風力発電などの設備導入や、グリーン電力の購入などの取り組みを行っています。

Google(グーグル)

Googleは、RE100の創設メンバーでもあります。
自社のデータセンターやオフィスなどで、100%再生可能エネルギーを利用することを目指しています
大規模な太陽光発電や風力発電プロジェクトへの投資など、再生可能エネルギーの普及にも取り組んでいます。

Apple(アップル)

Appleは自社のオペレーションを100%再生可能エネルギーで賄うことを目指しており、太陽光発電や風力発電などのプロジェクトに積極的に投資しています。

また、サプライヤーに対しても再生可能エネルギーの導入を奨励しており、サプライチェーン全体での持続可能なエネルギー利用を推進しています。

Facebook(フェイスブック)

Facebookは再生可能エネルギーの導入を重視しており、自社のデータセンターやオフィスなどで再生可能エネルギーを利用しています。
太陽光発電や風力発電などのプロジェクトへの投資やグリーン電力の購入など、持続可能なエネルギー利用に取り組んでいます。

Amazon(アマゾン)

Amazonは再生可能エネルギーの導入に積極的であり、自社のデータセンターや物流施設などで再生可能エネルギーを活用しています。
大規模なソーラープロジェクトや風力発電プロジェクトなどへの投資を行っており、再生可能エネルギーの利用拡大に努めています。

Microsoft(マイクロソフト)

Microsoftは、RE100の創設メンバーでもあります。
再生可能エネルギーの導入を進めており、自社のデータセンターやオフィスなどで再生可能エネルギーを利用しています。

太陽光発電や風力発電などのプロジェクトへの投資やグリーン電力の購入に力を入れており、エネルギーの持続可能性に対する取り組みを行っています。

まとめ

本記事では、RE100の設立背景や、参画方法、参画によるメリット・デメリット、参画している企業について解説をしました。

RE100への参画は、地球温暖化や気候変動などの抑制だけでなく、企業の競争力向上やイメージアップにも繋がります。
要件を満たしている場合は、参画を検討する価値は大いにあるといえます。

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福元 惇二(フクモト ジュンジ)

タンソーマンプロジェクト発起人であり、タンソチェック開発を行うmedidas株式会社の代表。タンソーマンメディアでは、総編集長を務め、記事も執筆を行う。

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