「環境エネルギー対策資金」の融資活用で環境ビジネスを成功へ導く方法

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日本政策金融公庫が実施する融資事業の1つに「環境エネルギー対策資金」があります。再生可能エネルギーの導入や産業廃棄物の処理、汚染対策などに必要な費用を最大7億2,000万円まで融資します。通常よりも低い金利が適用されることもあるため、コストを抑えて企業の脱炭素化を図れるのが特徴の1つです。

今回の記事では環境エネルギー対策資金の概要や融資の流れ、その他活用できるサービスを解説します。融資を活用し、CO2削減に向けた設備投資を賢く行いましょう。

目次

日本政策金融公庫の環境エネルギー対策資金の概要

日本政策金融公庫が実施している環境エネルギー対策資金の目的や対象事業、融資条件について解説します。自社で取り組めそうな事業がないかどうかを確認しましょう。

資金提供の目的とポリシー

日本政策金融公庫は、国民生活の向上を目的とする政策金融機関です。一般の金融機関の活動を補完する役割を担っています。事業の1つである環境エネルギー対策資金では、非化石エネルギーの導入や省エネの促進、公害防止策の実施などの環境保全の取り組みを支援しています。

日本政策金融公庫の役割は金融機関の活動を支援するとともに、国民生活をより豊かにすることです。取り組みの一環として環境保全にも注力しており、非化石エネルギーや省エネの促進にかかる費用を支援する環境エネルギー対策資金という事業を行っています。

参照:

政策金融機関の業務の概要|日本政策金融公庫

環境・エネルギー対策資金|日本政策金融公庫

融資対象事業と対応分野

環境エネルギー対策資金には、以下の9種類があります。対象となる事業や設備、活動を以下の表より確認しましょう。

分野対象事業対象設備・活動
非化石エネルギー関連非化石エネルギーの導入・設備設置する事業発電設備(風力、地熱、水力、バイオマス)熱利用設備燃料製造設備
大気汚染関連・アスベスト関連大気汚染の原因となる特定物質の排出する事業集じん装置洗浄・中和・吸着・還元装置燃焼改善施設など
アスベストの発生・飛散防止に努める事業密閉・被覆施設吸着・分解・分離装置など
水質汚濁関連水質汚濁の原因となる特定物質を排出する事業沈でん・浮上装置油水分離装置汚泥処理装置など
産業廃棄物処理・抑制・利用プラスチック関連廃棄物処理・抑制・利用する事業廃棄物の処理設備排出抑制設備リサイクル設備など
再生可能資源由来の原材料・製品を製造する事業再生可能資源の製造設備再生プラスチック利用設備
建設機械・特定特殊自動車関連環境基準に適合する建設機械・特殊自動車を取得する事業排出ガス対策型建設機械、低炭素型建設機械など
省エネ設備関連既存設備の更新・増強を行う事業省エネルギー設備更新・増強に必要な新設備
PCB廃棄物処分関連PCB廃棄物を処分する事業処分施設長期運転資金に必要な設備
土壌汚染対策関連土壌汚染の調査・対策を実施する事業土壌汚染の調査・除去・防止に必要な設備
GX関連温室効果ガス排出量の算定・対策を行う事業温室効果ガス排出量の把握・第三者検証の設備

参照:環境・エネルギー対策資金|日本政策金融公庫

金利や返済期間などの融資条件

環境エネルギー対策資金の融資限度額や金利、返済期間を以下の表より確認してください。事業によっては金利の低い特別利率が適用されますが、一定額以上の融資には特別利率が適用されない場合もあります。前もって、利率を確認しましょう。

