
工事費負担金とは、低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所)を電力網につなぐために必要な電力会社側の工事のうち、接続する側が負担する費用です。低圧では接続検討を経ず、契約申込み後の技術協議で金額が決まるのが一般的です。
本記事は、低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所・低圧蓄電池、出力50kW未満・49.9kW級)の工事費負担金が、いつ、どう決まり、誰が払うのかを手続きの順に説明します。全体像は低圧の系統用蓄電池 総合ガイドをご覧ください。
工事費負担金とは何ですか?
連系に必要な電力会社側の工事のうち、接続する側が負担する費用です。
電柱からの引込みや配電線、柱上変圧器の増強などが必要になった場合に生じます。近くに電柱があるか、配電線にどれだけ余裕があるかで金額が変わります。用地との関係は電柱・配電線までの距離が工事費負担金を変える理由で説明しています。
低圧蓄電所ではいつ金額が決まりますか?
連系の申込み後の技術協議で、配電線と柱上変圧器の余裕を放電と充電の両方で確認したうえで決まります。
- 土地の確認区分、住宅、搬入路、近くの電柱
- 連系の申込み手順はエリアごとに異なる
- 技術協議・承諾放電と充電の両方で確認。負担金が決まる
- 購入・発注負担金の金額を見てから発注
- 施工・連系届出、電力会社の工事と立ち会い
申込みから運転開始までおおむね6か月〜1年。解説ブック低圧編 第7章(2026年10月)。
東京電力パワーグリッドは2026年5月15日、低圧の技術協議の依頼票に「系統からの充電の有無」「系統への放電の有無」の欄を追加しました。経緯は低圧の技術協議依頼票に充電・放電の欄をご覧ください。
なぜ金額を見てから発注するのですか?
低圧では設計が終わるまで負担金が確定しないことが多く、先に発注すると想定外の負担を抱えるためです。
見積りが設備と工事だけで、負担金が「別」と書かれている場合、その金額はまだ決まっていない可能性があります。金額によっては収支が成り立たなくなるため、技術協議の結果を見てから設備と工事を発注するのが安全です。
誰が払うのですか?
接続する側、つまり設備を持つ側が負担し、販売価格に含むかどうかは案件ごとに違います。
| 案件の形 | 負担金の扱い |
|---|---|
| 接続契約まで済んだ区画 | 金額が決まっており、価格に含むか別かを確認する |
| これから申し込む区画 | 金額は未確定。連系できないリスクも買い手が負う |
高圧の負担金や保証金とはどう違いますか?
高圧では接続検討で負担金の概算が示され、2026年4月から契約申込み時に負担金見込額の10%の保証金を納めますが、低圧はこの制度変更の対象外です。
ただし2026年8月6日の国の審議会では、低圧にも接続検討や保証金を求めるかの検討が始まっています(10月時点では未決定)。収入の見込みは低圧蓄電所の売上試算ツールで試算し、負担金を含めた投資額と比べてください。
まとめ
- 工事費負担金は、連系に必要な電力会社側の工事のうち接続する側が負担する費用です。
- 低圧では契約申込み後の技術協議で、放電と充電の両方を確認して金額が決まります。
- 負担金の金額を見てから設備と工事を発注するのが安全です。
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック 低圧編」(2026年10月) 第1章・第5章・第7章・第10章
- 東京電力パワーグリッド 低圧の系統連系技術協議依頼票の改定(2026年5月)
- 資源エネルギー庁 次世代電力系統ワーキンググループ 資料(2026年8月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。