
低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所)に土地を貸すときの地代は、契約の期間・更新・面積と、案件の収支のなかで地代が占める割合を材料に考えるのが基本です。
低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所・低圧蓄電池、出力50kW未満・49.9kW級)は約40〜150㎡の小さな土地で設置でき、細長い土地や三角地、太陽光には狭すぎた土地が活きる可能性があります。本記事では相場額ではなく、地代を決めるための材料を整理します。全体像は低圧の系統用蓄電池 総合ガイドをご覧ください。
低圧蓄電所の地代に決まった相場はありますか
公表された相場はなく、案件ごとに条件から決めるのが実情です。
解説ブック低圧編(2026年10月)では、地代は借地の場合に差し引く費用の一つとして扱われています。地代は、設置者の収支の中で毎年かかる固定費になるため、収入の見込みと切り離しては決まりません。
地代を決めるときに何を材料にしますか
期間、更新、面積、支払いの開始時期、原状回復と、案件の売上の見込みを材料にします。
案件の収支から見ると、地代はどう位置づけられますか
地代は売上から差し引かれる費用の一つで、売上の前提が下がっても払い続けられる水準かが論点になります。
売上は「出力×単価×約定したコマ数」で決まり、出力49.9kW・約定率90%なら単価10円で年約787万円、5円で約393万円という計算の例があります(解説ブック低圧編、2026年10月)。一次調整力の上限価格は2026年9月1日に10.00円へ引き下げられ、さらに段階的な引き下げ方針が示されています(EPRX、2026年7月)。設置者は、アグリゲーター手数料、充電の電力費、保守・監視、保険、固定資産税、地代を差し引いた手取りで判断します。単価が下がった場合の売上は低圧蓄電所の売上試算ツールで確かめられます。
地代以外に契約で決めておくことは何ですか
期間と更新、支払いの開始時期、運転終了時の撤去と原状回復、相続や売却時の引き継ぎを決めておきます。
- 連系できなかった場合に土地の拘束が解ける時期と条件
- 隣り合う土地を別々に貸すときの名義の扱い(分割設置の規制、2023年4月から系統用蓄電池も対象)
- 運転終了時の撤去・処分の費用を誰が負担するか
期間と更新の決め方は蓄電所の土地の賃貸借契約は何年くらいか、支払い開始は蓄電所の地代はいつから発生するか、隣接地の注意は隣り合う土地を別々に貸すときの注意で解説しています。
地主にとっては、土地の固定資産税の負担をどちらが持つかも地代とあわせて決めておきたい点です。設備にかかる固定資産税(償却資産、標準税率1.4%)は設置者の負担で、土地の固定資産税とは別のものです。
まとめ
- 低圧蓄電所の地代に公表された相場はなく、条件から決める
- 期間・更新・面積・開始時期・原状回復などの項目をまとめて確かめる
- 地代は設置者の固定費なので、売上の前提が下がっても続く水準かが論点になる
出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。
出典
- 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック2026 低圧編」(2026年10月)
- 電力需給調整力取引所(EPRX)「需給調整市場のΔkW上限価格について」(2026年7月)
- 資源エネルギー庁「発電等設備の分割対策に関するQ&A」(2026年6月)
※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。