分野融資限度額返済期間利率(年)※1
直接貸付代理貸付
非化石エネルギー関連7億2,000万円1億2,000万円20年以内※2基準利率(特定設備の取得時は特別利率を適用)
大気汚染・アスベスト関連設備資金:20年以内運転資金:7年以内※2特別利率適用あり(設備による)
水質汚濁関連20年以内※2特別利率2まで(4億円超えた分は基準利率)
産業廃棄物処理・利用関連特別利率2または3(4億円超えた分は基準利率)
建設機械・特殊自動車関連特別利率1(4億円超えた分は基準利率)
省エネ設備関連基準利率-0.65%
PCB廃棄物処分関連7年以内※2基準利率(特別措置の適用時は特別利率3)
土壌汚染対策関連基準利率(特定措置の適用時は特別利率3)
GX関連設備資金:20年以内運転資金:7年以内※2特別利率1または2(4億円超えた分は基準利率)

※1. 利率の詳細は「利率一覧表」を確認

※2. 据置期間は2年以内

参照:環境・エネルギー対策資金|日本政策金融公庫

利率一覧表

環境エネルギー対策資金の利率を確認しましょう。融資を受ける事業内容や貸付期間、融資額によって適用される利率は異なります。

貸付期間基準利率特別利率1特別利率2特別利率3
5年以内1.20%0.80%0.75%0.70%
5年超~6年以内1.30%0.90%0.75%0.70%
6年超~7年以内1.40%1.00%0.75%0.70%
7年超~8年以内1.40%1.00%0.75%0.70%
8年超~9年以内1.50%1.10%0.85%0.70%
9年超~10年以内1.50%1.10%0.85%0.70%
10年超~11年以内1.60%1.20%0.95%0.70%
11年超~12年以内1.70%1.30%1.05%0.80%
12年超~13年以内1.70%1.30%1.05%0.80%
13年超~14年以内1.80%1.40%1.15%0.90%
14年超~15年以内1.80%1.40%1.15%0.90%
15年超~16年以内1.90%1.50%1.25%1.00%
16年超~17年以内1.90%1.50%1.25%1.00%
17年超~18年以内2.00%1.60%1.35%1.10%
18年超~19年以内2.00%1.60%1.35%1.10%
19年超~20年以内2.10%1.70%1.45%1.20%

引用:金利情報|中小企業事業(主要利率一覧表)|日本政策金融公庫

環境エネルギー対策資金活用の事例

環境エネルギー対策資金の活用事例を紹介します。事例を通じて融資を受ける事業の内容や融資額、返済期間の実例を把握することで、どの程度の規模で事業活動が行えそうかを考えやすくなるでしょう。

再生可能エネルギー導入の成功事例

檜原水力発電株式会社は、非化石エネルギー関連の融資を受けた事例の1つです。当社は東京都檜原村で、神戸川支流「水の戸沢」を利用した小水力発電事業を立ち上げました。東京都内で中小企業が小水力発電所を設置する初の事例であり、関東地方でも類を見ない試みです。

事業は資源エネルギー庁の「再エネコンシェルジュ事業」の支援を受け、西武信用金庫と日本政策金融公庫からの協調融資を受けました。総事業費約9,000万円のうち、7,000万円が融資され、返済期間は15年です。

発電設備の出力は49kWで、固定価格買取制度により生産された電力はすべて東京電力に売電されます。事業の成功を受けて、檜原村内で新たに小水力発電を実施することが検討されています。

参照:~環境・エネルギー貸付を活用した事業化事例~ 水の戸沢小水力発電事業

省エネルギー設備導入の事業者への支援

日本政策金融公庫は、省エネ設備導入を計画する事業者への支援を行っています。法定耐用年数を超過した既存設備の更新や増強を目指す事業者に対して、一定の要件を満たす新設備の取得に必要な資金を提供します。省エネに寄与する設備の取得や更新、増強を含む広範な用途に利用可能です。

日本政策金融公庫は省エネ設備の導入支援を通じて、環境保全と経済効率の向上をサポートしています。

土壌汚染対策法対応プロジェクトの取り組み

土壌汚染対策法に基づくプロジェクトの取り組みに関しても、日本政策金融公庫は支援を行っています。土壌汚染対策法に規定された特定有害物質による土壌汚染の調査や除去、拡散防止、その他必要な措置を行う事業者が対象です。

