タンソーマンGX 蓄電所の案件と用地

低圧(49.9kW)

低圧蓄電所の回収年数とIRR、比べるときに分母を揃える方法

低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所)の回収年数とIRRは、分母の投資額に土地代と工事費負担金を含めるかで大きく変わるため、比べる前に分母を揃える必要があります。

本記事では、低圧の系統用蓄電池(低圧蓄電所・低圧蓄電池、出力50kW未満・49.9kW級)の収支指標を案件どうしで比べるときの手順を整理します。基礎は低圧の系統用蓄電池 総合ガイドにまとめています。

回収年数とIRRは何を表す指標ですか

回収年数は投資額を毎年の手取りで取り戻すまでの年数、IRR(内部収益率)は運用期間全体の現金の出入りから求める利回りです。

どちらも「投資額」を出発点にするため、投資額に何を含めたかが揃っていないと、数字を並べても比較になりません。指標そのものの意味はIRRとはと回収年数を自分で確かめる考え方で解説しています。

なぜ低圧蓄電所では分母がずれやすいのですか

販売価格に含まれるものが会社ごとに違うためです。

低圧蓄電所の公開販売価格は1基あたりおおむね2,100万〜3,000万円です(各社の公開ページ、2026年9〜10月時点)。ただし、土地を含むか別か、工事費負担金を含むか別か、税込か税抜か、接続契約まで済んでいるかは案件ごとに異なります。低圧の工事費負担金は設計が終わるまで確定しないことが多く、価格に含まれていなければ、後から投資額が増えます。

同じ価格でも分母が違う例

分母が小さく見える案件

  • 設備と工事だけ
  • 土地と負担金は別
  • 接続はこれから

分母が揃った案件

  • 土地を含む
  • 工事費負担金の額が確定
  • 接続契約まで成立

前者は土地代と負担金を足し、連系できないリスクも引き受ける。

分母を揃えるには何を足せばよいですか

土地の取得費(借地なら地代を費用側に)、工事費負担金、税、諸手続きの費用を足して、すべての案件を同じ範囲に揃えます。

  1. 設備と工事(蓄電池、PCS、EMS、基礎、フェンス、連系盤)
  2. 土地の取得費。借地の場合は毎年の地代を費用に入れる
  3. 工事費負担金。未確定なら幅を持たせて試算する
  4. 消防の届出、保安規程、電気主任技術者の手配、アグリゲーターの初期費用
  5. 税込・税抜の表記を統一する

分子の前提はどこを確かめればよいですか

平均の約定単価と約定率が、複数の値で試算されているかを確かめます。

売上は「出力×単価×約定したコマ数」で決まります。出力49.9kW、1年17,520コマ、約定率90%なら、単価10円で約787万円、5円で約393万円です(解説ブック低圧編の計算例、2026年10月)。一次調整力の上限価格は2026年9月1日に10.00円となり、段階的な引き下げ方針も示されています(EPRX、2026年7月)。90%を超える約定率は楽観的な前提であることが多いため、70%などの低い値でも試算します。ご自身の前提で確かめるときは低圧蓄電所の売上試算ツールが使えます。

差し引く費用として、アグリゲーター手数料(収益の10%前後)、充電の電力費、保守・監視、保険、固定資産税(償却資産、標準税率1.4%)、地代、劣化と撤去の費用も入っているかを確認します。表面利回りと費用を引いた実質利回りの差は蓄電所の利回り表示を検算するで扱っています。

まとめ

  • 回収年数とIRRは、分母の投資額に土地代と工事費負担金を含めるかで変わる
  • 比べる前に、土地・負担金・税・諸手続きを足して全案件を同じ範囲に揃える
  • 分子は単価と約定率を複数の値で試算し、差し引く費用がすべて入っているかを確かめる

出力49.9kWの低圧蓄電所については、低圧蓄電所のご案内をご覧ください。

出典

  • 株式会社タンソーマンGX「系統用蓄電池 投資の基礎解説ブック2026 低圧編」(2026年10月)
  • 電力需給調整力取引所(EPRX)「需給調整市場のΔkW上限価格について」(2026年7月)
  • 低圧蓄電所の販売価格:各社の公開ページ(2026年9〜10月)

※本記事は制度と市場の一般的な解説です。個別の投資を勧めるものではありません。

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