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2050年までの「カーボンニュートラルの宣言」が発表され、多くの企業が再生可能エネルギーに着目した取り組みを行っています。
これから再生可能エネルギーを利用した取り組みを考えている方も多いのではないでしょうか?
「カーボンニュートラルでは再生可能エネルギーで対応できる?」
「再生可能エネルギーの最新技術を知りたい!」
そこで、本記事では再生可能エネルギーの概要から最新技術まで解説します。
効果的に温室効果ガスの削減に取り組み、カーボンニュートラルへの実現のご参考にしてください。
再生可能エネルギーとは
カーボンニュートラルには、温室効果ガスの排出量を減らすために、エネルギー転換が必要になります。そこで、再生可能エネルギーへの転換は非常に有効と言われています。
ここでは、改めて再生可能エネルギーの概要について解説します。
再生可能エネルギーとは
そもそも再生可能エネルギーとは、発電で使用するエネルギーが短期間で再生するため、繰り返し使えるエネルギーを指します。
これまでは、石炭や石油といった化石燃料が主なエネルギー源として使われてきました。それらは、地中で長期間かけて生成されたものです。
化石燃料は、再生できず一度使ってしまうと再利用できません。また、化石燃料はあと50年ほどで枯渇してしまうとも言われており、化石燃料以外のエネルギー源へと転換する必要が生じています。
発電に必要な資源が枯渇してしまうと、電力の安定供給が不可能です。
持続可能な社会を形成するためにも、化石燃料から短期間で再生できる再生可能エネルギーへと切り替える必要があります。
さらに、化石燃料は燃やした際に温室効果ガスの1つでもある、二酸化炭素を排出します。2050年のカーボンニュートラルを目指すには、CO2を排出しない再生可能エネルギーがますます重要になってきます。
再生可能エネルギー導入方法
主な再生可能エネルギーの導入方法は下記の4つです。
方法1:太陽光発電
再生可能エネルギーの代表とも言える太陽光発電は、多くの企業が導入しています。
太陽光発電のメリットは、自社の屋上や使用していないスペースなどを利用して発電設備を導入できる点です。
そのため、市街地や自社の土地が狭い場合でも導入が可能です。地方などは、反対に空き地を利用した広大な太陽光発電設備を導入するなど、自社の状況に合わせて導入の仕方が工夫できます。
太陽光発電で得られた電力を自社の電力として消費することで、CO2を排出しない方法での電力供給が実現できます。
方法2:風力発電
風力発電は、風力で大きな風車を回転させる発電方法です。
沿岸部や川沿いなどは強い風が得やすいため、海岸沿いの地域では大規模な風力発電所が設置してあります。
大きな風車は設置するために広大な土地を必要とし、都市部での導入には不向きです。
一方で、小型風力発電であれば、該当のポールくらいの大きさの風車を設置できます。発電できる量は大型のものに比べて、少ないです。それでも、台数を多く設置できるのである程度の電力を賄うことができます。
企業で風力発電を導入する際は、小型のものから導入してみることをおすすめします。
方法3:バイオマス発電
バイオマス発電は、動植物から出された生物資源を燃やすことで発電する方法です。
主に、家畜の排泄物や間伐材や下水汚泥などが原料に利用されています。
農業や畜産業、林業の業種の方が手に入りやすいため、それらの産業がある地域が適しています。
バイオマス発電は比較的新しい発電方法のため、新電力が保有する施設で購入するのが一般的な流れです。
方法4:水力発電
水力発電は、水を高所から落下させること位置エネルギーを利用する発電方法です。
風車と同じように、水車を回転させることで発電します。エネルギー変換率は、再生可能エネルギーで最も高い約80%です。
主な設置場所はダムが多く、黒部ダムなどで稼働しています。
日本は、水資源が豊富な国でもあるため、利用しやすい発電方法のため、以前から積極的な行われていました。
また、天候に左右されにくいため安定した電力を供給しやすいです。
再生可能エネルギー課題