長期運転資金は土壌汚染の調査や除去などの直接的な活動に加え、建物や施設の更新や賃借に必要な資金も含まれるため、土壌汚染全般が可能となります。日本政策金融公庫の融資により、事業者は環境リスクの管理と対応を適切に行えるのです。

資金利用に必要な手続きと注意点

日本政策金融公庫の融資を受けるために必要な手続きや注意点を解説します。相談や申請に必要な書類をあらかじめ把握しておきましょう。

融資申請の基本的な流れと要件

融資申請の流れは、基本的には以下の流れで進行します。

  • 相談
  • 申込
  • 審査
  • 面談(個人事業主・小規模事業者・創業予定者のみ)
  • 融資
  • 返済

今回の記事では、中小企業者の申請手順を紹介します。各段階でどのようなことが行われるのか、必要なものは何かを確認するとよいでしょう。

流れ詳細・要件
相談日本公庫各支店や電話、商工会議所での定例相談にて対応会社案内・決算書・事業計画書などの資料を持参
申込申込の際は以下の書類を提出
会社案内・製品カタログ法人登記事項証明書最新3期分の決算書・税務申告書納税証明書最近の試算表設備投資に関する資料(見積書など)担保内容に関する資料
審査公庫職員が本社や事業計画予定地を訪問事業内容や計画の理解を深める
融資貸付契約の打ち合わせ抵当権設定などの手続き後に送金
返済原則、元金均等割賦返済(自動振替)設備資金の利用時は取得適正の報告・固定資産台帳の計上確認・現地確認などを実施

参照:中小企業の方|日本政策金融公庫

事前相談と審査基準の概要

環境エネルギー対策資金に関する疑問や確認事項がある場合、日本公庫の窓口へ相談しましょう。営業時間は平日9時から17時までで、各支店の電話番号は以下のリンクから確認できます。

参照:店舗案内|日本政策金融公庫

日本政策金融公庫の融資審査では、事業の将来性と安定性を重視します。以下の項目が審査基準です。

  • 過去の業績
  • 今後の事業見通し
  • 業界の動向
  • 申込計画

4つの要素を踏まえて融資の可否が判断されるため、情報をきちんと準備して審査に備えるとよいでしょう。事業計画の実現可能性や持続可能性、市場での競争力なども判断基準となるため、準備する資料は具体性と信頼性を備えていることが重要です。

参照:よくあるご質問 事業を営む方 中小企業の方|日本政策金融公庫

担保や保証人の取り扱いとリスク管理

融資の際の担保設定は、個々のケースに応じて相談を通じて決定されます。担保の有無や種類は、融資のリスクや申込者の状況により異なり、それに基づいて決められるため、事前に相談することが重要です。直接貸付の場合、一定の要件を満たす場合は経営責任者の個人保証が必要になることがあります。これはリスク管理の観点から行われ、金融機関と事業者双方の安全を確保するための措置です。したがって、申込者は融資プロセスにおいて、担保や保証人の要件に注意深く対応する必要があります。

参照:環境・エネルギー対策資金|日本政策金融公庫

その他の制度やサービスの紹介

日本政策金融公庫の資金以外にも、環境保全を支援する制度やサービスは存在します。脱炭素化を促進する補助金や脱炭素経営を支援する団体には、どのようなものがあるのかを確認しましょう。

補助金や税制優遇の活用方法

住宅の省エネ化や事業所・工場の設備更新、電気自動車・再生可能エネルギーの導入など、多岐にわたる方法で脱炭素化の取り組みに補助金が交付されています。

また、環境への影響を低減できる設備導入にかかる費用を税制優遇する「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」もあります。活用できそうな補助金がないかどうかを、以下の記事から確認するとよいでしょう。

関連記事はこちら:【2023年】令和5年CO2削減・脱炭素の補助金一覧を紹介

中小企業向けの独自プログラムや相談窓口

中小企業の脱炭素化を支援するために、さまざまな自治体や機関がセミナーやサービスを提供しています。例えば、東京都中小企業振興公社では2024年1月19日の14時から「中小企業にも求められる脱炭素経営 ~成長の機会にできるか~」というウェブセミナーを実施します。

