
低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所)を農地に置くには農地転用の許可が必要で、農振農用地(青地)は原則として転用できないため、候補から外すのが基本です。
低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所・低圧蓄電池、出力50kW未満・49.9kW級)は約40〜150㎡の小さな土地で始められるため、平らで道路に面した農地が候補に挙がりやすくなります。本記事では、農地を検討するときの確認の順番を整理します。全体像は低圧の系統用蓄電池 総合ガイドをご覧ください。
農地かどうかは地目だけで判断できますか
判断できません。登記簿の地目と、実際に耕作されているかという現況の両方を見ます。
登記上は山林や雑種地でも、耕作されていれば農地として扱われることがあります。逆に地目が田や畑のままでも、現況が変わっている場合があります。候補地は登記簿と現地の両方で確かめます(解説ブック低圧編、2026年10月)。地目の基本は地目とはで解説しています。
農地に低圧蓄電所を置くには何が必要ですか
農地転用の許可が必要で、許可を受けずに蓄電所の用途に使うことはできません。
許可が得られるかは、農地の種類や立地で異なります。許可が出る前に土地の代金を払い切らないこと、許可が出なかった場合の扱いを契約で決めておくことが基本です。
青地(農振農用地)はなぜ候補から外すのですか
農業振興地域の農用地区域に指定された青地は、農業のために確保される土地で、原則として転用できないためです。
- 地目を見る登記簿で田・畑か
- 現況を見る耕作されていれば農地扱い
- 区域を見る農振農用地(青地)は原則不可
- 転用許可許可が出るまで代金を払い切らない
- 他の条件都市計画、住宅との距離、電柱
農地以外に同時に確かめる条件はありますか
都市計画の区分、周辺の住宅、搬入路、近くの電柱、積雪・浸水の条件を同時に確かめます。
- 市街化調整区域は不可と考える(国土交通省通知、2025年4月)
- 当社は50m以内に住宅や宿泊施設がない土地を選んでいる
- 2tトラックとクレーン付き車両が横付けできる道があるか
- 近くに電柱があり、配電線と柱上変圧器に余裕があるか
転用の許可は取れても、つながる場所でなければ蓄電所は建ちません。低圧でも、配電線や柱上変圧器の余裕は放電と充電の両方で審査されます。詳しい手順は農地に蓄電所は置けるかと自分の土地に蓄電所を置けるかにまとめています。
収支にはどう影響しますか
転用の手続きにかかる期間と費用が、運転開始の時期と投資額に加わります。
低圧蓄電所は申込みからおおむね6か月〜1年で運転を始められるのが利点ですが、許可を待つ期間がその前に入ります。運転開始が遅れたときの売上の差は低圧蓄電所の売上試算ツールで単価や約定率を変えて確かめられます。
土地を貸す・売る側は何から始めればよいですか
地目と現況、青地かどうかを先に確かめておくと、相談が早く進みます。
住所と広さが分かれば、都市計画の区分や近くの電柱の有無とあわせて、置けるかどうかの見通しを立てられます。青地であれば、ほかの条件がよくても候補から外れるため、最初に確かめる価値があります。
まとめ
- 農地かどうかは地目と現況の両方で確かめる
- 農地転用の許可が必要で、青地(農振農用地)は原則として転用できない
- 許可が出るまで代金を払い切らず、都市計画・距離・電柱の条件も同時に確かめる
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック2026 低圧編」(2026年10月)
- 国土交通省「系統用蓄電池の開発許可制度上の取扱いについて」(2025年4月8日)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。