化石燃料に変わるエネルギーとして、注目を集めていますが課題もあります。ここでは、4つの課題について解説します。
国内の発電コスト高い
再生可能エネルギーを利用した発電方法は、比較的費用が高く、ヨーロッパなどに比べて導入率が低いのが現状です。
昨今の技術開発により、コストダウンが進んでいるため、今後導入率の改善が期待できます。
国民負担金額が多い
再生可能エネルギーは導入コストも高いため、国民の負担額が多いのも課題です。
FIT(Feed-in Tariff)と言われる再生可能エネルギーの固定価格制度では、家庭や企業で発電した電気を電力会社が買い取っています。
しかし、電気の買取費用として、一部の国民が毎月払う電気料金にプラスされるため、負担額が多くなってしまいます。
負担軽減のために、FITの見直しが行なわれて法改正もされました。
電力の安定供給が難しい
再生可能エネルギーは、太陽光や風邪などの自然資源を利用しているため、天候に左右されやすいという課題があります。
また、再生可能エネルギーは大量な貯蓄が難しく、安定的に電力供給しにくいです。
水力やバイオマスなどは、ある程度資源が豊富ですが、発電量のコントロールが難しいのは事実です。
こういった要因から、VPPなどのシステムを導入し、電力量のコントロールをすることでさらなる再生可能エネルギーの実用化を目指しています。
エネルギーの変換効率が悪い
水力発電のようにエネルギー効率が高いものもありますが、ほとんどの再生可能エネルギーは変換効率が低いです。
太陽光では、15%〜20%程度になっています。
現在、研究開発が進んだ結果、太陽光発電の変換効率が約38%まで上昇しました。
今後も、変換効率の向上が期待できます。
再生可能エネルギー最新技術
最新の再生可能エネルギーとして注目を集めているのが、「アンビエント発電」です。
その概要やメリットなどを解説します。
アンビエント発電とは
アンビエント発電とは、発電する過程で発生する未利用熱を利用して再発電する発電方法のことです。
主に、発電所や工場などの排熱や環境熱を利用して、燃料や電池として活用を目指しています。
原理的には、小型化や薄型化が可能であり温熱源さえあれば、発電が可能です。
アンビエント発電のメリット
アンビエント発電にはメリットが4つあります。
1.地球上の余剰未利用熱の有効活用ができる
発電所や工場では、年間100億以上もの未利用の排熱や空気熱が存在しています。その未利用熱を際り再利用することで、新たなエネルギーとして有効活用が可能です。
2.半永久的の電源として活用できる
「アンビエント発電」は、IoTセンサーモジュール向けの電源として有効が期待されています。
また、使用する電池は交換不要、充電不要なため年間1兆個レベルの爆発普及が予想されます。
3.持続可能な社会への実現
将来的には、自動車や家電などの日常生活で電源として利用できます。また、発展途上国での自律発電機として、持続可能な社会への実現へと貢献します。
4.天候・場所に左右されない
「アンビエント発電」は、どんな天候でも熱源さえあれば発電可能です。そのため、太陽光や風力などのように天候に左右されることはありません。また、発電所の設置が不要なため、場所を選ばずに導入できます。
5.量産による低コスト化が期待できる
再生可能エネルギーは、コストが高く導入のハードルが高いのが課題です。一方で、「アンビエント発電」は、積層化が可能なため狭い土地での利用効率がアップします。材料も半導体ではなく、特殊の材料を使うことでコスト削減が期待できます。
まとめ
再生可能エネルギーでカーボンニュートラルを目指すことは可能です。しかし、課題も抱えているため、まだまだ導入率が低いのが現状です。最近では、ようやく太陽光発電の設備を導入する企業が増えてきており、今後に期待できます。
カーボンニュートラルに向けて、少しでも温室効果ガスの削減を目指し、再生可能エネルギーを導入してみてください。
著者のプロフィール
- タンソーマンプロジェクト発起人であり、タンソチェック開発を行うmedidas株式会社の代表。タンソーマンメディアでは、総編集長を務め、記事も執筆を行う。