セミナーでは脱炭素の概要に加え、中小企業が受ける影響や取り組み事例、脱炭素経営のメリット・進め方について解説する予定です。インターネット回線さえあれば参加できるので、脱炭素経営を考えている事業者は積極的に参加しましょう。

参照:【WEBセミナー】中小企業にも求められる脱炭素経営 ~成長の機会にできるか~ | 2022年1月 | 東京都中小企業振興公社

相談窓口として定評があるのは「独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構)」です。中小機構は中小企業に関連する政策を管理している機関で、年間で約16,000件の経営相談を行っています。相談は対面、またはオンラインで行います。経験豊富な専門家へ無料で相談できますので、積極的に活用しましょう。

例えば、以下のような悩みを解消する手助けを行っています。

  • どのように省エネ・カーボンニュートラルに取り組んだらいいのかわからない
  • 自社のCO2排出量を測定する方法を知りたい
  • 環境配慮型の取組みをPRしたい
  • 取引先から自社製品・工程のCO2排出量の開示を求められて困っている
  • 再生可能エネルギーを導入したい
  • SBTやRE100に加入するメリットや方法を知りたい
  • 脱炭素化へ向けた設備導入に活用できる補助金を知りたい

引用:カーボンニュートラルに関する相談|中小機構

よくある質問

日本政策金融公庫の環境エネルギー対策資金に関するよくある質問に回答します。

日本政策金融公庫の特定設備資金とは?

日本政策金融公庫の特定設備資金は、取扱商品や業種の変更を計画している事業者向けの融資です。通常の設備資金と比較して、融資限度額や返済期間が優遇されています。事業の変更や拡大を検討している事業者にとって、有益な選択肢の1つだと言えるでしょう。

参照:2 0 0 8 国民生活金融公庫 レポート

政策金融公庫は何のためにありますか?

日本政策金融公庫は資金調達が困難な中小企業や小規模事業者、農林水産業者への支援を目的とし、経済危機や自然災害時のセーフティネット機能を果たします。新事業創出や事業再生、海外展開など、経済成長のための多様なニーズに応えています。

参照:はじめての方はこちら|日本政策金融公庫 2024年度新卒者採用ホームページ

日本政策金融公庫はどのような会社ですか?

日本政策金融公庫は、一般の金融機関が提供するサービスを補完する役割を担う政策金融機関です。国の中小企業政策や農林漁業政策に基づき、法律や予算で定められた範囲内で金融サービスを提供します。

参照:よくあるご質問|日本政策金融公庫

まとめ

日本政策金融機関は環境エネルギー対策資金を通じて、環境への負担を低減する取り組みに積極的な融資を行っています。事業内容によっては、2.10%の利率を1.20%まで引き下げて融資を受けることも可能です。

環境エネルギー対策資金を活用し、金利を抑えて企業の脱炭素化に取り組みましょう。どのように脱炭素経営を行えばよいのかわからないなどの疑問がある場合は、中小企業基盤整備機構などの専門家へ相談するとよいでしょう。

日本政策金融公庫環境エネルギー対策資金に関する重要用語

項目説明
非化石エネルギー化石燃料を使用しないエネルギーのこと。太陽光や風力、水力などの再生可能エネルギーが代表例。
GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素化を推進する取り組みのこと。化石燃料から再生可能エネルギーへ移行するなどの活動が考えられる。
中小企業基盤整備機構中小企業に関わる政策全般を管理している独立行政法人。

著者のプロフィール

川田 幸寛
小学校教員として、カーボンニュートラルや脱炭素に関する授業を行った経験がある。子どもたちが理解できるように、専門用語を分かりやすく、かみ砕いて説明することを心がけた。この経験を活かし、脱炭素化の重要性を広く伝えるために、誰にとっても理解しやすい記事を作成している。

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福元 惇二(フクモト ジュンジ)

タンソーマンプロジェクト発起人であり、タンソチェック開発を行うmedidas株式会社の代表。タンソーマンメディアでは、総編集長を務め、記事も執筆を行う。

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